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防衛省・自衛隊70周年記念観閲式

観閲式で巡閲を行う石破首相


 11月9日、朝霞訓練場で「防衛省・自衛隊70周年記念観閲式」が行われた。観閲官の石破茂首相は整列部隊約600名を前に「私は諸官の先頭に立ち、日本国、国民を守り抜く覚悟だ」と訓示した。続く観閲行進では人員約800名、戦車・装甲車約10両、トラック等約40両がその威容を誇り、上空では初参加の陸自UH‐2等ヘリが5機、空自F‐35戦闘機等固定翼機7機が観閲飛行した。(次号で観閲式特集を掲載)


日韓防衛協力さらなる強化を
韓国海軍合同巡航訓練戦団が来日

6年ぶり 横須賀へ

 韓国海軍の合同巡航訓練戦団が11月7日、横須賀港に入港し同日、中谷元・防衛大臣も出席し歓迎行事が開かれた。大臣は「日韓防衛協力の重要性は増している」とあいさつし、さらなる交流・協力の強化に期待を寄せた。同戦団の来日は2018年11月に佐世保港に入港して以来、6年ぶり。


中谷大臣 歓迎行事で

 海自音楽隊が歓迎の演奏で出迎える中、横須賀基地の逸見岸壁に接岸した韓国海軍強襲揚陸艦「マラド」の乗員たちが右舷に等間隔に直立し、敬意を示した。

 来日したのは、韓国陸海空軍の士官候補生らが乗る「マラド」、揚陸艦「チョンジャボン」、補給艦「テチョン」の3隻。7月に行われた日韓防衛相会談で、自衛隊と韓国軍の部隊間交流の活性化などが合意されていた。

 歓迎行事には中谷大臣、齋藤聡海幕長、パク・チョヒル韓国大使、海自隊員、巡航訓練戦団の士官候補生ら約150人が出席。

 真殿知彦横須賀地方総監は、かつて大学院で学んだという流ちょうな韓国語を用い、「日韓両国が地域の安全保障とそれぞれの国益のために協力することは、地域の平和と安定に大きく寄与することになると確信しています」とあいさつ。

 キム・ハクミン戦団長は「親善行事等を通して、日本の文化を理解する機会となることを期待します」と応えた。

 中谷大臣は「韓国は我が国にとって大変大切なパートナー国です。北朝鮮による弾道ミサイル発射をはじめ、地域の厳しい安全保障環境、グローバルな課題に対し、日韓の安全保障、防衛協力はこれまで以上に重要性を増してきています。さらに日本に対する理解を深め、日韓防衛協力のためにご尽力していただくことを心から期待しています」と述べた。

 沢田俊彦第1護衛隊群司令とキム戦団長との間で、記念品の交換も行われた。戦団は10日、横須賀を出港した。


中谷大臣 横須賀、横田を視察
 中谷大臣は、韓国海軍合同巡航訓練戦団の入港歓迎行事出席後、横須賀基地で最新鋭護衛艦「もがみ」(第11護衛隊=横須賀=所属)を視察した。
 視察後、大臣は同基地で勤務する隊員たちに対し、「(前回、防衛大臣を務めたころから10年経ち)世界は地政学的に大きく変化し、わが国を取り巻く安全保障環境はより一層厳しさを増している」と訓示。
 「護衛艦もがみをはじめ数々の新たな装備品が導入され、能力が向上しているが、こうした装備を動かし使ってこの国を守ることができるのはあなた方しかいません。防衛力の中核は自衛隊員。だからこそ、働きやすい環境をつくり、優秀な人材を確保することは待ったなしの課題。防衛大臣として、規律を維持し精強な部隊をつくるためにも隊員の生活、勤務環境の改善に全力を挙げて取り組んでいく」と述べた。
◇    ◇
 11月1日は「強固な日米同盟を体現する場所」と位置付ける横田基地を視察し、航空総隊司の隊員に対して訓示を行った。
 大臣はまず、在日米軍司令官のスティーブン・F・ジョスト中将を表敬。前日の北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、日米同盟の抑止力・対処力の強化は不可欠であるとの認識を共有した。また、日米の活動を効率よく行うために設置された日米共同情報分析組織(BIAC)を視察した。航空総隊司令部においては、北朝鮮の弾道ミサイル発射への対応や中国・ロシア機に対するスクランブル対応等、多岐にわたる任務について報告を受けた。
 大臣は訓示で「極めて重要な任務を担っており、皆さんの日々の働きに心から敬意と感謝を申します」と激励。また、自衛官の処遇改善についても言及し、年内に取りまとめの公表を目指す関係閣僚会議等を通じて「働きやすい、生活しやすい、隊員の皆さんに喜んでもらえるような環境の整備、隊員の生活・勤務環境の改善に全力を挙げて取り組みたい」との姿勢を示した。そして「先頭に立って道を切り開き、皆さんと共に努力して国を守るという崇高な使命を共に果たす覚悟だ」と決意を述べた。



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