自衛隊ニュース

ダルマ・ガーディアン22
日・印が共同連携 戦術技量を向上
第3師団(荒井正芳陸将=千僧)は、2月17日から3月2日までの間、あいば野演習場において、第36普通科連隊(連隊長・三島健司1陸佐=伊丹)を訓練部隊とし、インド陸軍との実動訓練「ダルマ・ガーディアン22」に参加した。
訓練は、陸自の対テロに係る戦術技量を向上させるとともに、陸自とインド陸軍との更なる連携の強化を図る目的で実施された。
17日の訓練開始式を皮切りに始まった機能別訓練では、射撃訓練及び市街地戦闘訓練を実施し、戦術技量を確認してインド陸軍との相互理解の促進を図った。その成果をもとに、日本とインドの共同による中隊レベルの指揮所訓練を行い、相互の認識を共有し、総合訓練に向けた共同作戦構想を具体化した。
27日からの総合訓練では、空中機動により作戦準備地域へ展開し、偵察活動に引き続き建物内に立て籠もるテロリストを掃討して任務を完遂した。
第3師団は、各種作戦能力・戦術技量の向上を図るとともに、自由で開かれたインド太平洋の維持・強化に寄与するため、本訓練で得た多くの教訓を活かし、引き続き精強な部隊の育成に取り組んでいく。
WPNS SELWG 2023(1)
準備室を開設
4月に、海上自衛隊の先任伍長制度は創設20年を迎える。この20年間、海上自衛隊先任伍長のほか、自衛艦隊等先任伍長、護衛隊群等先任伍長、部隊等先任伍長計300名以上の先任伍長が、部隊等の長を直接補佐し、部隊の規律及び風紀の維持などの任務に日々尽力してきた。
この20年の節目に、海上自衛隊は「西太平洋海軍シンポジウム上級下士官会同(Western Pacific Naval Symposium Senior Enlisted Leaders Working Group(以下「WPNS SELWG」))」を開催する。WPNS SELWGは、下士官に国際交流の場を提供し、各国海軍間の関係を拡大・深化するものであり、海上自衛隊による開催は2009年以来、2回目となる。
令和4年12月、海上幕僚監部に海上自衛隊先任伍長制度創設20周年事業準備室が編成され、全国から選ばれた海曹がこの国際会議の企画に取り組んでいる。
艦艇・航空・経理補給部隊等出身の準備室員8名を率いる海曹長・末永茂和準備室長は、「制度創設から20年、これからの海上自衛隊を担う海曹士が能力を発揮して国際的なイベントを企画すること外国海軍に海上自衛隊の存在感を示せることに大きな期待と責任を感じます。また、会議期間に合わせて全国から支援要員を募り、周到な準備をしたいと考えています。海曹だけの準備室として初めての挑戦ばかりですが、準備室員一同一丸となって全国の海曹士とともに全力で取り組みます」と意気込んでいる。
「WPNS SELWG2023」は、令和5年12月に開催予定。
3年ぶりに実施
航空保安管制競技会
航空支援集団・航空保安管制群(司令・井上伸康1空佐=府中)では、全国18基地に20個の管制隊等が所在し、約1400名の隊員が日々航空機の安全かつ円滑な運用を支えている。その中から選抜された管制官が一堂に介し、航空管制の技量を競う大会「令和4年度航空保安管制競技会」(※1)が、航空自衛隊第5術科学校(小牧)で、3年ぶりに行われた(2月9日~20日)。
安全で効率的な間隔を追及
競技項目は「航空管制」部門と「飛行管理」部門の2つ。「航空管制」部門の学科では15個部隊が、実技では12個部隊が参加。「飛行管理」部門の学科では5個部隊が、実技では4個部隊が参加した。
今年の「航空管制」部門は「ターミナルレーダー管制」を実施(※2)。1チーム4名が20分間の実技に臨んだ。
目視では飛べない悪天候の中、次々と帰投してくる任務機。その中には翌日に航空祭を控えたブルーインパルスの姿も。評価は滑走路へ誘導した数だけでは決まらない。スクランブル機やVIP機等の優先機に対して適切な対応をしつつ、基準内で管制間隔を安全かつ効率的に追求できているかどうかで評価される。レーダーに出現する航空機は多いものの平常業務に近い状況が付与され、管制官たちは持てる力を十分に発揮した。「いつも通り落ち着いて行こう!」競技スタートの合図とともに運用主任の掛け声が会場に響く。冷静に判断を下していく姿の中に「自分達が航空機の安全な運航を担っているんだ」という気概をひしひしと感じることができた。
競技結果は以下のとおり
【航空管制部門】
・実技
優 勝▽築城管制隊
準優勝▽美保管制隊
3 位▽入間管制隊
(講評)刻々と変化する航空交通の状況に応じた管制間隔を設定し安全を確保するとともに、効率的な航空交通流を形成した
・学科
優 勝▽小牧管制隊
準優勝▽美保管制隊
3位▽芦屋管制隊
【飛行管理部門】
・実技
優 勝▽那覇管制隊
準優勝▽春日管制隊
(講評)各種事態に対して業務の優先順位を明確にし、迅速かつ的確に対処していた
・学科
優 勝▽春日管制隊
準優勝▽千歳管制隊
※1 年度練成訓練の成果と航空保安管制業務に係る各部隊の能力を評価し、技量向上を目的とする競技会。昭和46年度から毎年、管制官の母校とも言える第5術科学校で行われる。今回で37回目。審査員には学校職員の他、現役パイロットも加わる。
※2 「航空管制」部門は、「飛行場管制」と「レーダー管制」の競技を毎年交互に実施
日印戦闘機共同訓練
<百里>
百里基地(司令・石村尚久空将補)は、1月16日~26日の間、日印戦闘機共同訓練を実施した。
訓練を前に10日、経由地のフィリピンを出発したインド空軍のスホーイSu30MKI戦闘機4機は、百里基地に着陸後、消防小隊による放水で歓迎された。
百里基地では基地司令が出迎える中、インド空軍で訓練の指揮官を務めるロヒト・カピール空軍大佐、インド空軍からは4機のスホーイSu30MKIが参加、約150人の隊員が来基し、歓迎の行事が行われた。
航空自衛隊側は、百里基地のF2と小松基地の飛行教導群F15が6機、訓練に参加し、太平洋沖など百里基地周辺空域で訓練を実施した。