自衛隊ニュース

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全日本重量挙げV

佐藤2曹(73キロ)
原3尉(81キロ)

 「全日本ウエイトリフティング選手権大会」が4月21日から24日まで、山梨市民総合体育館で開催され、体校ウエイトリフティング班から本木和真2陸尉ほか11名が出場。男子73キロ級で佐藤康太郎2陸曹、同81キロ級で原勇輝3陸尉が優勝を果たした。

 佐藤2曹は、最初のスナッチ(一気に頭上へ上げ立ち上がる)の試技を3回とも成功させ首位に。続くクリーン&ジャーク(鎖骨の位置まで上げ、頭上へ上げる)でも182キロを成功させて首位を守り、トータル327キロで初優勝。試合後「記録を伸ばせてよかった。ロサンゼルスオリンピックに向けスナッチの記録を伸ばしていきたい」と晴れやかな笑顔を見せた。

 男子81キロ級には原3尉と山根大地2陸曹が出場。スナッチで143キロを成功させた山根2曹が首位に立ち、原3尉は142キロで2位。続くクリーン&ジャークで原3尉が175キロを成功させ、トータル317キロで逆転し2連覇。試合後、「(優勝し)ほっとしたが、自己ベストには遠く悔しい」と語った。

防大ラグビー部 フランスへ遠征

防衛大学校ラグビー部顧問 戸室圭人1海尉

 私たち防衛大学校ラグビー部は、学業と訓練にまい進するとともに、ラグビーを通じて真の武人となる資質を高めています。我々は、各国の士官候補生との相互理解を早期に醸成することが、我が国の安全保障を担う上で非常に重要であると考えており、過去に2度、2013年にイギリス陸軍士官学校、19年にオーストラリア国防軍士官学校と交流試合を行なっていて、今回は3度目の国際親善の機会となりました。


70周年記念し


 2023年は防大ラグビー部創部70周年ということで、海外遠征を企画し、ラグビーW杯がフランスにて開催されることから、フランスに声をかけ、海軍士官学校が快諾してくれました。同時に、フランス海軍士官学校とイギリス海軍士官学校が定期戦を行なっていたため、3カ国による対抗戦となりました。

 3月20日、成田出発予定便の機体トラブルにより1日遅れでの到着となった後の22日、初戦は移動の疲れが残る中、イギリス海軍士官学校との試合でした。相手は体格も技術も一枚上手でしたが、防大の強みであるフィットネスを生かし最後まで走り抜き、数少ないチャンスを得点につなげ、36-7で勝利を収めました。

 翌23日第2戦は、フランス海軍士官学校との試合でした。大幅にメンバーを入れ替え臨んだ試合は、天候が悪く、双方にミスが目立つ内容となりましが、防大は展開を果敢にしかけ、3トライを挙げ、19-10で勝利をあげることができました。2戦とも防大の激しいプレッシャーで相手を圧倒し、ピンチの場面で何度も相手のボールを奪い返しました。失トライを最小限に抑えることもでき、ディフェンス力での勝利だったと思います。


日の丸背負う


 アフターマッチファンクションでは各士官学校の紹介を行い、自国文化を象徴するお土産などを交換し、食事などを通じて交流を深めることにより国際感覚を涵養しました。

 また、フランス海軍士官学校が所在するブレスト市と防衛大学校が所在する横須賀市が姉妹都市であり、双方市長のギフトを受け渡しました。本遠征が友好都市の架け橋となり、地域創生の一助になったことも成果の一つでした。

 そして、最も大きな成果は学生の成長です。今回の対抗戦では全ての選手が日の丸を背負って戦うマインドを持って試合に挑みました。これらの経験から、将来幹部自衛官として国防の最前線に立つ崇高な任務を請け負う者に必須の責任感を醸成することができたと思います。また、本遠征の計画から実行までを学生が主体的に行うことで、良くも悪くも準備段階の重要性を体感することができました。

 このような海外の士官学校との対抗戦は防衛大学校学生として必要な資質を高められる貴重な機会であり、通常のリーグ戦などでは中々得難いものです。防大ラグビー部としては今後も継続的に海外の士官学校との対抗戦を企画していこうと考えています。


2年後日本で


 まずは2年後の2025年に今回交流したイギリスとフランスの海軍士官学校に加え、アメリカの士官学校を含めた4カ国対抗戦を日本で開催したいと考えています。そのためには、運営ナレッジの継承や運営資金獲得などさまざまな課題が存在していますが、一つずつ解決していき、対抗戦の実現に向け前進していきたいです。

 防大ラグビー部は、4年間を通じて幹部自衛官となるための教育・訓練を受けるとともに、ラグビーに打ち込んでいくことで、自己能力の進展を図ることができます。互いに切磋琢磨しながら高め合える仲間を募集しています。横須賀の地でお待ちしています。

新添3尉(体校)女子70キロ級制す

 「2023柔道世界選手権」が5月7日から同14日まで、カタール・ドーハで開催され、自衛隊体育学校(朝霞)柔道班から浜田尚里1陸尉、新添左季3陸尉の2人が出場。新添3尉が初優勝、浜田1尉が第5位の成果を納めた。

 新添3尉は女子70キロ級に2回戦から登場。イスラエル選手にゴールデンスコア(GS、延長戦)で技ありを奪い勝利すると、3回戦はプエルトリコ選手に合わせ技一本で、準々決勝はフランス選手にGS突入後の相手反則による一本で、それぞれ勝利した。

 準決勝は世界選手権2連覇中のクロアチアの強豪を試合時間終了間際、小外刈りで技ありを奪い退けた。ドイツ選手との決勝戦は、得意の内股で技ありを奪い、そのまま抑え込んで合わせ一本を奪った。

 新添3尉は、大会最終日に行われた男女混合団体戦でも気を吐いた。

 団体戦は男女各3人の6人制(6階級)で行われ、大会5連覇中の日本チームは順当に勝ち上がり、フランスとの決勝に臨んだ。

 6人が戦い終えて3-3となり、勝利の行方は代表戦に委ねられた。代表戦は抽選で女子70キロ級が選ばれ、新添3尉が登場。7分に迫る苦闘の末、反則勝ちし、6連覇に貢献した。

 試合後、仲間たちから胴上げされ、「人生で初めてされた。思っていたより怖かったけどそれ以上にうれしかった」とはにかみながら喜びを語った。

常に鍛えておきたい

ー静岡地本浜松出張所の柴田2空曹が快挙ー

全日本ベンチプレスで2位

 静岡地方協力本部浜松出張所(所長・有吉將人1空尉)の広報官、柴田道郎2空曹は2月18、19の両日、岡崎中央総合公園総合体育館(愛知県岡崎市)で行われた「第35回全日本ベンチプレス選手権大会」に出場。105キロ級で267・5キロを挙げ、第2位に入賞した。

 普段は自宅とジムで週4回トレーニングに励み、大会の1カ月前からは豊橋市のパワーリフティング専門ジムに通っていたという柴田2曹。「大会で2位争いしたのは以前世界2位になった選手だったので、競り勝ててうれしかったです。私の階級の優勝者は去年の世界チャンピオンで、非常に強いですがいつか勝ちたいと思っています」と感想を語った。

 柴田2曹は今回の大会が開かれた愛知県岡崎市の出身。高校3年生から自宅近くのジムでウエイトトレーニングを始めた。高校卒業後、航空自衛官に。小牧基地(愛知県小牧市)で勤務していた頃、当時通っていたジムで全日本チャンピオンに「パワーリフティングの才能がある」と声をかけられたのがきっかけで2002年、23歳で初めて大会に出場した。

 その言葉通り、35歳と39歳の時にベンチプレスの日本記録を更新。40歳の2019年には、全日本パワーリフティング大会120キロ級で優勝、世界大会でも16位に入った。

 「自衛官としても常に体を鍛えておきたい」とトレーニングに打ち込む柴田2曹。「現在44歳ですが大きなけがもなく、再び日本記録を更新することを目標に大会への出場を続けています。9月に北海道でアジアベンチプレス大会が開催されるので、ぜひメダルを獲得したいです」と意気込んでいる。

 静岡地本は、今後も隊員の余暇活動の充実を図っていく。(静岡地本)

防衛ホーム スポーツ部

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