自衛隊ニュース
日スウェーデン
防衛相会談
防衛協力推進で一致
握手を交わす中谷防衛相(右)とヨンソン国防相=12月4日、防衛省で
12月4日、中谷元・防衛大臣は防衛省で、スウェーデンのポール・ヨンソン国防大臣と会談を行い、防衛装備や技術協力、NATOを通じた協力等、連携強化を推進していくことで一致した。両国による防衛相会談は今年7月以来。
スウェーデンは今年3月に北大西洋条約機構(NATO)に正式加盟した。一方、日本は今年10月にNATOの国防相会合に初めて招待され、中谷大臣が出席した。中谷大臣は欧州とインド太平洋地域の安全保障は不可分との認識のもと、「NATOと日本を含む同志国との連携の重要性を改めて確認した」と述べた。続けて、「力による一方的な現状変更」は認められないとし、「特に最近の我が国周辺における軍事活動の状況は重大な懸念だ」と表明した。ヨンソン大臣も日本との連携は重用だと協調。日本のウクライナへの支援に謝意を示した。
全自ラグビー
船岡猛攻で「V20」達成
習志野に快勝
ディフェンスを振り切る船岡選手(中央)
「第64回全自衛隊ラグビー大会」が11月25日から12月4日まで、朝霞など3駐屯地・基地などで行われ、Aブロック決勝は陸自船岡と同習志野の自衛隊の“両雄”が相まみえ、船岡が65‐3で快勝。大会史に残る20連覇を達成した。
決勝会場の東京・秩父宮ラグビー場。実業団東日本リーグ「トップイーストリーグ」でもしのぎを削ってきた両チームの対戦は、手に汗握る攻防となった。
国際防衛ラグビー競技会(W杯に合わせ4年に一度開催される軍人ラグビー)では、「ディフェンス・ブロッサムズ」として自衛隊代表チームを組み、各国軍に立ち向かった〝戦友〟だが、全自の舞台では雌雄を決する好敵手だ。
フォワードの突進と走り抜けようとするバックスを互いのディフェンスが阻止する。力と力、技術と技術のぶつかり合い。
前半中盤、均衡を破って船岡が先制トライ。終盤にはCTB(センター)倉元颯士陸士長が右へ駆け抜けトライ、さらに自らゴールキックも決め、22‐3と点差を広げた。
後半に入ると、地力で上回る船岡が猛攻でトライを重ねた。終盤にFB(フルバック)伊藤圭哉3陸曹が中央を突破しポスト下へ飛び込むなど、合わせて7個のトライを奪った。
古豪習志野も試合終了の笛が鳴るまで攻め続けたが船岡の厚い防御に阻まれ、得点は前半のSO(スタンドオフ)垂水鉄平3陸曹のゴールキックのみに抑えられた。
金字塔の「V20」を成し遂げた船岡チーム。けがで欠場した主将、高屋敷拓也2陸曹に代わりゲームリーダーを務めた小野賢蔵3陸曹は、「攻撃は表裏をつくって深みのあるアタックを、ディフェンスは詰めるところは詰め流すところは流し、確実に相手に点を取らせないことを目指した」と勝因を挙げた。
かつて選手として連勝に貢献した監督の安藤貴樹2陸尉は、「ここまで(20連覇)来ると負けられない、という意識がチーム全体にあった。最初は緊張していたが途中から緊張がほぐれ得点を重ねられた。(トップイーストの)リーグ戦の途中でディフェンスの弱さを感じ、練習を積み重ね、ディフェンス力を高めた」と語った。
Aブロック決勝後に行われた閉会式には大会会長の増田和夫事務次官、同副会長の南雲憲一朗統幕副長、大会委員長の尾崎義典情報本部長らも出席。
増田事務次官は式に先立って船岡フィフティーンに声を掛け「力強いプレー、前人未到のV20の達成に感動しました。さらにV30、V40を目指して頑張っていただきたい」とねぎらい、激励した。
Bブロックは国分・北熊本
大会はA~C3ブロックに分けて競われ全11(A2、B6、C3)チームが出場した。
結果は次の通り。◇Aブロック優勝=船岡◇Bブロック優勝=国分・北熊本、準優勝=善通寺、3位=練馬・松戸・朝霞・市ヶ谷・霞ヶ浦・富士・八尾◇Cブロック優勝=浜松・岐阜・小松・静浜・小牧、準優勝=千歳・東千歳