自衛隊ニュース
オヤジ達の国際貢献
日本最大級の国際協力イベント
「グローバルフェスタJAPAN2024」に出展
メインステージ「世界をつなぐ平和への願い
~地雷除去支援でミライを紡ぐ~」で
JMASの活動が紹介される
グローバルフェスタにJMASのブースを出展
グローバルフェスタは国際協力活動、社会貢献活動、SDGsなどに取り組む官民さまざまな団体が一堂に会する日本で最大級のイベントだ。国際協力の現状やその意義などについての理解と認識を深めてもらうことを目的として、例年、10月6日の「国際協力の日」前後に開催されている。グローバルフェスタJAPAN2024は、9月28日・29日の両日、新宿住友ビル三角広場及び新宿中央公園で開催され、昨年を大きく上まわる約7・4万人(リアル会場とオンライン会場)の来場があった。
33回目となる今年のテーマは、「国際協力70年、ともに未来へ」、NGOや大使館、企業、大学等約200団体の参加があり、JMASもブースを出展し活動を広報した。
また、29日、ステージプログラムとして行われた外務省の「世界をつなぐ平和への願い~地雷除去支援でミライを紡ぐ~」と題したトークイベントには、ココリコの田中直樹さん(JMASが作成協力し、今年3月に公開された開発協力の現場を舞台にした外務省の広報ドラマ「ファーストステップ3 世界をつなぐ平和への願い」にJMAS職員役として出演)をゲストに迎え、外務省国際協力局の日下部審議官、JMASからは徳益事務局長、立花前カンボジア現地代表、式地域復興支援担当及びコマツから柳樂地雷除去プロジェクト室長が参加し、カンボジアにおける地雷除去支援や復興支援等、活動内容を説明した。田中さんからは、「地雷を除去して終わりではなく、その先の生活もケアしていく。現地の方が、生まれた場所で当たり前に生活できるようにすることは、とても大きなことだと思います」との感想が述べられた。
また、外務省フォトコンテストも行われ、「みんなが輝く世界 ‐for the First Step!‐」をテーマに、国際協力の一コマを撮影した作品が募集され、350応募作品の中、JMASからはカンボジアの中野地雷処理専門家が応募した、「危険回避教育」が入賞した。
ノーサイド
北原巖男
夢
嬉しいニュースに接しました。
①防衛大学校に5年間留学して卒業した東ティモール国軍(F‐FDTL)の若手海軍将校が、ミリタリーアタッシェ(防衛駐在官)として、ポルトガルの東ティモール大使館に赴任したとのこと。防大留学卒業生初のミリタリーアタッシェの誕生です。
アジアで一番新しい民主国家・東ティモール国軍の将来を担い、激動する国際軍事情勢の中でグローバルに活躍出来る良き社会人にして有為な若手将校。そんな自分を目指して、彼も防衛大学校に留学。
学校長はじめ多くの教職員の皆さんの厳しくも親身な指導・支援を受け、様々な学びや訓練等を通じて涵養に努めたリーダーシップやフォロワーシップ。日々泣き笑い・寝食を共にし、励まし合い助け合ってきた日本人学生・各国留学生との同期の絆。先輩・後輩そして地域の皆さん・日本人との忘れ難い心の交流。そのいずれもが彼の宝になっています。
現在、東ティモール国軍で活躍している防大留学卒業生は、2015年3月に卒業した1期生3名を筆頭に、彼を含めてこれまで18名。総兵力約3000名の民主国家の軍隊を担う若手幹部育成に、防衛大学校がいかに貴重な寄与を続けて来ているかが分かります。現在は、諸事情から、これまでで最少の2名が在学中。少数といえども、両人は、国軍を代表して学業にそして規律ある学生生活に頑張っています。
防衛省・防大では、今後共東ティモールからの留学生受け入れ(受託教育)の門戸は温かく開いて行くご意向を示してくださっています。それだけに、東ティモール国軍には、是非共若くて優秀な人材を防大留学生候補生として選考することに一層注力し、彼らの受託教育を求めて頂きたいと願って止みません。
現在、日本は、インドネシアに派遣している防衛駐在官(一等海佐)が東ティモールを兼轄しています。在京東ティモール大使館には、東ティモールのミリタリーアタッシェはいません。防大卒業生の多くが、将来、ミリタリーアタッシェとして日本に戻って来たいと言って帰国して行きます。そんな夢が、いつの日にか、きっとかなう気がいたします。
②10月20日にインドネシアのプラボウォ新大統領の就任式が挙行されました。10月27日の衆議院議員の総選挙を目前にした日本は、高村正彦元外務大臣が石破総理からの直接要請を受けて総理特使として参列。そして、その歴史的経緯に鑑み、特に注目された東ティモールからは、グスマン首相が参列。
インドネシアによる併合下、東ティモールの独立回復のため命懸けで戦ってきたリーダーとそれに激しい弾圧を加えた当時のインドネシア軍特殊部隊司令官。
そのグスマン首相とプラボウォ新大統領が、式典会場にて固いハグを交わしました。衝撃とも言える歴史的な映像・写真は、両国はもとより世界に発信されました。グスマン首相と旧知の仲である高村正彦特使は、「お二人が強く抱擁されるのを目撃し、感慨深く感じた」旨、グスマン首相に伝えています。
当日、グスマン首相は記者団に対し、「我々には、同盟も敵もいない。みんな友達だ。」と語っています。プラボウォ大統領は、グスマン首相に対して、自らの東ティモール訪問を打診したとも報じられています。
辛く厳しい惨劇の歴史を乗り越えて、真の和解を築き上げて行くには、東ティモール国民の皆さんの心の整理に、まだまだ時間を要するかもしれません。独立闘争で犠牲になられた約20万人に及ぶ独立の英雄の皆さん達が、独立して良かったと思うような東ティモールの国造り、インドネシアとの信頼・協力関係の発展を心から祈念して止みません。そしてそれは、決して夢の中に留まることではないと確信します。
③10月27日の衆議院議員選挙で当選された女性は、465名中73名。全議席の15・7%・過去最高です。前回令和3年10月の9・7%から大きく躍進しました。国政に対する女性の進出は大いに推進すべきであり、歓迎すべき結果です。でも、まだまだ当時の安倍総理がおっしゃっていた3割までには幅があります。
来年7月には、参議院議員選挙が実施されます。前回令和4年7月の選挙では、改選議席125名中35名の女性が当選、過去最高の28%を記録しています。
ちなみに、東ティモールの国民議会は一院制で全65議席。前回2023年5月の選挙では、女性議員は25名・38・5%を占めています。なお、議長は女性。更に現在のグスマン内閣では、財務相・保健相・教育相・連帯相の重要閣僚を女性が占めています。
「世界経済フォーラム」が発表した「2024年版世界男女格差指数ランキング」(全146か国)の、「政治への関与」については、日本が113位であるのに対し、東ティモールは上位の68位となっています(政治への関与のほか、経済活動の参画と機会・教育・健康と生存も含めた総合ランキングでも、日本118位。東ティモール86位)。
次回の参議院議員選挙では、我が国初、改選議席の3割の天井を突破する女性議員の誕生も夢ではない気がします。