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10 ヵ国、13寄港地を歴訪

遠航部隊が158日間、5万7000km航程

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秋雨の降りしきる中、関係者多数が出席、盛大に帰国行事が行われた(9月18日)

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 海自遠洋練習航海部隊(司令官・井上力海将補)が9月18日、東京・晴海埠頭HK岸壁に帰国した。実習幹部約173名を含む総員約712名は、158日間の日程で約5万7千kmを航海し、アメリカ、パナマ、ブラジル、セネガル、フランス、オランダ、イギリス、エジプト、インド、シンガポールの計10カ国13寄港地を歴訪した。

 ブラジル・サントスでは皇太子殿下もご臨席したブラジル日系移民100周年記念行事に参加したほか、今年は日仏修好150周年、日蘭外交開設150周年にあたることから各地の記念行事で親善役を務め賞賛を浴びた。

 午前9時半すぎ、到着を待つ関係者の前に艦影をあらわした練習艦「かしま」「あさぎり」、護衛艦「うみぎり」は手際良く続々と接岸。乗員が埠頭に整列し林芳正防衛大臣が栄誉礼を受け、午前10時より式典が行われた。

 防衛省・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、関連団体来賓、実習幹部の家族、OBら多数が見守る中、井上司令官が林大臣に帰国報告。林大臣は訓示の中で、防衛省改革による国民の信頼回復と海自によるインド洋での給油活動が各国から高い評価を受けていると説明。実習幹部には、遠洋航海で得た国際見識と高い視野を活かして、今後も「自覚と誇りをもって」任務にあたるよう求めた。また、赤星慶治海幕長は、今回の遠洋航海が「我が国と訪問国との友好親善にも大きく貢献した」と井上司令官以下全隊員を労い、実習幹部に対しては「海上自衛隊の全ての活動の基本が海の上にあることを肝に命じ」、「何事にも積極的に挑戦し、精進を続けてもらいたい」と訓示した。続いて柴山昌彦外務政務官の祝辞、来賓紹介、祝電披露、花束贈呈が順次行われたあと、実習幹部は満面の笑みで約5カ月ぶりとなる家族との対面をし、無事の帰国を互いに喜び合っていた。