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陸自がフォーラムを開催 産官学の連携強化図る

写真:基調講演を行う森下陸幕長


 2月18・19日、東京の三田共用会議所で「令和6年度陸上自衛隊フォーラム」が行われた。平成26年の初開催から22回目となる今回は「ウクライナにおける戦争が陸戦に及ぼす影響と課題」がテーマ。陸自は、将来戦に向けて「国家総力としての研究開発速度」に危機感を持つ。本フォーラムでは防衛省・自衛隊関係者のほか、他省庁、企業関係者、協力団体、同盟同志国の軍関係者ら約1000人が参加して産官学による連携強化を図った。2日にわたり、基調講演やパネルディスカッション等が行われたほか、防衛関連企業約40社による無人機やAI関連の展示会も設けられた。

 開会にあたり廣惠次郎教育訓練研究本部長は、ウクライナ戦争の教訓から「産官学の知見を結集し、未来に向けた具体的な施策が不可欠だ」と述べた。続く基調講演では、森下泰臣陸上幕僚長が将来の陸自の方向性を説明し「戦場の変化に適合するための試行錯誤や、新技術の実践・投入までの時間を短縮する方策が不可欠だ」と述べ、本フォーラム開催の意義を強調した。


島しょ防衛の能力向上努む

英陸軍との実動訓練

日出台で12旅団、空中機動など組織化し

写真:日英共同の第一線救護・衛生訓練

        


 第12旅団(旅団長・前島政樹陸将補=相馬原)は1月8日から2月3日までの間、大分県の日出生台演習場において旅団長を訓練統裁官とした「令和6年度英陸軍との実動訓練(ヴィジラント・アイルズ24)」に参加した。


 本訓練は高い空中機動能力を有する作戦基本部隊である12旅団と、空挺・ヘリボン作戦の分野において優れた戦術技量を有するイギリス陸軍の第16空中強襲旅団戦闘団との実動訓練であり、島しょ防衛に係る作戦遂行能力の向上を図るとともに、陸自とイギリス陸軍との相互理解・信頼関係の促進に資することを目的として行われた。

 訓練開始式にあたり、旅団長は日本側統裁官として「戦闘力の組織化」を要望し「空中機動、地上機動、情報、火力、兵站、衛生、指揮通信等の各種戦闘力を有機的に組織化するとともに、第16空中強襲旅団戦闘団との密接な連携により、日英共同による作戦遂行能力の向上に努めてもらいたい」と訓示した。

 前段の機能別訓練と後段の総合訓練に分けて実施。日英共同による指揮・幕僚活動のもと、空挺・ヘリボンによる戦力投入、衛星写真・UAV・電子戦等の新領域を含む各種情報と火力の連携、第一線救護から日英間の補給品供与を含む後方支援等、日英部隊が有する各種戦闘力を総合的に演練し、練度向上を図った。

信頼を強化

 併せて陸上、海上、航空の各種機動を併用し、西方地区への長距離機動展開能力の向上、新編された偵察戦闘大隊や重迫撃砲中隊を含めた総合戦闘射撃等、日出生台演習場の恵まれた訓練環境において各種練成を十分に行うことができた。

 また訓練実施間、書道体験などの文化交流や日英両隊員によるタッグラグビー試合を行い、イギリス陸軍との信頼関係をさらに強化した。



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