定年退官し、講道館に再就職した石川曹長。右は妻で同じく柔道有段の和枝元海曹長
サマーバイアスロン 3位入賞
体校特体OB、アジア大会切符も獲得
5普連の枋木2曹
「第36回サマーバイアスロン日本選手権大会」が9月25日から29日の間、西岡バイアスロン競技会場(北海道札幌市)で行われ、第5普通科連隊(連隊長・伊藤裕一1陸佐)所属の枋木2曹が参加選手21名中、総合第3位となり、アジア大会の出場権を獲得した。
枋木2曹は平成24年から令和4年まで自衛隊体育学校冬季特別体育教育室バイアスロン班に所属し、W杯・アジア大会等の国際大会に数多く参加。令和4年W杯スウェーデン大会で9位、平成25年2月アジア冬季大会で4位の成果を収めている。
第5普通科連隊異動後は小銃小隊分隊長として熱心かつ誠実に勤務しており、先輩からの信頼も厚く、後輩からは目標となる陸曹として慕われている。
本大会直前の7月中旬から9月上旬までの間は、陸曹中級課程に教育入隊中であり、課程学生として修学にいそしむ傍ら、課業外や休養日を活用してローラースキーとランニングのインターバルを実施して大会に臨んだ。
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大会は3日間の総合成績で競われ、初日は強風に対応できず8位と出遅れたが、2日目、3日目は初日の反省を踏まえそれまで練成してきたことを信じて競技に取り組んだ結果、両日ともに2位の結果を収め総合成績3位を獲得。アジア大会出場の切符を獲得することができた。
今回のアジア大会出場権の獲得は、一般部隊所属の隊員としては初の快挙。枋木2曹は「今回の成果を収める事ができたのは連隊・中隊、監督及び家族等のサポートがあってのこと。大変感謝しています。アジア大会に向けて、練成時間は限られていますが効率的に練成し、走力・射撃能力を向上させ、メダル獲得を目標に頑張っていきたいと思います」と力強く決意を語った。
拳法訓練隊が転地訓練
新発田30普連
第30普通科連隊拳法訓練隊は10月7日から同14日までの間、長野県松本駐屯地へ転地訓練に赴き、他部隊との合同訓練を行い試合技術の向上、闘争心を涵養した。
また、拳法訓練隊は10月13日、「第2回長野県日本拳法選手権大会」に参加した。試合は段の部(黒帯)、級の部(白帯)で行われ、栗山剛宣陸士長が級の部でベスト4に進出する活躍を見せた。
拳法訓練隊はこれからも引き続き技術向上のため訓練、試合に挑み、拳法を通じて心技体を養いさらなる高みを目指し邁進する。
303高直支中「V8」
東北方後支隊の持続走競技会
仙台駐で
東北方面後方支援隊(隊長・尼子1佐)は10月10日、仙台駐屯地において令和6年度持続走競技会を実施した。秋晴れの下、個人走の部、駅伝の部に区分して競技が行われた。
各部隊は本競技会に向け年度当初より計画的な持続走練成に励み、その成果を遺憾なく発揮した。特に午後の駅伝の部においては、部隊の代表として選ばれた5名が、タスキと共に部隊の勝利のため力走した。
結果は総合の部、駅伝の部ともに第303高射直接支援中隊が優勝し、8連覇を達成した。各部隊の団結が強まり、記憶に残る競技会となった。
講道館で新たな柔の道を
己を完成し世を補益す
石川海曹長(東京業務隊)
自衛隊柔道で研さんを積んだ石川和幸海曹長が11月24日、海自東京業務隊(市ヶ谷)での勤務を最後に退官。再就職先の柔道の本家、講道館(東京都文京区)で新たな〝道〟を歩み始めた。
11月22日に東京業務隊で行われた退職行事では森裕之司令から辞令書を交付され、35年間の勤務に対し感謝の辞を贈られた。
石川曹長は静岡県出身。沼津学園高(現飛龍高)を卒業後、実業団勤務を経て平成元年1月に入隊。自衛隊体育学校(朝霞)に新設された柔道班の第1期生として酒井英幸現柔道班監督(2陸佐)らとともに稽古に励んだ。海自では主に、自衛隊横須賀病院教育部や横須賀教育隊で体育教官として勤務した。
最も印象に残っていることは東京五輪で濵田尚里1陸尉が金メダル、パリ五輪で新添左季2陸尉が銀メダルを獲得したこと。「同じ(柔道班の)仲間がメダルを取ってくれたことが一番うれしかった」
講道館では道場指導部で勤務。「体育学校の特体学生や陸海空部隊の修行者に『石川さんがいるから』と、講道館により気軽に来てほしい」
自衛隊勤務で培った特技を生かして再就職した石川曹長。上村春樹講道館館長の「己を完成し世を補益する」の教えを胸に、さらに心技を磨く。