自衛隊ニュース

ゲッキーのイラスト

防衛ホーム 俳句コーナー

蟷螂のかざせる斧の透きとほり  遠藤風琴

ワッペルのピアノに百合を手向けあり  有馬澄廣

すぐそこへ行く日盛の身拵へ  大谷弥栄

夕端居猫もそろりと来てすわる  大平光枝

野馬追の鎧をかざる大座敷  越後小吹

蚊遺香匂ひ園丁現はれし  佐藤君子

仏壇に供華の鬼灯のみ残り  藤原あい

梅雨空を気のなく廻る観覧車  佐藤邦子

夏霧や余生ぼんやり見えてきし  米田ふさゑ

神苑に踊櫓の組まれあり  信田重昭

鬼百合や門柱として屏風岩  谷 勝美

浴衣着て私ではない私かな  浅野柚香

切弊を纏ひつ潜る茅の輪かな  小田智佳

舞ひ落ちし天使のやうに梅雨の蝶  高橋信子

三伏や造花供へし供養塔  江上敏子

舐めるごと公園の草刈られあり  小田知佳

   選 者 吟

対岸に初蝉の声拡がりし  成川雅夫

(「栃の芽」誌提供)


HOME's English Class
(防衛ホーム英語教室)

I'm off sweet things

アイム オフ スィート シングス

甘いものを控えているんです


 6月になって、台風が日本列島に上陸し、九州地方では豪雨により災害が発生しています。天気予報は正確に気象状況を予報し、正しい情報が伝達される一方で、危機管理に対する甘さと経験則によって推測することができない出来事が生起しています。天候不順だけではかたづけられない自然界の警鐘かも知れませんね。梅雨にはいり、紫陽花が色とりどりに咲いています。しっとりとした中に、鮮やかな色で心をリフレッシュさせてくれます。

 今回の表現は、"I'm off sweet things"「甘いものを控えているんです」です。甘いもの、炭水化物といったダイエットのときに控える食べ物は、実は非常に美味しいものです。炭水化物大好き、甘いもの大好きというかたは多いと思います。さらに加えればアルコール類も同様ですね。offは、まずは、場所から離れる、離脱するというのが原義です。物が対象であれば、そのものを避けるということになります。関係で言えば、会社の関係が簿くなるから、休みということにも派生します。元の意味を押さえておくと、いろいろな意味がつながってきて面白いですね。

 日ごとの寒暖の差が大きく、暑くなったり寒くなったりと、体調を崩しやすい天候です。雨で気分がふさいだりするかもしれません。雨でも、ちょっと散歩に出て、雨にしっとりと濡れた鮮やかな紫陽花を楽しむのもいいかもしれません。天気も急に悪くなってにわか雨に降られることもあります。梅雨にふる雨の恵みに感謝も忘れないようにしたいですね。ストレスのない陽気で楽しい生活をお過ごしください。

〈スワタケル〉


スポーツよもやま話
根岸直樹

日本ハム斎藤佑樹投手に期待
強い意欲を持って真のエースを目指せ

 ふと目にした記事に「大舞台に強い人になるためのメンタルトレーニング」についての一節が載っていた。日大総合科学研究所の林成之教授によると「本能が勝負を決める」という。

 しかし、自己保存のための本能が働いて言い訳を始めると、力を発揮できなくなる。これを防ぐには「別のことを考えたり、結果に至る前の過程に考えを集中したりすることが必要」というのだ。

 だが、脳は急激な変化を受け入れないので、いきなり高い目標を掲げ、猛練習で一気に壁を乗り越えるには無理があるという。ならばどうするのか。「期限付きの全力投球を繰り返しながら、少しずつ変わっていくしかない」そうだ。

 そこで思い浮かぶのが、日本ハム・斎藤佑樹投手(24)の存在。ダルビッシュがメジャーに移籍したため、エースに誰を据えるか、と栗山英樹監督は悩み抜いた末、斎藤を指名した。ルーキーだった去年、必死に投げ抜いたことで「勝負強い心を育て上げてくれた」と判断したからだろう。

 その期待に応えて、開幕の西武戦では、9回を4安打1点に抑えて完投してくれた。栗山監督もホッとひと息といったところだろうと思っていたのだが、その後がいけない。セ・パ交流戦で何と3連敗(5試合で1勝3敗)だ。エースと期待するには早計、といった声が高まってきた。

 それでも6月6日、24歳の誕生日に、学生時代からのライバル広島・野村に投げ勝って5勝目を挙げ、復活のきざしが見えてきた。

 セ・パ交流戦も終わり、いよいよ夏場の首位攻防戦に突入する。「ここまで投げてきて、一番考えさせられたことは、先に点を与えないこと。気持ちを切り替えて出直しです。まだ考えも力も甘いけど、監督から"佑樹にあずけてよかった"と言われるよう頑張りたい」と言い切る斎藤。

 投手とは不思議なもので、球が速ければ勝て、遅ければ撃ち込まれて負けるというものでもない。しかも、先発して勝ち投手の権利を得るまで…などと先を読むとろくなことはない。

 芝草投手コーチはこう話している。「先発したら9回投げ抜く気持ちでいけ。投球の"間"がなくなると、間抜けになってしまう。しかし、ここへきて重心がかなり安定してきたので、これからはいいピッチングができると思う。頭のいい子だから、いろいろ考えてやってくれるだろう」。強い意欲を持てるようになれば、真のエースへの道もまた一歩、近づいてくるのではないか。

 「一年が終わってみないとわからないけど、いまはどんな経験でも勉強ですから身につけていきたい。積み重ねた知識を、これからどう生かしていくか。同じ失敗を何度も繰り返すことのないよう、ここで何をすればいいかを考えて、しっかり投げていきたい。もうやるしかないです」

 ルーキーで2試合登板(2回2/3)したオールスター戦も近い。「選ばれたら"さすが斎藤。成長した"と言われるピッチングがしたい」と強気だ。

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