2012年5月1日 の記事
一致団結で困難を乗り切る
「しらせ」が無事に帰還
4月9日、海自砕氷艦「しらせ」(艦長・中藤琢雄1海佐)が晴海埠頭に帰って来た。
第53次南極地域観測協力のため昭和基地手前約20kmまで近づいたが、厚い海氷とその上に積もる雪に阻まれ接岸を断念した。初代に比べ砕氷能力は格段に改良された氷砕設備を備えている「2代目しらせ」でも海氷を砕けない異常事態だった。観測に必要な人員、物資などは雪上車や艦載機CH—101で輸送して任務を果たした。
帰路、右舵を損傷してしまったため、2万km近い距離を左舵だけで戻ってきた。昨年11月11日に出港して5ヵ月。数々の困難を乗り越えて帰ってきた「しらせ」と隊員たちを多くの家族、関係者などが出迎えた。
艦上で行われた帰還セレモニーで、杉本正彦海幕長は「一致団結で困難を乗り切ったのは見事だった」と労った。