自衛隊ニュース

ノーサイド
北原巖男
光
1月16日に、平成最後の「歌会始の儀」が皇居で催されました。
披講された天皇陛下の御製です。
贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に
当日の日本経済新聞夕刊は次のように述べています。
「宮内庁によると、両陛下は05年、阪神大震災から10年の追悼式典に出席した際、震災で姉を亡くした少女からヒマワリの種をもらい、お住まいの御所の庭で毎年育てられてきた。天皇陛下はこのヒマワリが成長する様子を歌にされた」
翌日の17日は、この阪神淡路大震災から24年目を迎えました。少女のお姉さんを含め、6434人もの尊い命が奪われた大震災。犠牲者の皆さんに対する追悼式がしめやかに行われました。
そして19日には、2011年3月11日の東日本大震災の津波で町長さんや28名の職員の皆さんが犠牲になられた岩手県大槌町の旧役場庁舎の取り壊しが始まりました。東日本大震災では、およそ1万9000人の方々が亡くなられたり未だ行方不明のままです。
阪神淡路大震災や東日本大震災発生に際して、地元自治体の皆さんや消防、警察そして自衛隊の皆さんは、強い責任と使命感の下、巻き込まれた人々の命を救うため全力を尽くしてこられました。その中には、自身のご家族が行方不明や犠牲になられた方々もいます。涙をこらえ、任務の完遂に懸命に努められました。
私の心に残っている詩と2つの歌詞の、勝手な抜粋を紹介させてください。
2019年が、大きな地震や津波、台風や豪雨、噴火などの激甚災害に襲われないことをひたすら祈ります。
〇「最後だと分かっていたなら」
だから 今日
あなたの大切な人たちを
しっかりと抱きしめよう
そして その人を愛していること
いつでも
いつまでも 大切な存在だということを
そっと伝えよう
「ごめんね」や「許してね」や
「ありがとう」や「気にしないで」を
伝えるときを持とう
そうすれば
もし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから
(作‥ノーマ コーネット マレック 訳‥佐川 睦 サンクチュアリ出版)
〇「千の風になって」
秋には光になって
畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように
きらめく雪になる
朝は鳥になって
あなたを目覚めさせる
夜は星になって
あなたを見守る
(歌‥秋川雅史 作詞‥新井満(訳詞)作‥新井満)
〇「アンパンマンのマーチ」
時ははやくすぎる
光る星は消える
だから君はいくんだ
ほほえんで
そうだうれしいんだ
生きるよろこび
たとえどんな敵があいてでも
ああアンパンマン
やさしい君は
いけ!みんなの夢まもるため
(歌‥ドリーミング 作詞‥やなせたかし
作曲‥三木たかし)
北原 巖男
(きたはらいわお)
元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事
訓練始め 平成31年
14旅団
第14旅団(旅団長・小和瀬一陸将補=善通寺)は、1月10日、第14飛行隊(隊長・兼子勇一2陸佐=北徳島)による平成31年年初編隊飛行訓練を行った。
本訓練は、1年間の航空機無事故を祈願するとともに、機動旅団化2年目の決意を新たにして旅団全体の団結を促す目的で行った。
寒さが肌をさす10日早朝、旅団長を乗せ善通寺駐屯地を離陸した3機のヘリは、朝日により茜色に染まった瀬戸内海上空を、編隊を組み北徳島分屯地へと向かった。旅団長は、北徳島分屯地上空において、地上に整列した第14飛行隊の隊員に対して、機動旅団内の空中機動力を有する唯一の部隊としての役割の大きさ、航空安全に対する意識の高揚の重要性について訓示を行い、本訓練を終了した。
49普連
第49普通科連隊(連隊長・前野直樹1陸佐=豊川)は、1月7日を平成31年の訓練始めとし、駐屯地から昨年6月に開園した豊川海軍工廠平和公園までの徒歩行進及び同公園における史跡研修を実施した。
研修場所までの徒歩行進は、連隊本部を先頭に3個悌隊に分けて約4kmを前進、研修場所到着後は、グループ毎に平和交流館での海軍工廠の歴史に関する映像資料の視聴をはじめ、戦時中に空襲により破損した建築物(当時のまま保存)、旧火薬庫、旧信管置場、防空壕跡などについて、地元ボランティアの方々の説明を受けて研修を実施し、地域の歴史を学ぶとともに部隊及び個人の訓練意識の高揚、連隊の団結強化を図った。
なお、訓練開始に先立ち前野連隊長は、「新年を迎えるにあたり各隊員は個々の役職・立場を再度認識し、自分が今何をすべきかをよく考え、各隊員がそれぞれの目標に向かって邁進し、連隊・中隊それぞれの目標達成を図っていこう。今年は防御訓練の完成を図った上で連隊訓練検閲を受閲する。このため、『訓練検閲での任務完遂』が連隊最大の目標となる。また、3月には創隊15周年の節目を迎え諸行事も予定されている。今年も連隊一丸となって頑張ろう」と力強く隊員を鼓舞し、49連隊は平成31年のスタートを切った。
岩見沢
岩見沢駐屯地(司令・末継智久1陸佐)は1月7日、岩見沢駐屯地及び隣接する孫別演習場において平成31年訓練始めを実施した。
本訓練は駐屯各部隊(第12施設群、第101施設直接支援大隊第2直接支援中隊、岩見沢駐屯地業務隊、第345会計隊岩見沢派遣隊、第314基地通信中隊岩見沢派遣隊及び第120地区警務隊岩見沢連絡班)が合同で実施し、スキー機動にて約2・8kmのコースを行進した。行進を終えた隊員は皆清々しい表情で、新たな1年の始まりを体感していた。
訓練開始式終了後には、業務隊によって調理されたあつあつの豚汁が振る舞われ、行進を終えた隊員は舌鼓を打った。
本訓練始めを通し群及び駐屯各部隊は、部隊の団結・士気を高揚させ新たな1年を駆け抜ける為の絶好のスタートを切る事が出来た。
3特隊
1月10日、第3特科隊(第3特科隊長兼駐屯地司令・堀川佳紀1陸佐=姫路)は、駐屯地にて年頭行事を実施した。
堀川隊長は、年頭の辞において「隊最大の目標は、師団特科隊検閲及び実射練度点検において昨年度以上の評価を獲得することである。今一度、組織における自らの役割を自覚し、自己及び組織の役割を高めるとともに、努力を惜しむことなく、全身全霊を持って任務完遂に期す」と訓示を述べた。
続いて各中隊の装備品に対し、御神酒による1年間の安全祈願を実施するとともに、155mm榴弾砲(FH70)及び89式5・56mm小銃による空包射撃訓練を実施し、弾薬の使用により、緊張感を持ち、新年に向け気の引き締めを行った。年頭行事の最後には、堀川隊長を先頭に隊全隊員による「統制走」を行い、大きな掛け声のもと、気概の醸成を図った。
隊は、装備品及び隊員の能力を継続して発揮できるよう不撓不屈の精神と気力の充実に励むとともに、大規模災害等の各種事態を想定し国民の負託に応えられるよう、任務完遂に向け妥協なき決意を新たにした。
高工校
1月9日に陸上自衛隊高等工科学校(学校長・堀江祐一陸将補=武山)は、生徒会活動として平成31年書き初め大会を実施した。日本の伝統を継承しつつ情操の涵養を図ることを目的に、昭和50年から毎年実施して、今回で45回目になる。
今年の課題は、生徒会実行委員が計画し校風を題材として、第1学年が「明朗濶達」、第2学年が「質実剛健」、第3学年が「科学精神」を書き上げた。
開会式において、生徒会長の奥田生徒は「年始めの書となるので、1年間頑張ることをイメージして書いて欲しい」と述べた。生徒達は、教場において半切を前に心を落ち着かせながら、丁寧に作品を書き上げていた。閉会式に先立ち、全校生徒が各自の作品を掲げて記念撮影が行われ、年頭に当たって生徒一人ひとりの思いが込められた書が一堂に会した。