自衛隊ニュース

名寄で空自空上げ
名寄駐屯地業務隊(隊長・兼利純作2陸佐)はこのほど、航空自衛隊稚内分屯基地の名物メニュー「空自空上げ」を名寄駐屯地の隊員食堂で提供した。
名寄駐屯地と稚内分屯基地はあらゆる面で交流があり、名寄駐屯地栄養管理主任(岡本技官)が稚内分屯基地糧食班を研修し、陸自と空自の名物メニューを交換するに至った。
調理当日、北海道産の昆布で味付けした「空自空上げ」は、名寄駐屯地の隊員に大変好評で美味しさに満足した様子であった。
一方、稚内分屯基地では陸自飯グランプリのご当地献立部門(北方)で第1位だった名寄駐屯地の名物メニュー「なよろ煮込みジンカレー」が提供され、こちらもとても好評だった。
今後も名寄駐屯地業務隊糧食班では、隊員に栄養満点のおいしい食事を提供していく。
スライドショーで永年勤続25年祝う
<美幌>
第6普通科連隊(連隊長・河村友則1佐)はこのほど、美幌駐屯地で永年勤続表彰式を実施した。
本行事は自衛隊記念日(11月1日)にあたり、永年勤続25周年を迎えた美幌駐屯地の隊員7名(当日2名不在)に対し、浜田靖一防衛大臣からの表彰状を河村連隊長から代理伝達して服務意欲向上に寄与するために行った。
式でははじめに防衛大臣からの「永年勤続者表彰状の贈呈に当たって」とした永年勤続者への感謝に関するメッセージが述べられた。続いて河村連隊長から受賞者一人一人に表彰状が手渡され、「永年勤続25周年への栄誉を讃えるとともに今後のさらなる活躍を祈念する」と祝辞が述べられた。
その後、広報班が受賞者に敬意を払い精魂込めて作成した「永年勤続25周年を振り返るスライドショー」の鑑賞が始まった。スライドショーでは入隊した年の当時の姿、世の中の出来事や流行になっていたもの、そして表彰者の結節の年である昇任等の年の姿が映像として映し出されその都度笑みや言葉が漏れた。
鑑賞を終えた受賞者からは「こんなに過去を振り返れる面白いスライドショーを鑑賞したことがない。特に20代の自分の姿の写真が出てきた時は懐かしくて、当時の記憶が蘇った」などの感想が述べられ、心に響く思い出に残るスライドショーとなった。
1特団<北千歳>
気合込もる同時突き
第1特科団(団長・牧野雄三陸将補)は、12月21日、千歳市開基記念総合武道館で団銃剣道競技会を行った。
部隊の団結及び士気の高揚を図ることを目的に実施した。中隊対抗予選リーグ36チーム、本部対抗予選リーグ11チームが参加。代表選手は、剣先に気合を込めて白熱した試合を繰り広げ訓練成果を遺憾なく発揮した。
成績は以下の通り。
◇団体の部▽優勝=第1地対艦ミサイル連隊第1中隊▽準優勝=第1特科群第102特科大隊本部管理中隊▽3位=第2地対艦ミサイル連隊第4中隊◇個人の部▽幹部の部1位=小西1尉、2位=石黒2尉、3位=岩堀1尉▽陸曹の部1位=川名3曹、2位=岡山3曹、3位=伊藤曹長▽陸士の部1位=陶山士長、敢闘賞=元長1士
8高特群<青野原>
第8高射特科群(群長・栗田千寿1陸佐)はこのほど、駐屯地体育館で群銃剣道競技会を実施した。
「個人戦」と「団体戦」を実施。団体戦は各中隊5名編成の総当たり方式で行った。
新型コロナ感染防止対策として、体育館内での応援を最小限にするため、VTC(スカイプ)により、各執務室等においてリモート応援する処置をした。
競技開始に先立ち、各中隊は円陣を組み心を一つにして、士気を高めた。練成を重ねてきた選手たちは熱戦を繰り広げ、一本が決まると、応援者たちが拍手で選手を鼓舞した。
成績は次の通り。
◇団体戦優勝=第343高射中隊、準優勝=第340高射中隊
◇個人戦(優勝)▽幹部・陸曹の部=宮田3曹▽陸士の部=谷岡士長▽女性自衛官の部=天野3曹
30普連<新発田>
第30普通科連隊(連隊長・遠藤祐一郎1陸佐)は12月13日、駐屯地で連隊武道競技会を実施した。
競技会は銃剣道の部(初級幹部1名、陸曹昇任4年未満の陸曹1名、陸士3名の計5名)と拳法の部(陸曹昇任4年未満の陸曹1名、陸士2名の計3名)で行い、中隊対抗リーグ戦で競った。
統裁官訓示で連隊長は、「銃剣道は約8年ぶり、拳法は約6年ぶりの実施である。各戦力発揮を目的として、これまで練成してきた成果を十二分に発揮して、勝利をつかみ取ってもらいたい」と述べた。
銃剣道の部は、第1位を懸けた本部管理中隊と第3中隊の直接対決が2勝2敗で大将戦にまでもつれた結果、第3中隊(中隊長・川岸利成1陸尉)が大将戦を制し第1位に。勢いに乗った第3中隊は拳法の部でも、2勝1敗の成績で第1位の成績を収め、総合優勝を果たした。
武道で錬成
防大 五十嵐准教授が3学術賞を受賞
防衛大学校防衛学教育学群統率・戦史教育室の五十嵐隆幸准教授(3陸佐)はこのほど、研究書『大陸反攻と台湾-中華民国による統一の思想と挫折-』で第12回地域研究コンソーシアム賞(研究作品賞)、第8回猪木正道賞(正賞)、第34回佐伯喜一賞(最優秀出版奨励賞)の三つの賞を受賞した。五十嵐准教授は昨年2月に第38回大平正芳記念賞を受賞しており、合わせて四つの学術関連賞を受賞したことになる。
10年以上の研究の成果高く評価され
受賞作『大陸反攻と台湾-中華民国による統一の構想と挫折-』は、台湾の政府が掲げた「大陸反攻」を初めて解明した研究成果で、今日、国際社会から注目を集めている台湾海峡を巡る問題の全体像を歴史的視野で描き出した。
研究書で複数受賞は珍しく、4賞の受賞は極めて異例であり、研究テーマである「台湾」に対する関心の高さを物語っている。
地域研究コンソーシアムは、世界諸地域の研究に関わる百以上の組織を連携させ、組織の枠組みを超えた情報交換や研究活動を進めるため、2004年に設立され、これまでに11回の授賞を行ってきた。五十嵐准教授が受賞した研究作品賞は最優秀賞に該当し、今回は2名が受賞。自衛官としては初めての受賞となる。
~猪木正道賞(正賞)など~
特定非営利活動法人日本防衛学会猪木正道基金は、わが国の防衛と安全保障並びに国際平和に関する分野で優れた業績を挙げた個人またはグループに対して賞を授与し、当該分野における学術研究の振興並びに広く研究者の育成に寄与することを目的として日本防衛学会会員有志によって2014年に設立された。
最優秀賞に該当する正賞は、17年に防衛研究所戦史研究センターの金澤裕之氏(現防衛大学校防衛学教育学群統率・戦史教育室、2海佐)が受賞して以来自衛官として2人目の受賞。
国際安全保障学会は、安全保障・軍事防衛問題に関する理論的・実証的研究を行うことを目的に1973年に設立され、学会誌の発行、年次研究大会等の開催、国際交流、学術研究の奨励事業などを行ってきた。最優秀出版奨励賞は2011年に防衛大学校教授の荒川憲一氏(元1陸佐)が受賞しており、五十嵐准教授は現役自衛官として初めての受賞となる。
防衛大学校で五十嵐准教授は、古代から現代に至る主要な戦争の概観、戦争の本質・変遷など防衛学における基本的・基礎的知識のほか、東アジアの安全保障について教育してきた。本書は、その教育の傍ら資料収集やインタビューなど10年以上地道に積み重ねきた研究成果を取りまとめた。
「東アジアの平和と安定への貢献願う」五十嵐准教授
受賞作の『大陸反攻と台湾-中華民国による統一の構想と挫折-』を執筆するきっかけは、2005年に中華人民共和国政府が「反国家分裂法」を制定した時にさかのぼる。温家宝総理(当時)の演説を聞き、将来、台湾海峡で再び紛争が起きた時、日本は何ができるのかを調べてみた。しかし、台湾海峡両岸の対峙を安全保障の観点から分析した研究書は少なかった。本書はかつて「中国統一」を国家目標として掲げていた台湾の政府の視座に立ち、今もなお台湾海峡を隔てて分断されている「中国」の問題について、歴史的に再検証した。研究の成果が東アジアの平和と安定への貢献となることを願ってやまない。