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自衛隊ニュース   1067号 (2022年1月15日発行)
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読史随感
神田淳
<第93回>

日本の直面する課題

 新年になって、日本が直面している最重要課題は何であるか、改めて考えた。日本は民主主義の国であるから、政治指導者でもない一国民である自分がこうしたことを考え、発言するのは無意味でないと信じたい。
 現代の日本の最大の問題は国の安全保障だと思う。日本は国の独立不羈が脅かされている状態にある。中国が強大化し、覇権国家化し、日本を脅かしている。日本の沖縄県の尖閣諸島を中国の領土だと主張し、主権と海洋権益を断固守る、と言う。尖閣を軍事力で日本から奪う作戦を公然と論じている。中国海警局艦隊の尖閣海域への侵入回数を年々増やし、日本漁船の活動をできなくしている。こうした実績を重ねて、尖閣諸島の実効支配が中国にあると宣言し、武力行使の正当性を国際的にアピールするのではないか。
 習近平の中国は欧米流民主主義を完全に否定した。中国共産党による独裁的支配を「中国の特色ある社会主義」と言い、これを最上とする。すべて共産党が国家と国民を指導する。国民に政治的な自由はない。こうした中国が驚異的に経済成長し、軍事力を強大化して、世界秩序を変えようとしている。
 日本を含む西側諸国と中国との対立は、価値観の対立である。自由、民主主義、法の支配、人権といった価値観を中国は持たない。日本は立派な自由、民主主義、法の支配する国である。独立した主権国家として、決して中国の属国のようになってはならない。そのために、日本の安全保障体制を強化する。憲法を改正し、自衛隊を国軍とし、必要な軍事力の増強を行う。日米同盟を強力に維持するが、その前提として国民一人ひとりが、国の独立は自分たちで守るという当たり前の自覚が必要である。
 安全保障と同じくらい大きな日本の直面する問題は、日本の長期にわたる、経済と国力の衰退である。平成以降30年、日本は全く経済成長していない。他の先進国は年2〜3%といった普通の成長をしているが、日本だけが成長を停止した国になってしまった。世界の先進国の人々の実質賃金は、それぞれの国1997年の賃金指数を100とすると、2018年にはアメリカは115・3に増加、イギリスは126・8に増加、ドイツ118・8、フランス127・7、スウェーデン138・9と順調に増加しているが、日本人の実質賃金だけが2018年90・1と減少している。これは日本が経済成長していないことから帰結する端的な数値である。
 日本だけが貧困化しているのである。そして、貧困化に歯止めがかかっていない。かつての一流の経済強国としての国際社会における存在感は、今の日本にはない。経済力の凋落が、世界における日本の地位を低下させている。
 日本はなぜ経済成長しない国になったのか。原因は総合的なものだろう。よく働くこと、経営が良いこと、イノベーション力があること、技術革新に遅れないこと、国の諸制度が良く、不効率を招く不合理な規制がないこと、その結果生産性が高いこと、若者が力をもっていること、資源とエネルギーに不足していないこと、世界的な競争に負けないこと。こういったことの集積が経済力となって現れてくる。
 経済大国を達成した昭和時代の代表的な経済人である松下幸之助氏の経営哲学、そしてご存命の稲盛和夫氏のすばらしい経営哲学は、なお現代の苦境を打開する力をもっていると私は思う。
(令和4年1月15日)

神田 淳(かんだすなお)
 元高知工科大学客員教授。著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』(https://utsukushii-nihon.themedia.jp/)などがある。


トライアングルコンサート2021
官公庁4個音楽隊が共演
<西部方面音楽隊>
 西部方面音楽隊(隊長・志賀亨2陸佐=健軍)は、12月18日、火の君文化ホール(熊本市)で開催された「トライアングルコンサート2021」に参加した=写真=。
 このコンサートは、熊本県に所在する、熊本市消防音楽隊、熊本県警察音楽隊、西部方面音楽隊及び第8音楽隊の4個の官公庁音楽隊が、単独演奏や合同演奏に加え、熊本県警音楽隊カラーガードによる演技やそれぞれの音楽隊の持ち味を活かした演出力を発揮し、ポップスや歌謡曲、行進曲など幅広いジャンルにとんだプログラムで観客を魅了した。本コンサートは、平成29年10月に第1回が開催されて以来、平成30年〜31年と毎年開催されていたが、令和2年はコロナ禍で中止となり、約1年半ぶりの開催となった。久しぶりのコンサートには、約350名の一般来場者が参加し、入場整理券は数日で配布が完了されたと聞く。
 西部方面音楽隊長の志賀2陸佐は、「引き続き、コロナに負けず演奏を披露していきたい」と思いを語った。

座間駐屯地曹友会が門松を作成
駐屯地と在日米陸軍の成功と発展を祈念
 座間駐屯地曹友会(会長・江口一武1陸曹)は、12月9日、毎年恒例の門松を作成し、駐屯地年末行事の一環として、庁舎(第4施設群本部や陸上総隊司令部日米共同部等が所在)の入り口に設置した。
 行事には、第4施設群長兼ねて座間駐屯地司令(小野一也1陸佐)、第4施設群兼ねて座間駐屯地最先任上級曹長(千葉大介准陸尉)、座間駐屯地業務隊長(平野善之1陸佐)、同先任上級曹長(石渡正紀陸曹長)、そして米軍からは在日米陸軍基地管理本部司令官(クリストファーL・トムリンソン大佐)、同最先任上級曹長(ジャスティン E・ターナー上級曹長)を招待して、最終的な飾り付けをして頂き、駐屯地と合わせて在日米陸軍の来年の成功と発展を祈念した。
 この飾り付けは、当初曹友会長と同事務局長(千葉周一2陸曹)が日本語と英語の両方で門松の由来等について説明した後、日米の指揮官と最先任上級曹長等に南天や梅、若松を飾り付けてもらい完成した。門松は1月初旬まで同場所に設置される。
 曹友会による門松の作成は、日本の伝統の継承と、隊員相互の融和団結を目的として毎年行われており、また作成後は駐屯地年末行事にも使用されるだけでなく、米軍に対する日本文化の紹介と日米交流の促進にも貢献している。
 座間駐屯地は、引き続き様々な交流を通じ駐屯地一丸となって日米の連携を強化していく。

あるべき4つの姿を揮毫しお披露目
<防衛医科大学校>
 防衛医科大学校(埼玉県所沢市)はこのほど、「防衛医科大学校学生のあるべき姿」を具現した四つの言葉(文字)を揮毫した書のお披露目を同校で行った=写真=。
 防医大生のあるべき姿について、単に医療・看護の知識、技術を身に付けるだけでなく、幹部自衛官たる医師、保健師、看護師、防医大病院を支える保健師、看護師、具体的には人格・見識ともに優れた有能な総合臨床医たる医官、看護のスペシャリストたる看護官・技官としている。
 それを「仁」(思いやりにあふれた防医大生=心の修養)、「尽」(他人に誠心誠意尽くし得る防医大生=知識・技能の習得)、「靭」(しなやかで逞しい防医大生=体力・気力の充実)、「芯」(リーダーとしてチームの核心たり得る防医大生=地位・役割の自覚)の言葉に表した。「芯」を核心とし「仁」「尽」「靭」の調和を目指す。
 四つの言葉は福森秀樹学生部長(当時)が発案し、書道部に在籍する医学科5年生の女子学生が揮毫した。お披露目は福森部長をはじめ同校職員約20人が立ち会って実施。力強く書かれた四つの言葉は、医学科学生舎など校内の3カ所に掲示され、学生たちを奮起させている。

雪月花
 例年喪中はがきを何通かいただくが今年は特別な友人の訃報に悲しい思いをした。大学時代からの友人で検事を40年務めたO君。京王線の同じ駅に下宿をしていたので田舎から送ってくる物をお互いに持ち寄ったり泊まったりしたこともあった。彼は仕事柄転勤が多く、小倉、新潟、福岡、横浜、対馬などの赴任先から自分で描いた風景画を送ってくれた。4年前になるだろうか、陸上自衛隊相浦駐屯地の記念行事で筆者が取材に行ったとき佐世保で悠々自適の彼に会った。元気そのもので「隠居は早いんではないか」とひやかすほど元気だった。帰り際に二人で手を握りあってこれでもう会えないかもしれないねとハグもした、それが現実になってしまった。もう一人、高知の友人J君。地方では珍しいボクシングジムのオーナーだった。ボクシング人口が少なくマッチが組みにくい不利な地方の状況を克服して40年臥薪嘗胆、遂に全日本新人王を輩出した。それからひと月後の訃報となった。一区切りの成果を出したことに安堵したのだろうか。続いて同ジムは先月、プロテストに一度に4人が揃って合格するという快挙も成し遂げた。J君の蒔いた種が花開いて来たのだ。全日本選手権のベルトも世界チャンピオンのベルトも後継の2代目オーナーや選手たちが必ずや霊前に供えることだろう。毎年毎年増えてくる訃報はがきに対して新年の賀状は大きく減少、筆者も多い時には200枚前後のやり取りがあったが昨年は70枚しか購入していない。日本郵便によれば最盛期の2003年には約45億枚が発行されていた年賀はがきも今年は約18億枚の発行にとどまっているそうだ、家族構成の変化もあるだろうがラインやネットで手っ取り早く交流できるようになったのが大きな流れかもしれない。今年はこんな悲しい葉書はできるだけ無縁であってほしいものだ、82歳の自分を含めて。

開隊50周年記念行事
<第61航空隊>
 12月4日、冬晴れのなか、海上自衛隊厚木航空基地において第61航空隊開隊50周年記念行事が実施され、61空隊員約60名及び隊員家族約110名が参加した。
 61空は1971年12月20日に、YS-11M3機、R-4D2機、S2F-U2機で新編された。現在の保有機であるLC-90は1989年7月26日に、C-130Rは2014年11月14日にそれぞれ装備された。
 第28代司令の増田淳1海佐は、隊員家族が見守る中、総員集合の隊員に向け「部隊の歴史に思いを馳せ、家族の支えに感謝し、覚悟も新たに任務へ邁進すること」を力強く訓示した。神奈川地方協力本部、横須賀音楽隊、第4航空群、第4整備補給隊、厚木航空基地隊の支援を得ながらの記念行事は、コロナ禍の影響を受けながらも感染対策を充分に講じ、参加者の笑顔かあふれる家庭的な雰囲気で進められた。

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