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砕氷艦「しらせ」南極へ

出港するしらせ(横須賀基地逸見岸壁で)


 第66次南極地域観測協力を行う海自砕氷艦「しらせ」(艦長・齋藤一城1海佐以下乗員約180人、排水量1万2650トン、横須賀地方隊所属)が11月20日、多くの家族や隊員らに見送られ、横須賀基地から出港した。

観測隊協力担う
 出港に先立ち、基地体育館で行われた出国行事には約700人が出席。
 吉田圭秀統幕長の訓示が代読された後、齋藤聡海幕長が「南極観測の成功はその基盤を構築する『しらせ』にかかっていると言っても過言ではない。環境変動が地球規模の問題となっている現在、『しらせ』が支援する昭和基地周辺やトッテン氷河沖での各種観測は、温暖化などの環境変動のメカニズムを解明し将来につなげる重要な観測として、全世界から注目されており、諸官の任務は他の誰にもなしえない」と壮行の辞を述べた。
 次いで野木義史国立極地研究所長が来賓を代表してあいさつ。齋藤艦長が海幕長へ出国報告を行った。
 しらせは、国立極地研究所の南極地域観測隊への協力を任務とし、人員、物資の輸送を行うほか、支援作業(艦上観測、野外観測、基地設営)にあたる。
 今次協力では、観測隊員を往路(フリーマントル~昭和基地)で65人、復路(フリーマントル~昭和基地)で79人、物資は往路で約1110トン、復路で約276トンを輸送する。
 来年4月22日の横須賀基地への帰港を予定し、総行動日数は154日(うち南極圏は92日)、総航程は2万1600マイル。


JPMRC25に陸自初参加 5旅団

総合訓練 共同反撃

   

 第5旅団(旅団長・岸良知樹陸将補=帯広)は、9月30日から10月21日までの間、米国ハワイ州において、米太平洋陸軍主催の多国間訓練JPMRC25(ジョイント・パシフィック・マルチナショナル・レディネス・センター25)に陸上自衛隊として初めて参加した。

 本訓練は、第5旅団から第6即応機動連隊及び第5後方支援隊即応機動直接支援中隊が参加し、日米の共同連携要領を演練するとともに、島嶼部での作戦遂行能力、戦術技量、相互運用性の向上を目的に実施した。

 訓練当初は、シンガポール軍との下士官交流において、第6即応機動連隊がガンハンドリング、分隊戦術行動等を展示、次にマレーシア軍との交流において、即応機動直接支援中隊が装備品展示、体験搭乗を実施して、両国の参加部隊と良好な関係を構築し、相互理解を深めた。

 日米においては、火力誘導要領に認識共有、米陸軍や海兵隊との合同衛生訓練により戦術技術を向上させるとともに、共同指揮官会議等を通じて、共同による計画策定に係る理解を深めた。訓練終盤の総合訓練では、日米による情報と火力の連携、共同反撃を実施した。

 第5旅団は本訓練を通じて、インド太平洋地域国との連携強化に寄与するとともに、日米共同作戦能力を向上させ、その絆を深めることが出来た。


3自発足70周年 
音楽まつり 音‐そこにある共鳴‐

最終章で共演する歌姫(左から清水1空士、三宅2海曹、鶫3陸曹)


 11月14日と15日、防衛省・自衛隊発足70周年を記念した「令和6年度自衛隊音楽まつり‐音 そこにある共鳴‐」が、東京都千代田区の日本武道館で開催され、リハーサル公演を含む全6回公演で約2万5000人の来場者を魅了した。

 陸海空自衛隊音楽隊による「サークルオブライフ」で静かに幕が上がる。国家斉唱を挟み、そこから各出演部隊が約2時間・全5章で圧巻のマーチング等を披露した。第2章では日米音楽隊が共演、ラヴェルの「ボレロ」で時代とともに強固になる日米同盟を力強い演奏で表現した。ゲストバンドは今年外交関係樹立70周年を迎えたヨルダン軍の軍楽隊が初出場。航空中央音楽隊では今年4月に入隊したばかりの清水万里子1空士が澄み渡るソプラノを響かせた。今回は趣向を凝らし、公演ごとにリクエスト曲を募集したり、スマートフォンのライトで幻想的な演出をしたりと、観客も一緒に楽しめるようにした。また、記憶に新しいパリ五輪の自衛官メダリスト3名が登場して会場を沸かせた。


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