自衛隊ニュース

ゲッキーのイラスト

機略縦横(88)

第一空挺団最先任上級曹長
准陸尉 中村 健作

伝統の継承と隊員育成

 自衛隊の歴史と伝統は、隊員一人ひとりの心に深く根付いています。特に空挺団において、その伝統は「空挺精神」として受け継がれ、「精鋭無比」の隊員を育成するための基盤となっています。

 隊員育成において、伝統の継承は極めて重要で隊員たちは、先人たちが築き上げてきた歴史と価値観を学び、実践することが求められます。教育訓練や服務指導では、技術や知識を教えるだけでなく、困難な状況においても決して諦めず、強い意志と勇気を堅持して行動する空挺精神を修得す

ることが重視されています。

 たとえ最後の一員となっても任務達成できる隊員は、精鋭無比と称され、部隊全体の士気を高め、常に隊員が目指すべき目標となっていきます。

 このように、伝統の継承と隊員育成は密接に関連しており、「空挺精神」や「精鋭無比」といった要素が重要な役割を果たしています。これらの価値観を次世代に伝えることが、最先任上級曹長であり、まさに無形戦闘力の源であると思っております。


防衛省・自衛隊地方協力本部

ティッシュを配る末吉総監


末吉北部方面総監が

街頭でティッシュを配布

<札幌>

 札幌地方協力本部南部地区隊(隊長・千葉健太3陸佐)は、12月23日に白石バスターミナルで、自衛隊をPRするチラシを入れたポケットティッシュを配布する広報活動を行った。

 今回は、北部方面総監の末吉洋明陸将と札幌自衛隊家族会員(白石支部)も参加した。

 札幌地本マスコットキャラクター「羊のモコ」も活動に加わり、地域の方々の興味を引き付け、自衛隊に親しみを持っていただいた。

 札幌地本は、自衛隊をより身近に感じていただき自衛官を職業の選択肢の一つとしていただけるような活動を継続していく。


瀬田工業高校・宇治駐屯地

弓道部合同練習<滋賀>

 滋賀地方協力本部(本部長・𠮷田修造1陸佐)は、1月11日、宇治駐屯地において、瀬田工業高校と宇治駐屯地弓道部の合同練習を支援した。
 瀬田工業高校からは毎年入隊者を輩出しており、合同練習を企画した大津募集案内所の市嶋1海曹は、同部のOBでもある。
 本合同練習においては、参加者による競技会を併せて実施し、個人戦でお互いの実力を競った。優勝は一年生の内田君、賞品として「ヘリ体験搭乗とイベントのご招待権」を受賞した。内田君は「艦艇見学のイベントに行きたいです」と嬉しそうだった。また、「大人との勝負は緊張感があった。この経験を大会にも活かしたい」と意気込みも語ってくれた。
 今回、インフルエンザで参加出来なかった部長の向井君は、「次回は是非参加したい。防大や高等工科学校の同年代と競ったり、年上の自衛隊員の胸を借りたい」と意欲的だった。
 顧問の荒木田先生は、「合同練習を通じて、社会人に必要な礼儀やコミュニケーションの取り方を学んで欲しいと思った。今回の経験で自信に繋がった子が多いと思う」と成果を語ってくれた。
 生徒と自衛隊員との交流を目的に行われた合同練習だが、練習を通じて自衛隊への親近感、将来の職業の選択肢としてイメージすることに繋がったのではないだろうか。
 滋賀地方協力本部は本活動を学校開拓の契機として、引き続き募集目標達成に向けて邁進する。

経験活かせる予備自衛官

技能公募予備自衛官が
通訳で活躍中!<大阪>
 大阪地方協力本部援護課予備自衛官室(室長・稲本真紀事務官)は、1月19日、20日の2日間、陸上自衛隊千僧駐屯地(兵庫県伊丹市)及び久代射場(兵庫県川西市)において、在日米陸軍司令部予備役室長ハギンス大佐による予備自衛官招集訓練視察、褒章状贈呈等の通訳支援を行った。
 本支援は、在日米陸軍司令部予備役室長の来訪機会を活用し、予備自衛官の特別な招集訓練の枠組みの中で通訳として運用することにより、予備自衛官の語学能力の向上を図るもので、今回の通訳支援においては大阪地本所属の技能公募予備自衛官、橋本武寛予備2陸曹が通訳を担当した。
 訓練視察において、久代射場では、予備自衛官の小火器射撃訓練の視察に続いて、今回の5日間訓練に参加中の予備自衛官との懇談が行われたが、ハギンス大佐からは「なぜ予備自衛官になったのですか?」「苦労したことはありますか?」などの質問があり、橋本予備2曹は、質問に対する予備自衛官からの返答や日米それぞれの予備役制度、予備自衛官制度に関するハギンス大佐と予備自衛官とのやり取りを丁寧に通訳し、円滑かつ和やかな懇談に貢献した。そして、第3師団長への表敬時には、第3師団長の通訳を、第3師団司令部幕僚長に対する褒章状贈呈時には幕僚長の通訳を担当した。
 橋本予備2曹からは、「楽しかったです。またこのような訓練があればぜひ参加したいです」との前向きな感想が聞かれ、通訳支援に当たり調整を担当した大阪地本援護課員も、高官表敬の通訳支援を含め、平素の招集訓練では得難い貴重な経験であり、大きな成果を上げることができたと充実した様子だった。
 このように、大阪地方協力本部では、今後も予備自衛官の士気高揚及び能力向上のために、一人ひとりに寄り添った親身なフォローなど、積極的に訓練を支援していく。

予備自衛官補辞令書交付式
説明会で出頭意欲を向上<福島>
 福島地方協力本部(本部長・栗木茂幸1陸佐)は、12月21日、今年度2回目となる後期予備自衛官補辞令書交付式を実施した。
 本交付式は、12月18日付で採用された予備自衛官補に対し、予備自衛官補としての使命の自覚を促し、予備自衛官補教育訓練の完遂及びその後の予備自衛官への任用に繋げることを目的として実施したもので、採用区分別に、一般4名及び技能4名の計8名が参加し、本部長より辞令書を交付された後、服務の宣誓を行った。
 その後、福島地本予備自衛官室から、予備自衛官補の制度説明や、教育訓練出頭要領についての説明を実施した。参加者からは「当初は訓練参加に不安があったが、安心して臨めそう」、「DVDで訓練の様子を見ることが出来て自分も頑張ろうという気持ちがより強くなった」等の感想が聞かれ、教育訓練への出頭意欲向上を図ることができた。
 今後も福島地方協力本部では、予備自衛官室を中心に予備自衛官補をサポートし、予備自衛官補教育訓練の完遂に努めて行く。

予備自衛官補辞令書交付式
体験契食・資料館見学も<静岡>
 静岡地方協力本部(本部長・田代裕久1陸佐)は12月20日、本部庁舎(静岡市)において予備自衛官補辞令書交付式と制度説明、陸上自衛隊板妻駐屯地(御殿場市)において体験喫食と部隊資料館見学を行った。
 これは、新たに採用された予備自衛官補の意識高揚と、自衛隊に対する理解促進を図るとともに、教育訓練への不安を払拭する目的で実施しているもの。今回は4人が参加した。辞令書交付式では、田代本部長が一人一人に辞令書を手渡し、採用された4人が予備自衛官補としての服務の宣誓を行った。
 田代本部長は「それぞれの仕事の傍ら、予備自衛官補としての役割を担うという意義ある決断に心から感謝する。予備自衛官の歴史は長く、特に東日本大震災以降、その重要性はますます高まっている。教育を実施する部隊は豊富なノウハウと経験があり安心して訓練を受け、そして自らのものにしてほしい。普段の健康管理に十分に留意し、立派な予備自衛官として活躍してほしいと思う」と訓示した。
 また、予備自衛官班長が予備自衛官補制度について説明し、参加者は今後自分が受ける教育訓練の内容について熱心に聞き入っていた。
 その後、場所を陸上自衛隊板妻駐屯地に移し、隊員食堂で昼食を体験喫食した。参加者からは「バランスよくボリュームのある食事で、おいしかった」との声が聞かれ、好評だった。資料館見学では、駐屯地広報担当者から部隊や駐屯地の歴史などについて説明を聞き、質問をしながら理解を深めていた。研修を終えた参加者は「今日1日を通して予備自衛官補としての意識が高まった。教育訓練を修了して予備自衛官となり、いざという時に貢献したい」と意欲を語った。
 静岡地本は、今後も予備自衛官等の確保と練度維持に努め、静岡県民のために職務を遂行していく。

衛生訓練に参加して<秋田>
 私は17年間看護師をしていましたが、現在は違います。
 幼少時代から車が好きで、車のカスタムや販売を手掛けるMCC‐Completeの秋田代表を務め一般のお客様からショーカーなどの展示車両を仕上げる、お車の磨き・コーティングをメインとした自動車業界での仕事をしております。看護師としては、オンラインで急性期看護や循環器に関する講師等で指導を行うなど臨床現場とは違った形で携わっています。
 予備自衛官へ志願したのは陸上自衛官であった父の姿を見て自衛隊への憧れが強かったこと、看護学生時代に日本赤十字社の教育施設で受けた座学や実習で災害支援や救護活動の関心が深まったことをきっかけに看護師の強みを生かしていけると思ったからです。長年勤務していた関東で予備自衛官になりましたが、同期や同じ訓練を受けた仲間達とは現在も連絡を取り合う仲でとても心強いです。
 今回みちのくアラート衛生訓練に参加しましたが、大規模な訓練であったこともあり県内外の技能職の方が多く見られ沢山交流できたのは大変貴重な時間だと感じることができました。また、実践的な訓練は初めてでしたが、臨床の現場とは違い、初期治療にあたる救護、収容所という立場を考え、自衛隊としてどの程度の医療レベルで看護を提供する必要があるのかを考えさせられました。私がお世話になった自衛官の方が仰っていた「日々抜かない刀を磨いている」という言葉がいつも心に残っており、日頃から「誰かのためになりたい」という考えを持ち続けて今後の活動にも参加していきたいです。(予備1陸尉 久米真人)



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