自衛隊ニュース

一致団結で困難を乗り切る
「しらせ」が無事に帰還
4月9日、海自砕氷艦「しらせ」(艦長・中藤琢雄1海佐)が晴海埠頭に帰って来た。
第53次南極地域観測協力のため昭和基地手前約20kmまで近づいたが、厚い海氷とその上に積もる雪に阻まれ接岸を断念した。初代に比べ砕氷能力は格段に改良された氷砕設備を備えている「2代目しらせ」でも海氷を砕けない異常事態だった。観測に必要な人員、物資などは雪上車や艦載機CH—101で輸送して任務を果たした。
帰路、右舵を損傷してしまったため、2万km近い距離を左舵だけで戻ってきた。昨年11月11日に出港して5ヵ月。数々の困難を乗り越えて帰ってきた「しらせ」と隊員たちを多くの家族、関係者などが出迎えた。
艦上で行われた帰還セレモニーで、杉本正彦海幕長は「一致団結で困難を乗り切ったのは見事だった」と労った。
整斉と任務を遂行
展開先自治体と緊密に連携
陸自が「北ミサイル」対応で
4月13日、北朝鮮による飛翔体発射は失敗に終わった。「弾道ミサイル等に対する破壊措置命令」により編成されたBMD統合任務部隊を支援するため、陸上自衛隊は、飛翔体の破片が落下して被害が出る場合に備え、各種の機能を保有する初動対応のための部隊と救援隊を編成。南西諸島に派遣するとともに、万一の場合に備えて首都圏に配備されたPAC—3の警護任務に就くこととなった。
今回の実任務にしっかりと対応するため、また地域の安全・安心に寄与するために展開先の地元自治体などに連絡員を配置。沖縄防衛局などとも連携して展開先の自治体などと緊密に連携していく姿勢が見られた。
沖縄県に展開・配置された陸自隊員は約1400名。また首都圏に配備されたPAC—3の警護任務のため、約230名が習志野地区と朝霞地区に展開して任務を遂行した。
着実に前進
松島基地が復旧へ向けて
飛行訓練の再開に「感無量」
4月19日、航空自衛隊松島基地(司令・谷井修平空将補)にF—2戦闘機が降り立った。戦闘機の訓練再開としては東日本大震災から1年1ヵ月ぶりのことだ。
昨年の東日本大震災による津波で、約363ヘクタールある敷地のすべてが水に浸かってしまったため、練成訓練を中断していた同基地。
三沢基地に移動中の第21飛行隊F—2がタッチアンドゴーを繰り返し、基地に活気を与えた。機体を駐在することはまだできないが、今後は段階的に訓練規模を増やし、また津波などに備えるための施設整備なども行っていく。
「飛行訓練を再開できることは感無量です」——谷井司令はこう話した。
まだ完全復旧には時間がかかると思われるが、松島基地は一歩一歩、着実に前進している。