自衛隊ニュース

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全自富士山拳士に感謝と期待

「恩送り」の文化 自衛隊強く

全自拳法富士山大会実行委員長 新田幸司1陸佐(滝ヶ原駐屯地司令)

監督の助言


 自衛隊の拳士達は、共通して戦闘訓練と拳法の練習を両立しながら土日の大会に出場し、決まって次の月曜日には警衛等の特別勤務に就いています。しかも、特別勤務に就いている隊員は大会に出場した選手達で、控えや介添えに就いた拳士達は特別勤務に就くことなく月曜日から練習です。

 ある時、私は田村監督(普教連)に「大会に出場した選手達は休ませた方が良いのではないか」と言ったところ、次のように言われました。

 「これは勝ち続けるには必要なことです。当然勝ち続けることは手段であって目的ではありません。勝ち続ける目的は二つあります。一つは、我々は他の隊員達が勤務を肩代わりして頂いた貴重な時間を大事に大事にして練習しています。なのでこれを結果で示すことが必要なのです。二つ目は強く、美しく、品格のある拳法を充実・発展させるためには相手に聞いてもらえるような実力が必要だからです」と。助言したつもりが逆に助言され、頼もしくかつうれしく、また恥ずかしくもなりました。


若手←→熟練


 6月22日、御殿場市民体育館において「第18回全自衛隊拳法富士山大会」を開催しました。本大会は若手拳士等の育成を目的としています。例年ならば観客は拳法関係者だけですが今年は細野豪志衆議院議員、富士教導団長、富士教団の応援団である団親睦会、出場部隊の隊員達、近傍にある富士学校に入校している幹部自衛官達が応援に駆けつけてくれました。

 試合では礼節を基本とし、相手を敬い、日頃培った技を相互に高め合うといった強く、美しく、品格のある試合が展開されました。勝者はおごることなく、倒れた敗者に手を差しのべるといった光景が見られました。

 まるで旅順要塞を守るステッセリ中将率いるロシア軍を破り、彼を捕虜にし、彼からサーベルを取り上げなかった乃木希典大将や、スバラヤ沖海戦で敗れ漂流している当時敵国であったイギリス兵422名を救助し、貴重な食料を与えるとともにイギリス海軍の将校を甲板に集め「諸官は国のために勇敢に戦われた。今日から日本海軍の名誉あるゲストである」と言われた「雷」艦長の工藤俊作海軍中佐の様に。


気付き得る


 また、本大会に先立って滝ヶ原駐屯地体育館で行われた200名が集まる合同練習での乱稽古や勝負稽古においては、自分が苦手とする選手や熟練選手に稽古を申し出る若手選手、若手選手に胸を貸す熟練選手の姿があちこちで見られました。

 稽古が終われば、若手選手は熟練選手に「ありがとうございました」と言い、お礼を言われた熟練選手は若手選手に助言する。こういった「恩送り」の文化が自衛隊を強くするのか、と感じざるを得ませんでした。

 さらに、驚くことに富士山拳大会参加チームの中に、男性選手達を率いる女性監督が居ました。西部方面特科隊の新村3曹です。彼女は全自衛隊拳法選手権大会女子の部で連勝を続ける功績がある隊員です。彼女に選手達に対するインタビューをしたいとお願いしたところ、「私も監督として足らざるを知りたいのでお願いします。後から自分の足りないところを教えて下さい」と快く承諾していただきました。


勤務に誇り


 結果、すべて男性選手達が「監督は選手の気持ちも分かるし、面倒見も良いです。また選手一人一人を観察して選手の特性を引き出すような元立ちにもなってくれます。さらに言えば、スピードは男性選手に勝るものがあります。努力家で『選手第一主義』の監督であり、尊敬しています」と答えてくれました。

 彼女に男性選手達を率いるため苦労はありますか、とインタビューすると「選手達と目的・目標を共有しているので女性だからといって苦労していることはありません」と答えてくれました。私は新村監督に指導者に必要なものを気付かせていただきました。

 こういった拳士達が大勢所属する自衛隊に自分が勤務していることを誇りに思うと同時に感謝の気持ちであふれました。拳士達がより強く、美しく、品格のある自衛隊を創造されることを切に希望し、結びとしたい。

ゴルフに魅せられる

林真輝2尉(33普連本部=久居)

 私は「いつかゴルフやりたいな」と30代の頃から心に抱いていました。しかし、その頃はゴルフに対して魅力を感じず、長い時間がかかりお金もかかる、止まっているボールを打って歩き大した運動にもならない、と思っていました。

 始めるきっかけは2年前、後輩からゴルフコンペの誘いをひんぱんに受けていたタイミングで、ゴルフクラブ一式を譲り受けたことからです。40代になると子供も大きくなり、これといった趣味も無かったため、これを機に始めてみようと思い立ちました。

 ゴルフを始めて2年3カ月程経ちますが、今思うゴルフの魅力は三つあります。一つ目はさまざまな年代、職業、性別を問わず一緒に出来ること。最近では若者の間でもゴルフがはやっていて、初めて話す人とでも半日一緒にいれば仲良くなれます。

 二つ目は、個人競技のため全ての責任は自分にあり、言い訳がきかないため精神面が鍛えられることです。

 ゴルフはミスのスポーツと言われますが、ナイスショットは毎回打てるわけではありません。ミスが大きなミスにならないマネジメントをして、一打一打集中して1ホールごと攻略していきます。

 三つ目は、大自然を独り占めし、お酒を飲み、昼食を食べ、温泉に入って帰る。その一連の流れです。

 今後の目標は、90打を切ることと、まだ実現していない73歳の父親とコースを回ることです。それは父親の夢でもあります。ゴルフと出会えて、本当に心から感謝しています。

【防衛ホーム スポーツ部】

人間ばん馬けん引す

6即連1中隊の2チーム14人、300キロを

 第6即応機動連隊第1中隊の菅原敏弘2曹以下14名は6月30日、置戸町内において開催された馬の代わりに人間がそりを引きその順位を競うイベント「第47回おけと人間ばん馬大会」に出場した。

 本大会はおけと夏祭り実行委員会が主催し、鉄そりに丸太(予選300キロ、決勝500キロ)を積み、高さ1・2メートルの障害が2カ所に設けられた約80メートルの直線コースを全力で引く競技。

 置戸町を災害隊区とする第1中隊から、5人引きの部に「タケシグンダン」、7人引きの部に「タケシグンダン2」の2チームが出場した。

 真夏日の気温32度の中、参加した隊員は暑さに負けず全力でそりを引き切った。両チームとも予選敗退になったものの、「来年も出場し、大会を盛り上げて次こそは優勝を目指したい」と、気持ちを新たに雪辱を果たすことを誓った。

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