自衛隊ニュース

ゲッキーのイラスト

航空自衛隊5個音楽隊

リモート演奏

 航空自衛隊は「離れていても音楽で繋がる想い」をテーマに、5個音楽隊によるリモート演奏をYoutubeで公開している。北部航空音楽隊・中部航空音楽隊・西部航空音楽隊・南西航空音楽隊そして航空中央音楽隊は、現在新型コロナウイルス感染症の影響のため予定されていたコンサートなどが中止になっているため、航空自衛隊音楽隊の音楽を楽しんでもらおうと全音楽隊によるリモート演奏を行った。

 ブルーインパルスが地上を滑走する映像と共に「空の精鋭」の演奏が始まる。各音楽隊の部隊でのリモート演奏の様子では、背景にも注目。後方活動を大切にしている自衛隊らしさも出ている。その他演奏会の様子やブルーインパルスの飛行展示も観られる3分57秒。5人の音楽隊長のリモートとは思えない最後のシーンは「さすが!」である、これは観てのお楽しみ。久しぶりに聴くフルの「空の精鋭」に心が踊り「やっぱり、音楽はいいなと」思わされる。

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大正のスペイン風邪と旧陸海軍

<防衛研究所 史料閲覧室>

 東京都新宿区市ヶ谷にある防衛省は、A棟からF棟まである。ご推察通り、F棟は最後に出来た建物で、平成12年に檜町から移転してきた防衛庁(当時)よりずっと後、平成28年に目黒から移転してきた防衛研究所が使用するために作られた。防衛省左内門に近く「2位じゃダメなんですか」で有名な平成21年の事業仕分けを行なった国立印刷局市ヶ谷センターの跡地である。そして、防衛研究所の戦史研究センター史料閲覧室を使用する部外の方のために「加賀門」が新設され、年間約2300人が来館している。

 戦史研究センター史料閲覧室は、陸海軍関連史料約10万冊、戦史関連図書約6万6000冊を所蔵。これを一般に公開し、史料に関する問い合わせや相談は年間約1350件を数える。最近は、ご遺族の方の来館も増えているという。

 中核的な史料として、陸海軍省により作成及び編綴された陸軍省大日記(陸軍省が編輯した、明治元年から昭和17年までの公文書)及び海軍省公文備考(海軍省が編輯した、明治9年から昭和12年までの公文書)の2種類がある。この他、陸海軍の各種命令文書、部隊日誌、戦闘詳報などの史料も所蔵している。これらの史料は、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦など日本が関わった戦争を網羅しているため、国内外の研究者が訪れる。史料の一部は、防衛研究所及び国立公文書館アジア歴史資料センターのホームページから閲覧することも出来る。

 7月22日までは、「大正のスペイン風邪と旧陸軍-新型コロナウィルス感染症への防衛省自衛隊の取り組み-と題し史料閲覧室奥の史料展示室で史料等の展示を行っている。陸軍関連所蔵史料として、大正10年頃の陸軍軍医学校防疫部での予防接種液の分注写真や「陸軍伝染病予防規則ニ定ムル以外ノ伝染病ニ対シ予防接種ノ件」とした大正8年12月から予防接種施行の陸軍省令を設け逐次予防接種に着手した時の史料なども展示されている。また、昭和4年に陸軍大臣が定めた「軍隊衛生学」の中には流行性感冒が記されており、予防として「口覆(マスク)を用い、含嗽(がんそう<うがいのこと>)を励行し、交通を制限し時々食器を煮沸し室内の掃除に注意すべし」とあり、興味深い史料が並べられている。

 是非足を運んで見て頂きたい。

 現在は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、事前予約制となっている。史料閲覧室は4人で使用するテーブルも1人での使用となっているので、詳細はHPをご確認頂きたい。


開館時間等

(1) 開館時間 平日9時から16時30分まで(令和2年2月より、月1回土曜日を開館)※現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、事前予約制としております。詳細はHPでご確認ください。

(2) 休館日 土曜日・日曜・祝日、年末年始、月1回土曜日開館日の翌々日月曜、その他

(3) 連絡先 03-3260-7102(直通) ※所蔵史料についての質問・相談も「相談係」へ

 ホームページ

(1) 史料閲覧室HP http://www.nids.mod.go.jp/military_archives/index.html

(2) コロナ関係情報発信(史料室関連のみ)

・展示「大正のスペイン風邪と旧陸海軍-新型コロナウイルス感染症への防衛省自衛隊の取組-」 http://www.nids.mod.go.jp/military_archives/index.html・戦史秘話第5話「大正のスペイン風邪パンデミックと帝国陸軍」

http://www.nids.mod.go.jp/publication/secret_story/pdf/2020/secret_202004.pdf

同期の絆を大切に

一般陸曹候補生課程 自衛官候補生課程 修了式

東北方面特科連隊

 東北方面特科連隊(連隊長・横田紀子1陸佐=岩手)は6月19日、4月に入隊し、厳しい訓練を積み重ねてきた自衛官候補生への教育が修了したことに伴い、「令和2年度自衛官候補生修了式」を挙行した。

 式は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため規模を縮小して執り行い、駐屯地各部隊長が候補生を温かく見守るなか、成績優秀者に贈られる連隊長褒賞を大坪航生(おおつぼこうき)候補生(滝沢市)が受賞した。

 連隊長は式辞において「入隊式に参加した27名が一人も欠けることなく修了式を迎えることができ、大変嬉しく思う。数日後には2等陸士に任命され、陸上自衛官としての道を歩むことになる。同期の仲間と励まし合い、お互いを良きライバルとして磨き合いながら、様々な困難を共に乗り越え、成長してきたものと確信している。厳しかった自衛官候補生課程教育をやり遂げた自信と、陸上自衛官となった誇りを胸に、新たな仲間と共に切磋琢磨し、班長・班付のような逞しい自衛官を目指して更に努力を積み重ねてもらいたい。我々の努力に終わりはない。それぞれが置かれた立場、置かれた場所で常に最大の努力を積み重ねていこう」とお祝いと激励の言葉を贈った。

 入隊当初は小さなつぼみであった27名の自衛官候補生は、課程教育で身に着けた自衛官としての資質、厳しい教育を乗り越えた自信と同期との絆を胸に、新たに配置された部隊において専門的な技能を修得し、将来、大輪の花を咲かせることだろう。


第2普通科連隊

 第2普通科連隊(連隊長・古賀理都靖1陸佐=高田)は6月27日、高田駐屯地において令和2年度自衛官候補生課程修了行事を挙行した。

 本行事は新型コロナウイルス感染防止による都道府県をまたぐ移動自粛要請が6月19日、全面解除されたことに伴い、自候生の家族62人を招待して行った。

 行事は感染防止のため人員を100人以下とし、2回に分けて修了式及び会食を実施した。また参加家族は入門時の検温、各施設入場時の消毒、修了式では自候生、隊員及び各家族の間隔を2メートル以上離し、さらに会食場では飛沫感染を防ぐため、テーブル中央にビニール幕を設置し、感染防止を徹底した。

 着隊した当初、自衛隊の生活に不安を抱いていた自候生55人は立派に成長し、凛とした姿を家族に披露した。式辞において連隊長は「高田の地で培った同期の絆と感謝の気持ちを忘れることなく、さらなる情熱を燃やし、国民の期待と信頼に応えられる立派な自衛官に成長し、それぞれの部隊で活躍することを祈念する」と述べ、55人の成長と新たな門出を祝った。その後の会食で自候生は、久しぶりに会う両親と笑顔で思い出話をし、会食終了時には最先任上級曹長が、声は小さく動作は大きく万歳三唱を行い、本行事を締めくくった。

 本行事に参加した家族からは「息子の立派な姿に感動しました。涙が出そうです」や「コロナが心配でしたが、修了式に参加することができて感謝です」などの声が聞こえた。

 55人の自衛官候補生は6月29日及び7月1日付で晴れて2等陸士に任命され、東方及び北方管内のそれぞれの部隊に配置となり、特技教育を受けることとなる。


中部方面混成団

 中部方面混成団(団長・芝伸彦1陸佐)は6月23日に松山駐屯地、6月27日に大久保駐屯地、6月29日に大津駐屯地(豊川駐屯地所在隊員との合同開催)において、第15期一般陸曹候補生(男子約720名、女子約30名)、自衛官候補生女子約270名の修了式を実施した。

 自衛官候補生(女子)の修了式で新隊員の前に立つ各中隊長に対し「自信を持って隊員を後期教育に送り出せるか」と問いかけた混成団長は、「大丈夫です」との中隊長の応えに頷くと新隊員に向い、「教育修了おめでとう、皆見間違えるように逞しくなったな。自分では気づかないだろうから教えてあげよう。では目をつむれ」と指示し、こう続けた。

 「桜の花の咲く季節に君達は自衛隊の門をくぐった。最初は慣れない団体生活や時間に追われる日々に不安で胸がいっぱいだったと思う。厳しい訓練も続き、時には自衛隊を辞めようと考えた人もいるかも知れない。そんな中で常に君達に目標を示し、優しく、時には厳しく指導してくれた区隊長、区隊付、そして朝起きてから消灯まで、休みの日にもどんな時にも君達に寄り添い、暖かく導いてくれた班長、その人達の思いがしっかりと皆の心に刻まれて残っているはずだ。そして、もう一つ、よし、目を開けろ。今、皆の周りにいる仲間達、かけがえのない同期の絆が出来たんじゃないのか。この2つの大切な宝物を胸に後期教育に胸を張って臨んでもらいたい。班長、区隊長、区隊付を目標に将来に力強く一歩を踏み出して貰いたい。そしていつの日か、君達が新隊員を教育する立場に立った時、思う存分彼らに愛情を注いで貰いたい。それがお世話になった中隊長、区隊長、区隊付、班長への恩返しだ。後期教育での健闘を祈る。頑張れ」と訓示した。


第19普通科連隊

 19普通科連隊(連隊長・今村英二郎1陸佐=福岡)は6月27日、福岡駐屯地体育館において、令和2年度一般陸曹候補生課程教育修了式を挙行した。

 本行事は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、保護者や来賓は参加せず規模を縮小して行われ、一般陸曹候補生85名が、約3カ月間の教育を終え、晴れて修了式を迎えた。

 連隊長は式辞で、一般陸曹候補生の更なる飛躍を祈念して、「教え子が区隊長、班長、班付を超えるのは義務であり礼儀である」「人生に無駄なことは一つもない」「絆を大切にせよ」と3つの餞の言葉を贈るとともに教育を担当した教育隊長久保2佐以下の教育隊及び教育の全貌を部内外に発信したツイッター担当者の労をねぎらった。

 また、一般陸曹候補生は溌溂颯爽とした態度で臨み、混成団長表彰を受賞した阿比留2陸士の統制のもと、声高らかに申告をして、自衛官としての新たな第一歩を踏み出した。

 修了所感において、第1空挺団(習志野駐屯地)で後期教育を受けることとなった垂水2陸士は「どんなに辛いことがあっても逃げずに、成長した姿を両親やお世話になった方々にみせられるよう頑張ります」と抱負を掲げた。


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