自衛隊ニュース

ゲッキーのイラスト

アフリカ7ヵ国軍人らに講演

高橋2陸佐、榮村2陸佐が日本独自の国際平和協力活動語る

《エジプト・カイロ平和維持センター》

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 統幕運用部国際協力室の高橋洋二2陸佐(元・第22次ゴラン高原派遣輸送隊長)と中央即応集団国際活動教育隊の榮村佳之2陸佐(元・イラク復興業務支援隊員)は11月21日から30日までの間、エジプトにあるアフリカ紛争解決平和維持訓練カイロセンターに派遣され、エジプト、アンゴラ、エチオピア、スーダンなどアフリカ7カ国のPKO要員(軍人、警察官、外交官、文民)約30名に対して5日間にわたって「統合平和維持ミッションのための統合トレーニングプログラム」の教育を行った。

 教育課目では主に高橋2佐は「軍民協力における基本的着意事項について」「スマトラなど国際緊急援助活動の事例(軍事組織による国際的な災害救助活動)」を、また、榮村2佐は「イラク(サマーワ)における軍民協力について(国際平和協力活動の現場における現地住民との関係構築)」「国際活動の教育訓練のあり方について(国際平和協力活動に適切に取り組むための教育訓練体制の構築)」をそれぞれ講義した。

 2名の講演を熱心に聴講したPKOセンター長(エジプト外務次官)は「センターの教育プログラムに極めて有意義な講義で、今後も自衛官講師派遣事業の継続を強く要望する」、また在エジプトスーダン大使は「第2次世界大戦後、見事な復興を遂げた日本の経験、知識、独自のアプローチなどを学びたい」、そして教育受講者は「自衛隊の国際平和協力活動への取り組みの経験に基づく講義は大変示唆に富み、大いに参考になった」と感想を語っていた。一方、高橋2佐は今回の講演を通じて「参加者の反響は予想以上に大きく、欧米諸国とは異なる日本独自の国際平和協力活動へのアプローチが高く評価された。また、他の国の派遣講師やアフリカ各国から各分野のエキスパートが参加しているため、アフリカでのPKOなどの実情を把握する絶好の機会だった」、また榮村2佐は「国際活動教育隊が取り組む真摯な教育訓練やイラクでの自衛隊独自の活動状況が理解してもらえた」と述べた。

4万人の観客を魅了
自衛隊音楽まつり

会場が一体に
「翼をください」大合唱

《日本武道館》
陸海空音楽隊、自衛太鼓、防大、在日米陸軍など1000名出演
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 平成20年度自衛隊音楽まつりが11月21、22の両日、「一人の努力・明日へのチカラ」をメインテーマに日本武道館で開催された。この音楽まつりには陸海空音楽隊、第 302保安警務中隊、自衛太鼓、防大儀仗隊、在日米陸軍軍楽隊など総勢1000名が出演、華やかな音楽演奏やドリルを披露した。招待公演を含めて計6回の公演に、浜田靖一防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、一般市民ら約4万人が訪れ、音楽隊のすばらしいパフォーマンスを堪能するとともにフィナーレでは全出演者と観客が一体となって「翼をください」を大合唱した。〈関連記事7面〉


オープニングの合図とともに薄暗い壇上に迷彩服姿の男性自衛官約100名が登場、腰に手を当てながら「男の群れ」をアカペラで合唱すると、その迫力に会場は感動の渦に巻き込まれた。

米国で諸職種協同訓練

陸自434隊員と米陸軍が総合戦闘能力向上図る

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広大な米国ヤキマ演習場でAH-1Sがロケット弾を射撃した瞬間

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《東北方面隊》

「更なる部隊精強化を目指す」


 陸上自衛隊は9月24日から11月4日までの間、米国ワシントン州フォート・ルイス及びヤキマ演習場で「平成20年度米国における諸職種協同訓練」を実施した。

 これは、効果的な訓練施設等を有する米国に部隊を派遣し、機動と火力を連携した諸職種協同による訓練を実施するとともに、日米による相互連携要領を演練し総合戦闘能力の向上を図ることを目的としたもので、担任官は宗像久男東北方総監。主要実施部隊は陸自が第6師団司令部、第22普通科連隊、第6特科連隊、第6戦車大隊及び東北方面航空隊第2対戦車ヘリコプター隊、米陸軍が第1軍団第5-2ストライカー旅団第1-17歩兵大隊で、米陸軍はフォート・ルイスでの訓練にのみ参加した。

 また、陸自の規模は、人員434名、主要装備は120mm迫撃砲、155mmりゅう弾砲FH70、74式戦車、78式戦車回収車、対戦車ヘリコプター(AH-1S)、多用途ヘリコプター(UH-1)、高機動車、軽装甲機動車、小・中・大型トラックなどで、これらの各装備品の性能を最大限に発揮させて戦術技量の一層の向上を図った。

 日本で訓練してきた成果を存分に発揮した隊員は「米国で得た数々の教訓なども参考にしながら更なる部隊精強化を図っていく」と語っている。


重迫隊員が的確に目標を観測して素早く射撃

観閲官に麻生首相
5000隊員、航空装備が一同に

麻生首相「日本自身の防衛努力と日米同盟強化を」

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見学者8500人を前に、堂々の観閲パレードが繰り広げられた(10月19日、百里基地で)

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《航空観閲式》


 平成20年度自衛隊記念日行事「航空観閲式」が10月19日、自衛隊最高指揮官の麻生太郎首相を観閲官に迎え、空自百里基地で行われた。また、前日には、同中央行事の一環として自衛隊殉職隊員追悼式(防衛省慰霊碑地区)と防衛大臣感謝状贈呈式(グランドヒル市ヶ谷)が行われた。


 19日午前10時、航空中央音楽隊の音楽演奏に続いて陸海空約760名から成る観閲地上部隊が式典会場のエプロン地区に入場を開始、陸海空各装備品の前に整列した。次いで、観閲部隊指揮官の片岡晴彦中空司令官と観閲式執行者の永田久雄総隊司令官が相次いで入場、隊員から栄誉礼を受けた。

 防衛省・自衛隊の高級幹部をはじめ衆参国会議員、外国武官、来賓、招待者ら約8500人が見守る中、自衛隊最高指揮官の麻生太郎首相が臨場、浜田靖一防衛大臣とともに特別儀仗隊(第302保安警務中隊と陸中音で編成)の栄誉礼を受けた。次いで、麻生首相は防衛省・自衛隊の高級幹部とともに観閲台上にあがり、永田執行者の開式宣言に続いて整列した全観閲部隊隊員が壮大な栄誉礼を受けた。

 国旗掲揚、F-15戦闘機4機による慰霊飛行のあと、観閲飛行が始まり、多少雲に覆われ始めた上空を、UH-1H、OH-1、AH-1S、SH-60J、US-2、P-3C、CH-47J、E-2C、C-130H、C-1、U-125A、RF-4E、F-2A、F-15J、E-767など、陸海空自衛隊の航空機が整斉と編隊を組み、相次いで航過して行った。

 引き続き、麻生首相は片岡観閲部隊指揮官を伴い、オープンカーに乗車、地上に整列する陸海空隊員を順次巡閲したあと、訓示に立ち、テロの脅威など様々な課題について触れ「これらに対処するために、まず、日本自身の防衛努力を行うとともに日米同盟を強化していかなければならない」ことを強調、「常に国民とともにあり、国民を守り続けていく使命を常に自覚し任務に精励するよう」要望した(訓示全文は2面に掲載)。引き続き、移動部隊展示走行、航空機地上滑走、展示飛行(緊急発進、捜索救助など)が順次行われ、最後に、ブルーインパルスが登場、スモークをたなびかせながら高度な戦技を披露した。


国際活動総合訓練を実施

「CRF」との連携「不測事態対処」など練度向上図る

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ヘリから素早く降りて緊急患者搬送に向かう隊員

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《あいば野演習場》


 国際平和協力活動総合訓練が9月15日から19日までの5日間にわたって、あいば野演習場で実施された。

 これは、国際平和協力活動要員候補者に対して総合訓練を実施し、「本隊第1波中継国到着~先遣隊との業務引継ぎ~復興支援活動」までの場面における一連の行動を演練して、国際平和協力活動能力の向上を図ることを目的としたもので、主要演練項目は「先遣隊との連携」「本隊指揮下部隊と警備中隊との連携」「不測事態対処」「射撃(至近距離射撃)」の4項目。

 15日、訓練開始式に続いて、本隊第1波(隊本部、直接後方支援中隊、警備中隊、補給隊)、全般後方支援隊、本隊主力が中央即応集団(CRF)先遣隊との連携を図った。また、慣熟訓練では、直接後方支援中隊がガンハンドリング、戦闘衛生、航空隊がエアドーム展張、夜間飛行、警備中隊が宿営地警備等、施設隊が道路整備支援、衛生隊が医療技術支援、輸送隊が輸送業務支援、補給隊が給水支援をそれぞれ演練した。

 最終日の19日には、警備中隊を主に至近距離射撃が行われ、国際平和協力活動に必要な基盤となる練度の向上を図った。

 なお、折木良一陸幕長と火箱芳文中方総監が相次いで訓練を視察、概況報告を受けるとともに直接隊員に声をかけて激励した。


10 ヵ国、13寄港地を歴訪

遠航部隊が158日間、5万7000km航程

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秋雨の降りしきる中、関係者多数が出席、盛大に帰国行事が行われた(9月18日)

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 海自遠洋練習航海部隊(司令官・井上力海将補)が9月18日、東京・晴海埠頭HK岸壁に帰国した。実習幹部約173名を含む総員約712名は、158日間の日程で約5万7千kmを航海し、アメリカ、パナマ、ブラジル、セネガル、フランス、オランダ、イギリス、エジプト、インド、シンガポールの計10カ国13寄港地を歴訪した。

 ブラジル・サントスでは皇太子殿下もご臨席したブラジル日系移民100周年記念行事に参加したほか、今年は日仏修好150周年、日蘭外交開設150周年にあたることから各地の記念行事で親善役を務め賞賛を浴びた。

 午前9時半すぎ、到着を待つ関係者の前に艦影をあらわした練習艦「かしま」「あさぎり」、護衛艦「うみぎり」は手際良く続々と接岸。乗員が埠頭に整列し林芳正防衛大臣が栄誉礼を受け、午前10時より式典が行われた。

 防衛省・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、関連団体来賓、実習幹部の家族、OBら多数が見守る中、井上司令官が林大臣に帰国報告。林大臣は訓示の中で、防衛省改革による国民の信頼回復と海自によるインド洋での給油活動が各国から高い評価を受けていると説明。実習幹部には、遠洋航海で得た国際見識と高い視野を活かして、今後も「自覚と誇りをもって」任務にあたるよう求めた。また、赤星慶治海幕長は、今回の遠洋航海が「我が国と訪問国との友好親善にも大きく貢献した」と井上司令官以下全隊員を労い、実習幹部に対しては「海上自衛隊の全ての活動の基本が海の上にあることを肝に命じ」、「何事にも積極的に挑戦し、精進を続けてもらいたい」と訓示した。続いて柴山昌彦外務政務官の祝辞、来賓紹介、祝電披露、花束贈呈が順次行われたあと、実習幹部は満面の笑みで約5カ月ぶりとなる家族との対面をし、無事の帰国を互いに喜び合っていた。


精強な防衛省・自衛隊へ

世界の平和・安定を確立
高級幹部会同開く

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 防衛省の政策方針周知と重要課題の意見交換を目的に行われる第44回高級幹部会同が9月3日午前、防衛省で開かれ、防衛大臣、副大臣、両政務官のほか事務次官、統合・陸海空の各幕僚をはじめとする防衛省・自衛隊の高級幹部約170人が参加した。林芳正大臣は訓示の中で、防衛省改革、日米同盟を軸とした各国との防衛交流、インド洋における補給支援などの国際平和協力活動、テロや大規模災害に対する危機管理体制の強化などについて触れた。また、高級幹部に対しては「国の独立と平和を守るのは、防衛省・自衛隊以外にない。中枢幹部である諸官が隊員の先頭に立って、我が国の平和と安全、さらには世界の平和と安定を確立するため、一層任務に精励するよう」要望した。続いて、増田好平事務次官の説示、齋藤隆統幕長の挨拶のあと、中江公人官房長が「防衛省改革について」、永田久雄航空総隊司令官が「BMDの運用について」、防衛研究所の武貞秀士統括研究官が「朝鮮半島情勢を読む」をテーマに、それぞれ発表した。

迫真の実弾射撃
富士総合火力演習

富士学校・教導団基幹に2400隊員参加
暗視装置や照明弾を使用した夜間演習も

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 耳をつんざく戦車砲の轟音、唸りをあげる迫撃砲弾、電光石火の早業で現れる航空部隊―平成20年度富士総合火力演習が昼間・夜間の予行、教育演習や一般公開も含めて、8月19、21、23、24日の4日間にわたり、陸自東富士演習場畑岡地区で行われた。4日間で一般市民ら約9万人余りが迫真の訓練展示を見学した。

 この演習は、富士学校の学生教育の一環として陸自が保有する各種火砲・火力等の効果を現代戦における火力戦闘を認識するとともに、広く国民の理解を得ることを目的とし一般公開されている。富士学校(学校長・内田益次郎陸将)、富士教導団(団長・塚田章陸将補)を基幹に人員約2400名、戦車・装甲車、各種火器・火砲、航空機など多数の装備品が参加し、緊迫の火力戦闘訓練を展開した。

 予行も含めて24日に行われた一般公開では、毎年大好評の防衛ホーム「号外」を見入るなどして演習時間を待っていた。

 また、同日は、林芳正防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、国会議員、各国駐在武官らの来賓とともに市民が見学した。富士総火演は午前10時すぎから、演習の前段となる陸自の主要装備品紹介が開始された。まず、航空火力の展示がなされ、演習場のはるか遠方からF―2支援戦闘機が瞬く間に飛来し、対地攻撃を行うと観客席からは歓声があがった。続いて特科火力ではりゅう弾砲の射撃展示が紹介された。100分の1秒単位の射撃精度を要求される富士山形の同時弾着では、大きな拍手が送られた。

 中距離火力・近距離火力と高度な火力戦闘能力が示されていき、なかでも新たに装備品に加わった対人狙撃銃による500m先の小皿を一発で見事撃ち抜く展示には会場から驚きの声があがった。ヘリ火力、戦車火力と続き、前段最後は習志野・第1空挺団員による空挺降下展示で、自由降下の6名は上空2千mから見事会場前に降下、拍手が沸き起こった。

 後段までの休憩時間には礼砲隊と東方・富士学校の共同音楽隊による「大砲コンサート」が観客を楽しませた。後段は、「攻撃の場を通じた諸職職協同の戦闘様相の展示」をテーマに開始され、航空偵察やヘリボン行動に続き、攻撃演習が行われた。りゅう弾砲、迫撃砲、戦車、装甲車などが統制のとれた実弾射撃を実施、会場にはすさまじい射撃音が鳴り響き、緊張感に包まれた。

 地上と上空の全部隊が集結、発煙弾の白く大きな煙が立ちのぼるなか、敵陣へ総攻撃が開始され、演習のクライマックスを迎えた。

 夜間演習は、夜間における射撃及び防御時の火力戦闘を認識する目的で行われている。装備品の紹介では、各種暗視装置や照明弾のもとで実弾射撃が行われ、照明弾の明るさにはどよめきも聞こえた。続いての防御戦闘では、特科部隊による敵陣への攻撃準備破砕射撃や普通科及び機甲科部隊による敵部隊に対する突撃破砕射撃が展示され、暗闇に包まれた演習場に何条もの閃光(せんこう)が走り、緊迫感に充ちた訓練展示を終えた。

500ポンド爆弾2発を同時爆破
南混団が滑走路復旧訓練

 航空自衛隊南西航空混成団(司令・山川龍夫空将)は7月23日、実爆を伴なう滑走路復旧訓練を陸自日出生台演習場で実施した。

 山川司令を統裁官に、参加人員等は南施隊司令・幸森登美男2佐以下約290名、土木建築用重機約40両で、北空、中空、西空の各方面隊がこれを支援した。

 訓練は、模擬滑走路(縦25m×横50m)の地中に埋設した500ポンド爆弾2発を同時に爆破することから始まった。轟音とともに生じた弾痕の大きさは直径約8メートル、深さ約2メートルもあり、部隊は素早く滑走路の被害状況を調査するとともに重機を使って飛散した土砂や浮き上がったコンクリートを除去し、トラックで弾痕を埋めていった。

 最後に、FFMマットなどを敷設、訓練を終了した。

『世界一の下士官』集団へ

曹友連合会発足20周年
テーマは「START ALL OVER AGAIN(再出発)」
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記念祝賀会の最後に、曹友連合会の一層の発展を誓って全員で声高らかに万歳三唱

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 曹友連合会(曹友刊行会)発足20周年を祝う記念祝賀会が7月17日、グランドヒル市ヶ谷で開催された。会には、陸幕(本部)・各方面・各駐屯地の曹友会長をはじめ歴代曹友会長、来賓、招待者、在日米軍関係者ら多数が出席、曹友会発足20周年を祝うとともに新たな方向性をイメージしながら会員一丸となって将来に続く曹友会を目指すことを誓った。また、翌18日には同ホテルで講演会が開かれ、志方俊之帝京大教授(元北方総監)と櫻井よしこ氏の記念講演を会員一同で聴講した。

 祝賀会は午後6時前から始まり、最初に主催者の三浦達也曹友連合会長が挨拶に立ち、曹友20年間の歴史を振り返りながら今回のテーマである「START ALL OVER AGAIN(再出発)」の意義を強調した。次いで、曹友会名誉会長の酒井健陸幕副長が曹友会の活躍に敬意を表しながら「ドイツの将校とアメリカの将軍は世界一、そして日本の下士官は世界一と言われてきた。どうか曹友会も世界一を目指し、今後とも素晴らしい発展を」と祝辞した。来賓を代表して初代曹友刊行事務局長の白木昇三氏が創立当初の苦労に触れながら「さまざまな事業を行うにあたって壁にぶちあたることもあるでしょう。その時は創立当初の原点を思い出して下さい。そして益々このすばらしい曹友連合会が大きく発展するよう」要望した。

 来賓紹介に続いてゲストの大高未貴さんから三浦会長に花束が贈られたあと、代表者が盛大に鏡割り。次いで、曹友連合会筆頭相談役の荒川一郎陸幕人事部長の乾杯の音頭で歓談が始まった。歓談の合い間には、曹友刊行事務局(松金稔局長)が編集した記念誌「曹友20年のあゆみ」を手に、ビデオ放映を観賞しながら出席者一同、この20年間の思い出や感激に浸っていた。また、陸自中央音楽隊による曹友愛唱歌「飛翔の詩」の演奏、チェン・ミンさんの二胡演奏、マグロの解体実演ショーなども行われ、会場は終始熱気にあふれていた。

旭川、岩手、愛知に1級賞状

優秀地本大臣表彰
2級表彰は東京など10コ地本に授与
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 平成19年度優秀自衛隊地方協力本部表彰が6月27日、防衛省(市ヶ谷駐屯地・基地)で行われた。これは、全国50コ地本の中から、募集、援護、予備自衛官などの活動が、この1年間で特に好成績を収めた地本を選び表彰するもので、第1級賞状は石破茂防衛大臣が3コ地本長に、第2級賞状は折木良一陸幕長が10コ地本長等に、それぞれ賞状及び副賞を授与した。


 第1級表彰は午後2時前から大臣室で森佳美服務管理官の司会で始まり、江渡聡徳副大臣、増田好平事務次官、折木良一陸幕長、赤星慶治海幕長、田母神俊雄空幕長、渡部厚人教局長、城戸謙憲人材育成課長が陪席する中、石破大臣が旭川(本部長・川原光雄1陸佐)、岩手(本部長・渡辺金三1陸佐)、愛知(本部長・盛一丈嗣1陸佐)に、それぞれ1級賞状と記念品を授与した。

 また、第2級表彰は午後4時半から陸幕長室で、酒井健陸幕副長、荒川龍一郎陸幕人事部長、泉三省海幕人教部長、清水健児空幕人計課長、深津孔陸幕募集・援護課長が陪席する中、折木陸幕長が帯広(本部長・竹末正市1陸佐)、千葉(本部長・久野敬市1海佐)、東京(本部長・田辺揮司良陸将補)、石川(本部長・山口裕康1空佐=代理・柳澤秀樹副本部長)、岐阜(本部長・本田親行1空佐)、京都(本部長・大内田憲治1陸佐=代理・両角順一郎副本部長)、奈良(本部長・吉居宏1空佐)、高知(本部長・竹田隆康1陸佐)、福岡(本部長・時津憲彦1陸佐)、熊本(本部長・日笠玲治郎1陸佐)の10コ地本長(代理含む)一人ひとりに労いの言葉をかけながら2級賞状と記念の楯を授与した。

 なお、岩手地本の第1級表彰は地連時代も含めて今回が初めてで、今後とも一層の活躍が期待されている。

東北方主力に災害派遣
岩手県内陸南部でM7.2大地震発生

震度6強
陸海空1万7000隊員が
人名救助、捜索、道路啓開、給水・入浴など支援

 6月14日午前8時43分頃、岩手県内陸南部でマグニチュード7・2の強い地震が発生、岩手県奥州市、宮城県栗原市で震度6強、宮城県大崎市で震度6弱を観測した。全半壊、一部破損の家屋は400棟以上、死者12人、行方不明者10人、負傷者約350人に上る大災害となった。気象庁は、この地震に「平成20年岩手・宮城内陸地震」と命名した。被災地では、余震が断続的に頻発する中、一時電気、ガス、水道が止まり、大規模な崖崩れ、土石流も発生、せき止め湖が約15カ所に出現するなど、その対応に追われている。


防衛省は地震発生後、直ちに災害連絡室を設置、情報収集にあたった。陸自は東北方面隊(第6師団、第9師団等)を主力に、また、海自は第2航空群、空自は松島、秋田救難隊などが情報収集を開始した。10時50分に岩手県知事から、11時に宮城県知事から、それぞれ自衛隊に正式に災派要請があり、各部隊は被災地に前進、活動を開始した。栗原市駒の湯では、22普連(多賀城)、44普連(福島)が人命救助、捜索活動を、道路が寸断され孤立した住民約150人を東北方面航空隊(霞目)や第9飛行隊(八戸)がそれぞれヘリで救出、避難所へ空輸した。また、奥州市のバス転落現場では、空自松島、秋田両救難隊のヘリが17人を救助した。これまでに自衛隊が救出した被災者は約400人にのぼっている。

 22日までに、派遣人員延べ約1万6830名、車両約4350両、航空機約438機の規模で、災害派遣活動を続けている。


土石流に押し流され倒壊した旅館「駒の湯温泉」の不明者を懸命に捜索する陸自隊員


奥州市のバス転落現場で、松島、秋田両救援隊が救出活動


自衛隊の入浴施設ではWACの温かい対応にお年寄りも大喜び


三本師団長がゴラン派遣隊員視察
UNDOF司令官、インド大隊長表敬も

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日本隊宿営地で儀仗隊を巡閲する三本師団長(左から3人目)

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 第25次ゴラン高原派遣輸送隊(隊長・湯下兼太郎3陸佐以下43名=第9師団主力)は2月17日、青森駐屯地で隊旗授与式を行ったあと、第1派、第2派に分かれて順次日本を出発、現在も厳しい環境の中東ゴラン高原で、誇りを持って溌剌と約6カ月間にわたる派遣任務活動を続けている。

 部隊派遣から約3カ月が経過した5月17日、第9師団長の三本明世陸将が日本を出発、約1週間にわたってゴラン高原シリア側のファウアール宿営地とイスラエル側のジウアニ宿営地などを訪れ、現地派遣部隊の活動状況を視察するとともに、UNDOF司令官やカウンターパートナーであるインド兵站大隊長らを表敬訪問した。

 関係各国部隊長らから、その活動を高く評価されている日本隊にとって、派遣期間が中盤に差しかかった中、三本師団長の視察により派遣隊員一同、気を更に引き締め、引き続き任務に邁進することを誓っていた。

 ※第25次隊は、編成完結後、陸自中央即応集団隷下部隊として運用されており、UNDOFの後方支援を担任している。主要業務は▽食料品等の日常生活物資等を港湾・空港から輸送▽UNDOFの補給品倉庫における物資の保管▽活動地域内の道路等の補修▽道路等の補修に必要な重機材等の整備▽火災発生時の消火活動・除雪等で、派遣期間は約6カ月。

コブラ・ゴールド08実施
タイ王国

日本など5カ国参加、多国間で共同訓練
医療活動や在外邦人輸送も

 自衛隊医官が現地の人々を対象に医療に関する実動訓練を行った。隊員は「多国間の枠組みの中で、より実相に近い環境で訓練することができ、大変有意義だった」と語った エトキ2=今回初めて参加した在外邦人等輸送訓練 エトキ3=WACらが厳重にセキュリティー・チェックを演練>

 多国間共同訓練コブラ・ゴールド08が5月8日から21日までの14日間にわたって日本、米国、タイ王国、インドネシア共和国、シンガポール共和国の5カ国1万2千名が訓練に参加、タイ王国で実施された。

 自衛隊の要員は、平成17年からコブラ・ゴールドに参加しており、今回で4回目。国連平和維持活動に関する指揮所演習や在外邦人等輸送、人道・民生支援活動(医療)に関する実動訓練に参加して、自衛隊の国際平和協力活動や在外邦人等輸送に係る統合運用能力の向上を図ることを目的に、統合幕僚監部、陸海空の各自衛隊、情報本部、内部部局要員の計約70名(うちWAC4)が参加した。

 今回の訓練では、昨年に引き続き、国連平和維持活動と平和執行活動の指揮所演習を実施し、日本はタイ、シンガポール、インドネシアとともに国連平和維持活動部門に参加した。また、米国、タイ、シンガポールとともに共同医療チームとして医療部門の人道・民生支援活動に参加、カンタブリ県、コラット県、スラタニ県、スリン県、ブリラム県など10カ所を巡回診察した。自衛隊医官、看護官、衛生陸曹の中には、タイ語に堪能な隊員もおり、現地の人々との意思疎通がスムーズにはかられていた。

 なお、自衛隊は今回初めて非戦闘員退避活動に参加、外務省職員と家族の協力を得て、日本、米国、タイの3カ国で在外邦人等輸送の実動訓練を行った。この訓練中、インドネシア、シンガポールは格納庫の安全確保にあたった。

 一方、国連平和維持活動と人道・民生支援活動(建設)に関する実動訓練にはオブザーバーを派遣し、諸外国の活動要領を研修した。


日韓で防衛交流
韓国合参議長が石破大臣を表敬

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 李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領夫妻とともに来日した韓国合同参謀議長の金泰榮(キム・テヨン)陸軍大将が4月21日、齋藤統幕長の招きで防衛省を訪れ、石破茂大臣を表敬した(=写真)。この日午前9時すぎ、防衛省A棟玄関前に到着した金合参議長は、齋藤統幕長とともに特別儀仗隊による栄誉礼を受け、巡閲したあと、統幕長室で齋藤統幕長との会見やブリーフィングなどを受けた。次いで、朝霞駐屯地に移動、泉一成東方総監との会見に続いて装備品展示、体育学校での訓練展示、振武台記念館の見学などを行い友好を深めた

世界一周、10ヵ国13寄港地訪問
実習幹部175名、新たな時代を担う指揮官目指す

《海自遠洋航海部隊》

大勢の来賓、家族、関係者に見送られ、練習艦「かしま」に乗艦する実習幹部(4月15日、東京晴海港で)

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 平成20年度海自遠洋練習航海部隊の出国行事が4月15日、江渡聡徳防衛副大臣、齋藤隆統幕長、赤星慶治海幕長をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、協力団体、乗組員の家族ら関係者多数が出席して東京・晴海埠頭で行われた。

 派遣部隊は、練習艦隊司令官の井上力海将補を指揮官に第58期一般幹部候補生課程修了者約175名(うちタイ王国留学生1名)を含む約715名で、艦艇は練習艦「かしま」「あさぎり」、護衛艦「うみぎり」の3艦。158日間にわたって約5万7300kmを航行し、10カ国(13寄港地)を親善訪問する。

 午前9時すぎ、江渡副大臣が会場に到着、海自東京音楽隊と儀仗隊による栄誉礼、巡閲に続いて壮行会が始まり、江渡副大臣が実習幹部に対して「訪問国との交流を通じ、異国の文化・社会に接し、豊かな国際感覚を身に付け、多くの友人を作るよう」、また「我が国を外から見つめ直し、国家とは何であるか、国益とは何であるか、について改めて考え、国防のあるべき姿について更に認識と理解を深めるよう」訓示した。来賓祝辞に続いて、赤星海幕長が登壇、壮行の辞の中で「千変万化する海上において『困難に立ち向う気概』や『忍耐力』はもちろん、同期の絆をさらに深めるとともに『ユーモアのセンス』を持ち合わせた『自由闊達なおおらかさ』を身につけるよう」要望した。


帽振れの中、最初の寄港地ハワイへ向け出港

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 次いで、練艦隊司令官、各艦長、実習幹部等各代表に水交会、父兄会、隊友会など協力団体からそれぞれ花束が贈られたあと、井上司令官が江渡副大臣に「遠洋練習航海に出発します」と力強く挨拶し、壮行会が終了。引き続き、井上司令官を先頭に乗組員が一列になって「かしま」「あさぎり」「うみぎり」に乗艦、甲板等に整列した。

 午前10時、帽振れの中、来賓、家族ら大勢の関係者に見送られながら3艦は、最初の寄港地ハワイ(パールハーバー)へ向け出港した。

幹部自衛官の道目指す 防大56期入校式
五百籏頭校長「輝かしい21世紀再興の担い手に」

56期生や父兄、関係者を前に江渡副大臣が儀仗隊の栄誉礼を受ける(4月5日)

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 防衛大学校(神奈川県横須賀市)の本科第56期学生、理工学研究科前期課程第47期、同後期課程第8期及び総合安全保障研究科前期課程第12期学生の入校式が穏やかな春の日差しに恵まれた4月5日、同校記念講堂で行われた。今期入校者数は、本科468名(理工学367、人文・社会科学87、留学生14、うち女子43)、理工学研究科前期課程53名(自衛官41、事務官等5、留学生7、うち女子1)、同後期課程9名(自衛官7、事務官等1、留学生1)、総合安保研究科前期課程21名(自衛官16、事務官等1、他省庁等1、留学生3、うち女子2)の計551名。


 午前10時、防衛省・自衛隊の高級幹部、各国駐在武官、来賓ら多数が陪席する中、江渡聡徳防衛副大臣が臨場、同校儀仗隊の栄誉礼を受けた。全員で国歌を斉唱したあと、五百籏頭眞(いおきべ・まこと)校長が登壇、各科・課程の学生をそれぞれ任命した。これに対して、各代表学生がそれぞれ力強く宣誓、申告した。

 五百籏頭校長は式辞の中で、昨今の国内外の厳しい情勢下、ますます高まる自衛隊の任務について触れながら「輝かしい21世紀の再興の担い手となるよう」また「防大1学年という革命の日々を乗り切って洋々たる未来へ向かうよう」要望した。次いで、江渡副大臣が「高い志を持って勉学に訓練に精励し、同期の絆を培い、充実した学生生活を送るよう」訓示した。最後に、加藤耕司海幕副長が4年間の学生生活の中で「日本だけでなく世界に目を向けた幅広い見識とリーダーシップの修養を念頭に置いて、幹部自衛官としての基盤を確立するよう」祝辞を述べ、式を終了した。


観閲台両脇に新入生が整列する中、在校生が国旗を先頭に堂々の観閲パレード


F―15が3機編隊で祝賀飛行

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 引き続き、場所を陸上競技場に移して、江渡副大臣を観閲官に迎え、観閲式が行われた。国旗入場・国旗に対して敬礼、巡閲に続いて上空にF―15が3機編隊で祝賀飛行。次いで、陸自中央音楽隊を先頭に在校生が来賓や新入生の前を威風堂々と観閲パレード。観客席から大きな拍手が送られた。

 最後に、防大儀仗隊が華やかなドリル演技を披露し、観閲式を終了した。


満開の桜の下で父兄らとともに観閲行進を見守る新入生


大儀仗隊がドリル演奏の中で空砲を放ち、入校を祝った

ゴラン派遣隊員から防大52期卒業生へ

 防大52期卒業生に対して現在、ゴラン高原で任務遂行中の第25次ゴラン高原派遣輸送隊長の湯下健太郎3陸佐(39期)と、UNDOF(国連兵力引き離し監視隊)司令部副広報幕僚の秋山洋三1陸尉(44期)の両先輩からメッセージが寄せられましたのでご紹介します。

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ゴラン派遣輸送隊長 湯下兼太郎

 防大52期生の皆さん、御卒業おめでとうございます。私は平成16年3月から7月まで第221小隊指導教官を務めていました。かつて新入生として迎えた皆さんが、小原台での4年間を立派に終え、今まさに幹部自衛官として大きく羽ばたこうとされていることを、非常に嬉しく思います。

 私は現在、ゴラン高原派遣輸送隊長として、中東・ゴラン高原の大地で、北東北3県を中心に全国各地から集まった42名の隊員達とともに、国際連合兵力引き離し監視隊(UNDOF)で日本の代表として日々勤務に励んでいます。

 UNDOFは、第4次中東戦争後の1974年に、シリアとイスラエル間の兵力引き離し及び停戦監視を目的として設置されて以来今日まで続く、伝統的な国連PKOです。現在は、主にオーストリア、ポーランド、インド、スロバキア等から派遣された約1000名の軍人等から構成されています。このうち日本隊は、インド隊とともに後方支援大隊の一部として、生活物資等の輸送、道路の整備・補修、除雪、故障車の回収等の業務に携わっています。

 最近は報道されることも少なくなったゴラン高原派遣ですが、平成8年の第1次隊派遣以来、これまで約12年にわたり日本隊はUNDOFで黙々と任務を続け、その士気、規律、そして何より仕事の質に対して現地では高い評価を受けています。これは1次隊から続く諸先輩方のたゆまぬ努力のお陰ですが、それを支えるのは、実は国内における平素からの教育訓練の成果です。私をはじめ43名の隊員は皆これまで第一線部隊で勤務をしてきましたが、ゴラン高原にきて感じるのが、部隊での教育訓練で身に付けた知識や技能がそのまま現地での勤務に役立っていることです。このことから、世界においても自衛隊が高いレベルを有していることを改めて実感するとともに、誇りに思う次第です。

 私は平成3年から7年まで本科学生として小原台で過ごしました。冷戦終了、そして湾岸戦争と、国際社会が大きく変動する中で、自衛隊の任務や役割が大きく変わり始める時期でした。1年生の春、カッター競技会の応援の最中、ポンドの遥か向こうの東京湾を海上自衛隊のペルシャ湾派遣艦艇が太平洋へ向け進んでいく姿を、今でも覚えています。また3年生の時には、陸自部隊が初めてカンボジアPKOに参加しました。

 それから現在に至るまで、国内外の要求に応えて自衛隊の役割は変化を続けるとともに活動の場も国際社会へ広がってきました。そして近年では、自衛隊の本格的な統合運用態勢が始まり、防衛庁の省昇格とともに国際平和協力活動が自衛隊の本来任務となり、また海外任務も担う中央即応集団が発足するなど、冷戦期には考えられなかったような変化を遂げつつあります。実は、UNDOF日本隊も、このような変化と無縁ではありません。我々は、陸自唯一の海外派遣部隊として、中央即応集団の一員として現地で任務を遂行しています。また日本隊は陸海空各自衛隊の隊員から構成されていますが、第一線部隊の隊員にとり「統合マインド」を涵養する数少ない貴重な場でもあります。このような時代に幹部自衛官として自衛隊に奉職できること、また隊長としてこのようなUNDOF日本隊の素晴らしい隊員達を統率できることを、名誉に思っています。

 そのような現在の私が、ゴランの大地で遥か防大時代を顧みると、やはり小原台の4年間が現在に至るまでの基礎となったことを改めて実感します。皆さんはこれから指揮官として、部下隊員達の生命を預かり統率することになりますが、防大の大学教育で身に付けた教養、学生舎生活や校友会活動で学んだリーダーシップは、いかなる状況下でも部隊が進むべき道を見出し、部下隊員をして一致団結して任務達成に邁進させる上で必ず役に立ちます。また4年間の生活で培った陸海空を越える同期の絆は、まさに「統合マインド」の基礎となるとともに、必ずいつか役に立つ日が来ます。どうぞ皆さん、自信を持って幹部自衛官への道を進んでいただきたいと思います。

 これから陸海空幹部候補生学校にそれぞれ進み、その後全国各地の部隊に配置されることになりますが、部隊の仲間達は皆さんを待っています。当初は様々な不安もあると思いますが、若い幹部は部隊の活力の源です。どうか大いに、失敗を恐れず、様々なことにトライしていただきたいと思います。

 改めまして、御卒業おめでとうございます。先輩として、かつての指導教官として、ゴラン高原の地から、皆さんのご発展とご活躍を願っています。同じ幹部自衛官の仲間として、今度は部隊で、お会いしましょう。

4ヵ月ぶり補給活動再開
海自派遣艦艇部隊

インド洋でパキスタン・フリゲートに

 補給支援特別措置法に基づき、再びインド洋での補給活動に派遣された海自派遣艦艇部隊(指揮官・佐伯精司1護隊司令)の補給艦「おうみ」(艦長・後藤大輔1佐以下約150名)、護衛艦「むらさめ」(艦長・小澤豊2佐以下約190名)が2月21日、パキスタン海軍のフリゲートに艦船用燃料などを洋上補給し、旧テロ特措法の失効以来、約4カ月ぶりに各国艦艇への補給支援活動を再開した。



海自ヘリが警戒する中、「おうみ」に近づくパキスタン艦

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 1月24日に「むらさめ」が横須賀を、また、翌25日に「おうみ」が佐世保をそれぞれ相次いで出港後、2艦が合流、2月中旬にはインド洋北部の活動海域に到着していた。

 2月21日、バーレーンにある有志連合司令部に派遣されている海自連絡官との調整を経て、再開後、初の洋上補給が実施されたもので、「むらさめ」搭載のSH60K哨戒ヘリコプターが上空で周囲を警戒する中、約1時間かけて「おうみ」からパキスタン海軍のフリゲート「ティプ・サルタン」に艦船用燃料約160キロリットルと真水約60トンを補給した。洋上補給終了後、「ティプ・サルタン」は「君が代」を流し、乗員も整列して帽子を振るなど、日本の活動再開に心から感謝の意を表明した。また、日本の補給再開に対して各国から感謝のメッセージが多数寄せられている。

 防衛省は同日「海上自衛隊による補給支援活動は、資源の多くを中東地域に依存する我が国の国益にも関わるものであり、また、『テロとの闘い』に取り組む国際社会に対して我が国が果たすべき責任を履行するものであります。このような意義を有する補給支援活動について、安全に十分配慮のうえ実施してまいりますので、国民の皆様のご理解、ご協力をお願いいたします」とコメントした。

オホーツクで海氷観測
気候変動の影響など重要性さらに増す

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《2空群》


 海上自衛隊第2航空群(司令・重岡康弘海将補)による海氷観測の状況が2月20日、報道陣に公開された。海氷観測は気象庁への協力支援業務として昭和35年から実施され、観測結果は航行船舶の海難事故防止などに活用されている。

 八戸航空基地を出発したP-3Cは、函館、札幌上空を経て、大雪山を右手に観測が行われるオホーツク海に向けて北海道を縦断した。当日の天候は快晴で、眼下の町並みや遠くの山々がくっきりと見える絶好のフライト日和となった。出発から約1時間後、オホーツク海沿岸中央に位置する紋別を越えると海氷が見え始める。初めは薄く細かい海氷は、次第にその量も厚みも増して一面に白く輝く幻想的な光景へと変わっていった。オホーツク海は海氷ができる南限で、地球温暖化の影響が現れやすい。そのため、近年では地球環境の変動把握からも観測の重要性が高くなった。海氷観測の状況を見学したあとは、知床半島近くを飛行、羅臼岳の雄大な姿を眺めながら帰路につき、約4時間のフライトを終えた。(写真=漂う海氷の奥には知床連山の雄姿)

 2空群では、平成18年1月に海氷観測1000回を達成(2月20日現在、1025回)、高い精度の情報提供に貢献している。観測で得た海氷分布データや写真などは札幌管区気象台や函館海洋気象台などの関係機関に送られ、水産・漁業従事者や海上交通関係者の海氷被害防止につながっている。また、「流氷ツアー」など冬季限定で企画される観光事業においても海氷の正確な情報が欠かせないため、観測協力の重要性は益々増している。



国内外で日米共同訓練

陸自
多様な事態に即応するため相互連携強化


 陸上自衛隊は1月から2月までの間、日米共同訓練の一環として米陸軍と関山演習場で、また、米海兵隊と米国カリフォルニア州で、それぞれ実動訓練を行い、相互の連携や運用性の向上を図っている。

 1月下旬から2月上旬にかけて関山演習場と高田駐屯地で実施された平成19年度日米共同訓練(米陸軍との実動訓練)は、日本側から陸自第12旅団長、米軍側から第256歩兵旅団長をそれぞれ担任官に、陸自第2普通科連隊、米陸軍第3-156歩兵大隊が参加。各々の指揮系統に従い、共同して作戦を実施する場合の連携要領を実行動により訓練し、相互運用性の向上を図った。(写真=雪に覆われた関山演習場で大型ヘリから降りた隊員が戦闘行動に入る )

 また、1月17日から2月20日までの間、米国カリフォルニア州キャンプ・ペンデルトンなどで実施されている米海兵隊との実動訓練には、輪倉昇西方総監を担任官に陸自第1混成団普通科中隊と西方普通科連隊の一部、米軍側から第1海兵隊機動展開部隊が参加。人員約200名が、5・56mm機関銃MINIMIや軽装甲機動車、高機動車などを使用しながら、主に島しょ部に対する侵略への対応を演練している。

 この米国における実動訓練(米海兵隊)は、陸上自衛隊が多様な事態に即応するため効果的な訓練施設を有する米国に部隊を派遣して、経験豊富な米軍からノウハウを吸収、戦術・戦闘能力の向上を図りながら相互連携要領を実行動によって訓練することを目的に、毎年行われている。

「補給支援特措法」が成立

補給艦「おうみ」護衛艦「むらさめ」、インド洋へ
横須賀、佐世保を相次いで出港
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佐世保基地隊員の帽振れの中、インド洋に向け出港する「おうみ」(1月25日)

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 インド洋での海上阻止行動に協力するための「補給支援特別措置法」が1月11日、参院本会議で否決後、衆院本会議で憲法の規定に基づき3分の2以上の賛成多数で再可決、成立した。石破防衛大臣は新法の成立、実施計画の決定を受け、同17日、自衛艦隊司令官に派遣命令を発出した。

 海上自衛隊では、第1護衛隊司令・佐伯精司1佐を指揮官に補給艦「おうみ」(艦長・後藤大輔1佐)、護衛艦「むらさめ」(艦長・小澤豊2佐)の2艦と人員約340名からなるインド洋派遣海上支援部隊を編成。同22日、佐伯1護隊司令と両艦長らは官邸に福田康夫首相を表敬、出国の挨拶を行い「政府の方針に従い、整斉と任務を完遂します」と抱負を述べた。これに対して、福田首相は「国民や世界各国が期待している活動だから胸を張って誇りを持ってやり遂げて欲しい」と要望した。次いで、佐伯司令らは防衛省に移動、大臣室で石破防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部に出国挨拶や自己紹介などを行い、石破大臣が「我が国の国益を実現するため、厳しい環境に負けず任務を全うするよう」激励した。

 同24日、護衛艦「むらさめ」の出港行事が横須賀基地で行われ、町村官房長官、石破防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、来賓、留守家族ら多数が出席した。石破大臣の訓示や出港挨拶などに続いて派遣隊員が乗艦、盛大な見送りの中、「むらさめ」が出港。また、翌25日には、佐世保基地から補給艦「おうみ」が同様に出港、2艦は途上で合流し、インド洋へと向かった。

 昨年11月1日、旧テロ特措法が失効し、海自部隊がインド洋から撤収して以来、約3カ月ぶりに補給支援活動が再開されることになる。

石破防衛大臣「年頭の辞」
防衛省「ルネサンス」の年に

原点に立ち返り組織を抜本的に改編
テロとの闘いのため洋上補給活動再開へ
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石破大臣(右端)が今年1年の防衛省・自衛隊の発展や隊員の安全・健勝などを祈願してダルマに目入れ(1月4日、大臣室で)

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 平成20年の新春に当たり、全国各地で任務に従事している隊員諸官、あるいはネパール、ゴラン高原、クウェートに派遣されている隊員諸官、遠く南極にあって、砕氷艦「しらせ」で任務に邁進している乗組員や世界各地の防衛駐在官諸官、全国そしてまた国外各地で活躍中の隊員諸官に心から敬意を表し、一言御挨拶を申し上げます。皆さん明けましておめでとうございます。

 昨年1月に防衛庁は防衛省に移行した。爾来1年、昨年がどのような年であったか。輝かしい年であったかと言えば、必ずしもそうではなかったと思う。昨年1年、我々の防衛省に対して、いろいろな指摘や、批判がなされ、本当の防衛省のあり方とはなにか、それが問われた1年であったと思っている。我々は、国の独立と平和を守る組織である。そしてまた世界に対して、我が国の責任を果たすための組織でもある。実際に昨年1年、背広、制服を問わず、隊員諸官は、営々と努力を重ね、我が国の独立を見事に守った。そして平和を見事に守った。さらに、全国各地で発生した災害にも迅速に対応し、多くの人々の民生の安定に大きな力を発揮した。そしてまた、一昨年にはイラクのサマーワにおいても、見事に任務を達成した。さらには、現在も、イラク・クウェート間において輸送を整斉と実施し、さらには、インド洋上において世界各国の艦船に対して補給を立派に成し遂げた。そのことはいくら強調しても足りないことである。我々防衛省・自衛隊は祖国日本の独立と平和を守り、国際的な日本の責任を果たす、その任務を見事に完遂した。しかしながら、昨年発生した多くの事案は、そのこととはまた別に我々防衛省・自衛隊が国民に対してきちんと説明責任を果たしたか、そして防衛省・自衛隊のやっていることは、本当に信頼に値することなのか。それが問われた1年であった。繰り返すが、多くの事案が明らかになった。私は防衛省をお預かりする防衛大臣として、国民の皆様方に心から深くお詫びを申し上げなければならないし、そして、現場で自衛隊員の服務の宣誓通りに黙々と任務についている、そういう隊員諸官にもお詫びを申し上げなければならないと思っている。

 昨年首相官邸において、防衛省改革会議が設置された。テーマは三つである。一つは文民統制のあり方について、もう一つは秘密保全のあり方について、さらには調達のあり方について、この三つにつき、高い見地から今、議論が行われている。私は今一度原点に立ち返り、防衛省・自衛隊とは何か、これを問い直さなければいけないと決意している。我々の組織は、他の官庁と全く違うところがある。それは何か。我々の組織こそが国民一人一人にとって、最後の拠り所であるということである。一人一人の国民そして多くの組織、この国には様々なものがあるが、国民が最後に拠り所とするのは我々防衛省・自衛隊において他にないのである。さればこそ、我が防衛省・自衛隊は、この国にある、いかなる組織よりも規律は厳正であらねばならない、そして、いかなる組織よりも国民に信頼される組織でなくてはならないのである。他の省庁や、他の組織と同じでは駄目なのである。どの省庁よりも、どの組織よりも、繰り返して申し上げるけれども、規律厳正であり、信頼がおけるものであるか、私はそれを確立する1年でありたいと願っている。それは、単に精神論だけ申し上げるつもりではない。組織も抜本的に改編する、そういう議論をしていかなければならないのである。巷間よく言われるように、制服組と背広組の意識が乖離していることは厳然たる事実と私は認識している。このことにもきちんとした解決策を出していかねばならない。さらには我々、国民に対して責任を負う、直接選挙という手段によって責任を負いうる政治家が、この組織をきちんと統制できる、そのような仕組みを作っていかねばならない。私は今まで、ともすれば場当たり的な、その場しのぎ的なそういう批判を浴びることがある、そういう対策に堕した面があったのではないか、それを抜本的に今回改めたいと考えている。

 我々日本政府は、おもしろおかしくて、あの過酷なインド洋に、自衛隊を派遣したのではない。今まさしく国会において、補給活動を再開するための法案が審議中である。私は昨年も、そしてまた一昨年も、インド洋上にあって整斉と行われる補給活動を、つぶさに拝見した。体感温度が60度を超える、そして不快指数が100を超える、そういう劣悪過酷な気象環境、さらにはテロがいつどこから襲ってくるかもわからない、そういう状況、そして補給の際、船はもっとも脆弱であるということ、そのような困難を乗り越えて、我が国は補給活動を続けてきた。かつて湾岸戦争の折に130億ドル、国民一人当たり1万円にもなる、そのような資金を提供したが、殆ど評価は得られなかった。今回、我々海上自衛隊の活動は、本当に世界中から多くの評価を得た。それは、隊員諸官の日頃の訓練の賜物である。テロは、我々が価値観として尊ぶ、民主主義、人権、言論の自由、信教の自由、そして自由経済、そういうものをことごとく否定する、絶対に許してはならない活動である。さればこそ、世界の多くの国々、40にもなんなんとする国々が、このテロとの闘いに参加をしている。洋上における補給活動は、そのテロとの闘いの大きな柱をなすものである。日本の国は金さえ出せばいい、そういう国にまた戻ることがあってはならない。本当に汗を流す、危険な活動であっても諸外国と共に、共に尊ぶ価値観の元に行動する。そのようなことで大きな評価を得なければならない。テロとの闘い、そして我が国の責任を果たすために、我が国の国家としてのあり方を示すために、この活動は再開せねばならないと考えている。サマーワにおける活動も同様であった。そして、クウェート・イラク間の航空自衛隊の活動もまた同様である。我々政治が、何を隊員諸官に求めるか。それは国益であり、責任の履行である。我が国の国益を実現し、そして我が国の世界に対する責任を果たすために、陸・海・空自衛隊でなければ出来ない、防衛省でなければ出来ない、そういう活動が厳然と存在するのである。

 どうか本年も、国家のため、祖国日本のため、そして世界の国々のために厳正な規律を保って活動する、そういう自衛隊であって頂きたい。そして、任務に邁進する諸官をお支えの、家族の皆様、地域の皆様方にも心から敬意を表する次第である。昨年、多くのことがあったけれども、私達はこれをばねとして、あの時いろんなことがあったけれども、それを乗り越え、克服し、いい防衛省・自衛隊となった。のちになって、そう振り返ることが出来る、そういう1年にしたいと思っている。

 最後に1、2点申し上げたい。いろいろと情報流出事案が指摘をされている。我々が取り扱ういろいろな情報は、一歩間違えば、国の独立を損なうはおろか、世界の利益をも損なうものである。我々が取り扱う情報の中には、そのようなものが多く含まれている。隊員諸官におかれては、そのことをよく認識頂き、秘密の保全に万全を期されたい。もう1点、一人一人が、綺麗な言葉で飾るようであるけれども、思いやりを持ち、互いを尊重する、そのような思いをさらに確固たるものにする1年でありたいと願っている。我々防衛省・自衛隊は、崇高な任務を負っている。そのことに思いを致す。そのような集団である。だとするならば、周りで悩んでいる人はいないか、苦しんでいる人はいないか。周りを尊重し、大切にし、思いやりの気持ちを持たずして、国家のために、世界のために尽くすことは決してあり得ないのである。そのことにもよく思いを致して頂きたい。

 私は、最高指揮官である福田康夫内閣総理大臣の下、江渡副大臣、寺田政務官、秋元政務官とともに、諸官と心を一つにする、そういう1年でありたい、そのように決意をしている次第である。諸官に政治を信用して頂かねばならない。我々政治家はそのことをよく心しなければならない。私は昨年、あらゆる場でこのように申し上げた。「自衛隊は決して政治のおもちゃではない。」政治は、己のことしか考えていないとか、そのような思いを、諸官に決して抱かれることのないように、心していかねばならないと思っている。私達の心が諸官とともにある、そのように思って頂くべく、全身全霊をあげる所存である。

 おそらく、後世歴史家は、今の我々を、時代を変えた、というふうに評価をしていただけると、そのようにあらねばならないと思っている。我々防衛省・自衛隊は、憲法上、明らかに位置付けられているわけではない。自衛隊は軍なのか否か、そのような議論もきちんと透徹をしたわけではない。そのことの議論は、やがて、いろいろの場で行われることだと考えている。しかしながら、自衛隊が軍ではないから、それを言い訳にしてはならない、私はそのように思うものである。憲法が改正され、軍にならない限り、それはだめなのだ、そのように諦めるのは、私は敗北主義であると、そのように考えるものである。自衛隊法も、そしてまた、防衛省設置法も、もう一度、きちんと見直していかねばならない。この組織を律する、あらゆるものを、もう一度根本から点検をし、有識者会議における御議論、その結果を待ち、それを尊重しながら、私達は、自らを変える1年にしたい、そのように思うものである。そのために5年かけてもいい、10年かけてもいい、そのような寧日は、我々には許されない。この、本当に国民の関心が高まっている今こそ、我々は、重大な危機感をもって、我々の組織のあり方が、国の独立と世界の平和に大きく関わるものである、そのことを強く認識し、防衛省再生の、それをルネサンスと呼んでもいい、リバイバルと呼んでもいい、ニューボーンと呼んでもいい、防衛省が本当に防衛省たりうる、そのような1年にしたい。諸官と思いを一つにして、そのことに、邁進していきたいと思っている。

 どうか本年が、陸海空自衛隊が精強であり、そして、内局、制服、共に心を合わせ、我が国が平和であり、世界が平和に一歩でも近づけるように、諸官の一層の努力をお願いして、年頭の訓示とする。

新年のメッセージ
真に実効性のある統合運用を実現していく

統合幕僚長 齋藤 隆 海将

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 国内外の各地で勤務する隊員諸官並びにご家族の皆様、新年あけましておめでとうございます。

 さて、国際社会では「テロとの闘い」が継続されており、我が国周辺では北朝鮮の弾道ミサイルや核を巡る問題等、依然として厳しい状況が続いています。このような中、昨年1月、防衛庁は「防衛省」となり、国際平和協力活動等が本来任務と位置付けられました。防衛省・自衛隊としての新たな体制の下、イラク・クウェートでの空自による空輸任務、UNDOFへの輸送部隊の派遣を継続しつつ、昨年3月末、新たにネパールへ軍事監視要員を派遣しましたが、テロ対策特措法に基づき実施されていた海自及び空自の活動については、昨年11月に終結しました。国内でも、新潟県中越沖地震に伴う災害派遣等を実施しました。

 自衛隊の統合運用は、今年で3年目に入りますが、これまで得られてきた教訓等を踏まえ、安保環境の変化等を見通しつつ、各自衛隊で定着しつつある「統合スピリット」を基盤とし、引き続き我が国の国情に適合した統合の在り方を追求して、真に実効性のある統合運用を実現していく所存です。今後も隊員諸官には、自衛隊という「武力集団」の一員として、常に厳正な規律と高い士気を保持し、日々の教育訓練の重要性を念頭に置いて不断の精進を続けるとともに、事態等の生起に備え、即時に対応可能な態勢を維持してもらいたいと思っています。

 今年もご家族の皆様のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、隊員諸官とご家族にとって平成20年が素晴しい年であることをお祈りし、新年のご挨拶とさせて頂きます。