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米海兵隊と実動訓練
《西部方面隊》

12普連基幹に離島侵攻への対処図る
最新の戦闘要領を演練

海上を走航するLCAC


キャンプ・ペンデルトンで米軍LCACから陸自車両を揚陸する派遣隊員


訓練場に上陸して射撃を開始する12普連隊員


 陸上自衛隊は1月19日から2月25日までの間、米国カリフォルニア州キャンプ・ペンデルトンなどで米海兵隊との実動訓練を実施した。

 これは、多様な事態に即応する能力を高めるため、効果的な訓練施設等を有する米国に部隊を派遣し、経験豊富な米国から知識や技能を吸収するとともに、相互連携要領を実行動により演練し、特に島嶼部に対する侵略への対応のための戦術・戦闘能力等の向上を図ることを目的としたもので、担任官は西部方面総監・用田和仁陸将。実施部隊は、陸自が第12普通科連隊(連隊長・前田忠男1陸佐)=国分=の連隊本部、1コ普通科中隊基幹と西部方面普通科連隊の一部計約180名で、また、米軍からは、第1海兵機動展開部隊が参加した。

 派遣部隊は、89式5・56mm小銃、5・56mm機関銃MINIMIなどの火器、指揮通信車、軽装甲機動車などの車両を使用しながら、離島侵攻対処のための行動を総合的に訓練する総合訓練、その訓練に必要な知識や技能を練成する機能別訓練、総合訓練での行動を日米で調整する指揮機関訓練などを実施した。米海兵隊は、実戦経験に裏付けられた「島嶼部に対する侵略への対応」に関する戦術能力と教育能力を有しているため、効率的かつ効果的な訓練が可能となった。

 日本国内には、この種の訓練を効果的に行う訓練施設がなく、知識や技能を有する米国内の訓練場を活用することが必要であり、これまでに米国における実動訓練は、今回で13回目。特に、島嶼部への侵略等に対処するための訓練は今回が5回目となる。

 陸上自衛隊では、実戦経験に裏付けされた最新の戦闘要領、より実際的な状況付与要領や訓練評価要領などを学ぶ大変貴重な訓練機会であり、来年度以降も継続したいとしている。