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統幕創設10周年迎える
更なる統合運用体制の強化目指す

 2月17日、防衛省で「統合幕僚監部創設10周年記念式典」が厳かな雰囲気の中開催された。来賓として第4代防衛大臣の石波茂衆議院議員をはじめ歴代の防衛大臣、副大臣、政務官、統合幕僚長等が多数参列し、また同盟国である米国から米太平洋軍司令官ハリー・B・ハリス海軍大将、在日米軍司令官ジョンL・ドーラン空軍中将も参列し、創設10周年を祝した。

 統合幕僚監部は前身の統合幕僚会議及び事務局の廃止に伴い平成18年3月27日に新設された。これまでの10年間で、統合部隊を運用したソマリア沖・アデン湾における海賊対処、東日本大震災への対応等、国内外問わず多岐かつ広範囲の任務を遂行しながら、統合運用体制の強化を図ってきた。また、日米新ガイドラインの改定や平和安全法制の成立にともない、昨年10月1日の防衛省組織改編で、統合幕僚監部へ部隊運用に関する業務が一元化される等、今後益々統合機動防衛力における核としての役割が期待される。

 河野克俊統合幕僚長は式辞の中で、①防衛省改革を踏まえた統合運用機能の一層の強化②日米防衛協力の実効性向上及び平和安全法制の施行に向けての着実な準備③安全保障協力の積極的な推進、を今後の決意として挙げた。そして「既成概念にとらわれず常に変革に取り組み、陸海空3自衛隊運用の最適化に努め、今後更なる安全・確実な任務遂行と統合運用の体制の更なる強化のために、本職自ら先頭に立ち、職務を全うする所存です」等と決意を表明した。

 続いて中谷元防衛大臣が、明治政権発足の際に布告された五箇条の御誓文の一文『万機公論に決すべし』を出し、「伝統や文化の違いによる障害は、議論を尽くして乗越えられる」等と訓示した。そして最後に「今後とも国民の期待と信頼、その付託に応えられる決意をあらたに、次の10年に向けて厳正な規律を維持しつつ一層任務に邁進してほしい」と統幕隊員に向けて要望した。

 統合幕僚監部はこれまでの10年の歴史を踏襲し、新たな一歩を踏み出した。

【ハリス米太平洋軍司令官が河野統幕長を表敬訪問】

 前日の16日、同式典に参加するために来日した米太平洋軍司令官・ハリー・B・ハリス海軍大将が河野統幕長を表敬訪問した。

 河野統幕長は、会談の中で先日の北朝鮮による弾道ミサイル発射の件に触れ「日米で協調して行動ができた事は新ガイドラインでの大きな成果だ」と述べると、ハリス司令官もこれに同意。日米の相互運用性の向上が日米同盟の抑止力及び対処力の強化にとって重要であると確認した。