自衛隊ニュース

ゲッキーのイラスト

防衛ホーム 俳句コーナー

朧月の見番昼の蕎麦届  畠中草史

使はずに形見となりし手套かな  小川淑子

狼狽へるほどの音立て木の実落つ  高橋のぶ子

行平の白粥の艶十二月  原つたえ

柚子風呂に寒柝の音遠く聞  西無左夫

駐在所子供の布団並べ干す  早坂洋子

欠航の札の吹かるる島の冬  渡辺成典

舟を押し泥にまみるる池普請  佐賀あかり

冬ざれや今朝の鞄のやや重く  宮崎 薫

雪の影ゆるりと動き山眠る  的場雅子

滝川の音の高ぶる紅葉冷  堀川利枝

仲見世の裏に荷の山年の暮  折口桂子

野仏に日和のつづく返り花  氷川杜夫

竹編の天井寒き村芝居  竹林愛子

住所録消しゆくばかりの木の葉髪  大室 猛

数へ日や陶祖の墓の欠け茶碗  東 秀文

   選 者 吟

紅葉散る音なき音の募り来し  成川雅夫

(「栃の芽」誌提供)

HOME's English Class
防衛ホーム英語教室

How long are you going to be here this time?

ハウ ロング アー ユー ゴウイング トゥ ビー ヒァ ジス タイム

今回はどのくらいこっちにいるの?


 皆さん、お元気ですか?クリスマスソング街に流れていますね。アメリカでは感謝祭が終わり、これからクリスマスシーズンになります。街中クリスマス一色になり、クリスマス商戦もにぎにぎしくなります。クリスマスカードもそろそろ受付も始まり、年賀賞も発売されています。締めくくりの月ですね。忙しくなる前に、一寸一年を振り返ってみるといいかもしれません。


 今回の表現は、"How long are you going to be here this time?"「今回はどのくらいこっちにいるの?」です。hereは、「ここ」と言う意味ですが、会話によって、日本であったり、ふるさとであったりします。海外から帰国した友人には、日本にはという意味になりますし、故郷へ帰省した人には、実家ということになるでしょう。going toをgonnaに置き換えると、さらに口語っぽくなります。be going to~は、~するつもりです。be here(ここにいる)のかわりにstay in Japan(日本に滞在する)も使えますね。場所がはっきりして、相手の滞在情報の確認ができます。遠方から友人が来た場合には、何がしかの時間をつくって旧交を温めたいものです。相手の計画を確認するにも便利な表現です。


 各地で初雪が観測されています。今年の冬は寒くなりそうな感じですが、どうなりますか。通勤途上の車窓からは、冠雪した真っ白な富士山が見えます。東京大学の本郷キャンパスも銀杏が黄色く色づいてきました。クリスマスソングと黄色い銀杏の取り合わせも面白いです。ますます寒くなります。ストレスのない陽気で楽しい生活をお楽しみください。See ya!〈スワタケル〉


スポーツよもやま話
根岸直樹

"神様"川上哲治氏 逝去

メジャー帰りを将来の楽しみに

 10月末、老衰のため逝去されたプロ野球元巨人の川上哲治監督(享年93歳)が、現役だった三十有余年を通じて「神様」とあがめ奉られていたことは、ファンでなくとも先刻ご承知のことと思う。現役時代は「赤バットの川上」としてヒットを量産化。現役18年で1975試合に出場し、2351安打(本塁打181本)、首位打者5回。「ボールが止まって見える」というひと言は、名言として現在も語り伝えられている。

 1961年から監督として巨人軍を率い、14年間で優勝11回、その間の9連覇は、いまだに記録として残っている。まさに「神様、仏様、川上様」だった。

 プロ野球の選手としてものすごい働きをしてのけた人材は、数を上げれば両手に余る。しかし、多くのファンから「神様、仏様」とまで呼ばれた選手は少ないだろう。全盛期の西鉄(現埼玉西武)エース・稲尾和久投手(故人)もファンから「神様、仏様」と呼ばれていたひとりだ。稲尾は現役で756試合に投げ276勝(139敗)したが、シーズン42勝(78試合登板)という快記録は、まさにニックネームどおりの「鉄腕」だった。

 生涯400勝(944試案登板、298敗)の金田正一投手も「黄金の左腕」「金田天皇」などと呼ばれた大投手だったが「神様」とも「仏様」とも呼ばれた記憶がない。「神様」とは「超人的。神秘的なもの」。「仏様」とはインドの釈迦が開いた宗教で「悟りを開いた者、得た者」とされているが、金田投手には、そういってしまっては申し訳ないが、ふさわしくなかったということか。

 「名人」「豪傑」と呼ばれる選手も、プロ野球界には多い。沢村賞の沢村栄治、スタルヒン、若林忠志、別所毅彦、杉下茂、村田兆治(以下投手)苅田久徳、山田広、平山菊二、藤村富美男、中島治康、鶴岡一人、白石敏男、大下弘、青田昇、千葉茂、張本勲、福本豊、そして長嶋茂雄、王貞治…。一世を風靡した守備、打撃、走塁の名人、豪傑だ。

 投手には誰にもマネできない快速球、変化球があった。打者にはどんなタマでも打ちこなす技術が。塁に出れば、アウトにならない快足でダイヤモンドを縦横に走りまくった。その走者を見事に刺す内野手の華麗なプレー。外野手の強肩…。

 東北楽天を9年目にして初の日本一に導いた星野仙一監督の選手起用、さい配も「お見事」という以外にない。巨人を倒し日本一が決まった瞬間、ファンは、特に東日本大震災に打ちひしがれていた東北地方の方々は、楽天の選手達に、そしてさい配をふるった星野監督に対し「勇気を与えてくれた神様のような存在」と両手を合わせ、涙まで流していた。

 これからも超一流の選手、監督が誕生してファンを喜ばせてくれることだろう。メジャーリーグで活躍している選手達も近い将来、日本に戻ってくる。世界の技術を身につけての大活躍、そして采配。考えれば考えるほど楽しみが山積みだ。


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