自衛隊ニュース

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省・自衛隊一丸で守り抜く

戦後最大の試練の時
体制整備迅速かつ着実に
浜田大臣 年頭の辞
諸君は国の宝

 防衛大臣の浜田靖一です。令和5年の年頭に当たり、全国の隊員諸君に新年のお慶びを申し上げます。

 また、日本中や世界各地で懸命に職責を果たす隊員諸君に対し、防衛大臣として、改めて心からの敬意と感謝を表します。

 今日は全国の隊員諸君に、私の想いを3点、お伝えします。

 まず、我が国を取り巻く安全保障環境です。

 昨年2月から続くロシアのウクライナ侵略は、国連安保理の常任理事国が、国際法を無視して主権国家を侵略し、核兵器による威嚇ともとれる言動を繰り返すという前代未聞といえる事態です。

 中国は、軍事力を広範かつ急速に強化し、力による一方的な現状変更やその試みを継続・強化しています。

 北朝鮮は、昨年、かつてない高い頻度で、かつ新たな態様でミサイル発射を繰り返しました。

 諸君におかれては、国際社会が今、戦後最大の試練の時を迎え、既存の秩序は深刻な挑戦を受け、新たな危機の時代に突入していることを念頭におきながら、日々職務に邁進してください。

 次に、我が国の防衛体制の強化です。

 安全保障環境が厳しさを増す中で我が国を守り抜くため、昨年12月、新しい国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画を閣議決定しました。

 本年からは、これらの方針を踏まえ、我が国を守り抜くため必要な体制を迅速かつ着実に整備していかなければなりません。引き続き、私が先頭に立って、これらの取組を進めていきます。

 最後は、各国との安全保障協力の強化です。

 我が国唯一の同盟国である米国とは、日米安全保障条約等に基づき、引き続き様々な分野での協力を進展させます。

 米国以外の諸外国、特に、基本的価値や安全保障上の利益を共有する多くの国々との二国間、多国間協力の強化も不可欠です。

 引き続き、「自由で開かれたインド太平洋」を踏まえ、基本的価値を共有する仲間と手を携え、秩序を変えようとするものに、一丸となって反対していきます。

 a我が国の安全保障は、諸君一人一人の努力の積み重ねの上に成り立っています。諸君は国の宝です。その誇りを胸に、本年も防衛省・自衛隊一丸となって、日本の平和と安定を守り抜いていきましょう。

南極オーロラ観測も

海自「しらせ」

 海自は砕氷艦「しらせ」(艦長・波江野裕一1海佐以下約180人)による第64次南極地域観測協力を昨年11月11日に開始、4月10日まで実施している。総行動日数は151日(うち南極圏99日)、総航程は約1万8000マイル

 協力の概要は、人員輸送が往路は67人(東京~フリーマントル)、69人(フリーマントル~南極基地)、復路は73人(南極基地~フリーマントル)。物資輸送は往路が約1120トン、復路が約280トン。

 支援作業は、いずれも往路で艦上観測、野外観測、基地設営を行う。

海自5空群(那覇)

初訓練飛行整斉と

「美ら海の防人」夢を持ち

 海上自衛隊第5航空群(群司令・高田哲哉海将補=那覇)では1月10日、初訓練飛行を行った。平素から沖縄を含む南西諸島周辺海域の警戒監視・情報収集を行なっている第5航空群第5航空隊(司令・濱野寛美1海佐)のP-3C哨戒機が、滑らかに那覇飛行場を離陸した。その後、慶良間諸島周辺に差し掛かると、朝日が機体に反射し神々しいばかりの美しさを感じることができた。

 5空群の隊員は「美ら海の防人」とも呼ばれる。美ら海の防人は、空から日本の海を護るため、日々の任務に就く傍ら、こうして訓練を重ねている。「自衛官として永遠に我が国の安寧を維持する」という夢を持ち、これを実現させるために精進するのが「美ら海の防人」である。

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