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機略縦横(81) 警戒航空団 

准曹士先任 准空尉 大西一樹 深層的な団結

 近年個々の多様性、主張、権利が認められる時代、団体生活を基本とする弊社では、隊員の身上把

握には多少の時間を有する。

 ひと昔前まででは飲み会、食事会いわゆる飲みニケーションで分かり合えたが、今はそうはいかない。そもそも、そういう時間すら作るのが難しい。表向きは問題ないが、個々に話を聞くと不満が出るわ出るわ。日本人特有の奥ゆかしさ、謙虚さなのか、公の場では、なかなか本音が出てこない。

 風通し良くと言われるが、組織の精強性、健全性を保つ難しさ。大義があれば人は動く、動かすためには理解をさせる、理解をさせるには時間がかかる。だからこそ現場に近い准曹士先任は、恒常的に隊員個々の幅広い世代の意見に傾聴し、時の流れを嗅ぎ分け、指揮官を補佐する能力が必要なわけである。深層的な団結は精強性、健全性を生み、柔軟で自立した組織運営が可能となる。

 昭和世代の准曹士先任は、丁寧な説明、新しい価値観に大義を感じながらも、本音(過去の価値観)を言えない隊員の一人なのかもしれない。


剣士日本一に西村1曹

全日本銃剣道

"夏の陣"

 銃剣道 "夏の陣" 覇者決まるーー。「第55回全日本青年銃剣道大会」と「高松宮記念杯争奪第32回全日本銃剣道選手権大会」が8月8、9日、東京・九段の日本武道館でそれぞれ開かれ、このうち「剣士日本一」を決める選手権大会は西村健1陸曹(普教連)が初優勝した。


選手権と青年大会

木原大臣も激励


 錬士6段以上の総勢64人による選手権大会は、まばたきもためらうほどの試合が続いた。

 開会式には木原稔防衛大臣も出席した。大臣の大会視察は史上初めて。

 大臣は「日ごろのたゆまぬ努力の成果を存分に発揮し、磨き抜かれた心技を競い合うとともに、銃剣道の神髄を追求する剣友と交流の輪を広げられることを心より願っています」と鼓舞した。

 また、番匠幸一郎全日本銃剣道連盟会長(元西方総監)は、「銃剣道は現代に武士道の伝統を最も強く継承している。礼に始まり、礼に終わる、相手を敬いすがすがしい立派な態度で試合をしていただきたい。強く、美しく、品格のある最高の試合を期待します」と述べた。

 接戦を勝ち上がり、準決勝には西村健1陸曹ら4人が名乗りを上げた。

 前回準Vの藤原考貴2陸曹(東特連)と西村1曹の試合は終盤、西村1曹が上胴で2本目を奪い制した。

 平田悠朗2陸曹(37普連)と福田賢二2陸曹(1普連)の対戦は、平田2曹が相手のほんの一瞬の気の緩みを見逃さず上胴で一本を決めた。

 西村1曹と平田2曹の決勝は、西村1曹が開始早々の上胴などで2本を奪い競り勝った。試合後、「周りの皆さんの支えがあって優勝できた。感謝しかありません」と語った。


16連V2


 青年銃剣道大会は3人制団体戦の1部(24歳以上27歳未満)、2部(24歳未満)と、女子個人戦(高校生以上)の3部門で競われた。

 1部決勝は普教連(滝ヶ原)と16普連(大村)が対戦し、大将戦を制した普教連が優勝を果たした。

 2部決勝は16普連Aと同Bの "兄弟対決" となり、1勝1敗の後の大将戦、監督・北慎一郎陸曹長の長男、北翔太朗3陸曹が上胴を決め、Aが貫禄勝ちした。

 北監督は、「(大会史上初めて)連覇を達成できた。伝説をつくることができた」とチームの努力の成果を喜んだ。

 女子個人戦決勝は、里麻衣3陸曹(16普連)と森川有紀子3陸曹(普教連)が対戦。里3曹が上胴で2本勝ちした。


女子も健闘


【成績(上位3位)】

 ◇青年大会▽青年1部(1)普教連(2)16普連(3)11普連、43普連▽同2部(1)16普連A(2)16普連B(3)防大A、1普連

 ▽女子個人戦(1)里麻衣3陸曹(16普連)(2)森川有紀子3陸曹(普教連)(3)増岡瑞希陸士長(3即機連)、平松望奈さん(本間道場)

 ◇選手権大会▽(1)西村健1陸曹(普教連)(2)平田悠朗2陸曹(37普連)(3)藤原考貴2陸曹(東特連)、福田賢二2陸曹(1普連)

平城山納涼会盛大に

 空自奈良基地は7月27日、同基地で平城山納涼会(ならやまのうりょうえ)を開催した。

 奈良基地太鼓部による演奏、陸自第3音楽隊による演奏などを実施。また今年は地元中学生・高校生によるダンス演技、吹奏楽演奏、生バンドによる盆踊りも行い、来場者を大いに楽しませた。

 今年で3回目となる花火の打ち上げー写真ーでは、来場者が同じ空を見上げ、花火が上がるたびに歓声とともに笑顔が見られた。

 来場者は過去最多の約8500人を記録。地域住民に親しまれる行事となっている。

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