2007年12月15日 の記事
インド洋派遣部隊帰国
石破大臣「新テロ特措法案成立に全力尽くす」
「後ろ髪引かれる思い」の声も

補給艦「ときわ」をバックに帰国行事に臨む尾島指揮官以下派遣隊員(11月23日)
テロ対策特別措置法が11月1日に失効、石破茂防衛大臣の帰投命令を受けた海自インド洋派遣部隊の護衛艦「きりさめ」が同22日、佐世保に、また、補給艦「ときわ」が翌23日に東京・晴海埠頭にそれぞれ約4カ月ぶりに帰国した。
テロ特措法に基づき約6年間にわたってインド洋で各国艦艇に洋上補給活動を続けていた日本の支援が一応中断されることになった。
23日午前8時すぎ、「ときわ」が晴海埠頭に接岸、留守家族らの出迎えの中、乗組員約140名が整斉と同岸壁に整列した。午前9時から始まった帰国行事には、石破茂防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、町村信孝官房長官、衆参国会議員、各国大使・武官、家族ら約350人が出席した。最初に、派遣部隊指揮官の尾島義貴6護隊司令が石破大臣に帰国報告したあと、石破大臣が訓示に立ち、任務を完遂し無事帰国したことを称え、その労をねぎらいながら「政府としては、我が国の国益を確保し国際社会に対する責任を果たすため、インド洋での補給活動を再開すべく、新たな補給支援特別措置法案が早期に成立するよう全力を尽くす」ことを強調した。次いで、政府を代表して町村官房長官も新テロ特措法の今国会での早期成立を強調しながら派遣隊員に対して「今回の貴重な体験を活かして一層の活躍を」と挨拶した。伊吹自民党幹事長、太田公明党代表の挨拶に続いて来賓の紹介や花束贈呈などが行われた。
帰国行事終了後、尾島指揮官は報道陣との会見の中で「インド洋で今も活動を続ける各国海軍の仲間を残したまま、しかも次の海自派遣部隊に任務を引き継げずに帰ってきてしまったことは後ろ髪を引かれる思い」など複雑な心境を語った。