防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1054号 (2021年7月1日発行)
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ノーサイド
北原巖男
一致団結

 人類が新型コロナウイルス感染症と戦っている中で、7月23日、東京2020オリンピックが開会式を迎えます。感染拡大を避けるため1年間延期したオリンピック。
 6月11日から13日にかけて英国・コーンウォールで開催されたG7コーンウォール・サミットに出席した菅総理は、「G7各国の首脳に対し、安全・安心な東京大会の開催に向けて、万全な感染対策を講じ、準備を進め、世界のトップ選手が、最高の競技を繰り広げることを期待し、各国に強力な選手団を派遣して欲しいと呼びかけました。」(外務省HP G7コーンウォール・サミット(概要)6月13日付けより)
 そして、サミット最終日の13日に発表された「G7カービスベイ首脳コミュニケ」の最後には、「新型コロナウイルスに打ち勝つ世界の団結の象徴として、安全・安心な形で2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催することに対する我々の支持を改めて表明する」との一文が明記されています。
 オリンピックの主催者自体はIOCであるにせよ、日本は開催地として、日本国民のみならず来日する選手・オリンピック関係者等を含む全ての人々を、オリンピック開催を由来とする感染拡大から守る国際的責任があります。
 これまでさまざまな論議や懸念等が投げかけられて来た経緯のある開催決定は、日本がこの責任を果たすことが出来る確信、明確な根拠に基づく確信があることを内外に宣明したことにほかなりません。
 開催が決まった以上、責任を政府・組織委員会等だけに任せているわけにはいきません。
 東京オリンピックは、正に日本の威信をかけた国家的な一大スポーツの祭典。変異種拡散も続く中、人流増は必至。しかし、何としても成功させなければなりません。
 私たちは、あらゆる場面において、一層主体的に新型コロナウイルスの感染防止に取り組んで行く必要があります。私たち国民一人ひとりが、G7サミットで菅総理が表明した国際的責任を果たす責任を負っていることを忘れてはなりません。今回の東京オリンピックの成否如何は、ひとえに私たち日本国民の一致団結・感染防止行動にかかっていると言っても過言ではありません。
 また、政府が鳴り物入りで推奨して来たホストタウン構想。全国で528もの自治体が、ご縁のある国や地域のホストタウンとして、そのオリンピックチームの事前合宿等を受け入れ、市民と積極的な交流を図る等の準備をして来ました。しかし、コロナ禍のため、今や多くの自治体が、受け入れを取り止めるに至っています。真にやむを得ない決断です。
 同時にこうした中にあって、引き続きホストタウンとしてオリンピックチームを受け入れてくださる自治体の皆さんの厚意と覚悟、そして感染防止のための懸命な努力と多大な負担に思いを馳せ、寄り添い・応援して行こうではありませんか。隊員・家族の皆さん、本紙読者の皆さんには、それぞれに関係のある、あるいは身近なホストタウンを応援して行ってください。
 ホストタウン滞在中、オリンピックチームは感染防止のため厳しい行動制限を強いられます。しかし、実りの多い事前合宿と地元の皆さんとの温かい思い出や応援を力に、万全のコンディションで本戦に臨めることを願って止みません。
 なお、NHKが「世界を応援しよう!」(https://sports.nhk.or.jp)という大変興味深いプロジェクトを立ち上げています。「応援は、その国・地域の人ならだれもが知っている言葉であり、リズムであり、心。今こそ、200を超える国と地域の人々が、互いにエールを送りあったなら、世界はもっと近くなる。世界はきっとひとつになれる」として、それぞれの言葉で、約2分間の応援メッセージのビデオを作成しています。出演者は、その国・地域の出身で日本に在住している皆さん。是非、ご覧になってください。
 筆者が関係している東ティモールは、防衛大学校等に留学している若者が、東ティモールの伝統織物「タイス」姿で、とても明るく元気に応援しています。ちなみに、東ティモールのホストタウンは、長野県伊那市。白鳥 孝市長を先頭に、在東ティモール日本大使館、駐日東ティモール大使館の皆さんの協力を得ながら、陸上選手男子1名(5000m/10000m走)、水泳選手男女各1名(いずれも50m自由形)を含むオリンピックチームの受け入れ準備は大詰めを迎えています。また東ティモールから一時帰国した機会を活かし、事前合宿の期間を通じて同国の公用語であるテトゥン語通訳のボランティアを買って出てくれている方もいます。
 さまざまな皆さんの、さまざまな形での一致団結があります。

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


海上自衛隊初の試み!事務官募集・ワークライフバランスの動画を公開
 海上幕僚監部人事教育部人事計画課及び補任課は4月28日、海上自衛隊公式YouTubeチャンネル等で「防衛事務官等募集採用情報」(15本)と「海上自衛隊のワークライフバランス」(6本)についての紹介動画を公開した。
 今回制作した動画は、現役隊員へのインタビューを中心に、さまざまな環境下で海上自衛隊として活躍する事務官等に着目した内容となっている。事務官等に着目した動画やワークライフバランスについての動画制作は海上自衛隊初の試みである。
 海上自衛隊の諸活動を行政分野で支える事務官等(事務官・技官・教官)にスポットを当てた「防衛事務官等募集採用情報」の動画では、海上自衛隊での勤務に興味・関心・理解を持ってもらうことを目的に制作され、勤務風景を「総務」「艦船」「語学職」など14の職種別に紹介。自衛官ではなく事務官として働くことも職業選択の一つであることをアピールしている。
 一方、「海上自衛隊のワークライフバランス」の動画は、女性アナウンサーの土井梨津子さんをナビゲーターに起用し、妊娠、出産、育児、介護など、さまざまな両立支援制度について解説。海上自衛隊では個々の事情に応じ多様な働き方が選択でき、隊員の能力を十分に発揮しながら安心して勤務できる環境が整備されていることを紹介している。人事計画課及び補任課は、「この動画を積極的に活用し、海上自衛隊の魅力を部内外に伝えていきたい」としている。

第14護衛隊 海上保安学校を研修「正義・仁愛」の源を学ぶ
 5月、舞鶴を母基地とする第14護衛隊(司令・目賀田瑞彦1海佐)は、同じく舞鶴に所在する海上保安学校(学校長・江口圭三1等海上保安監)の研修を実施し、活発な意見交換を実施した。(新型コロナ感染防止対策のため、参加者はマスクを着用、ソーシャルディスタンスを保ち実施した)
 本年度当隊司令部は、舞鶴に海上保安庁の施設が所在するという地の利を活かし、今後ますます連携が必要となるであろう海上保安庁を「学ぶ」という方針のもと、海上保安学校を訪れた。
 研修では事務部長(木原洋2等海上保安監)から、海上保安学校全般に関する説明があり、入校中の生活、教育体系、卒業後のキャリアパス等に関する説明があり、各施設を見学した。海を職場としていることで、海上自衛隊と似通っている分野(カッター競技や集団生活)も多くあり、活発な意見交換がなされた。
 特に学生の職務理解について「入学前はもとより、学生となった後も職務内容が深く理解できるよう、担当教官を通じてきめ細やかな指導教育をしている」という言葉に学生教育への熱い思いを感じた。
 また教育訓練部長(谷清仁2等海上保安監)は、「学生には "誠実" であれ。『正義、仁愛』の精神を持って勤務に励むように伝えている」と力強く語った。
 組織は違っても、大切な後進を育成しようとする熱い気持ちや教育の方法に創意工夫する姿勢は、海上自衛隊と相通じるものがあり、今夏新入隊員を艦に迎える第14護衛隊としても、学ぶべきことが多々ある大変有益な研修となった。
 今後も、当隊としては"海の団結"を強化するため、海上保安庁との相互理解を深めるとともに、積極的に交流機会や共同訓練の機会を作為し、連携を図っていきたい。

五十嵐酒造と入間基地がコラボ
ラベルは基地司令直筆!
 入間基地では、埼玉県飯能市の「五十嵐酒造」とコラボし、新しいお土産品として、基地オリジナルラベルの日本酒を作成しました。
 この日本酒は、本数限定で五十嵐酒造の銘酒「天覧山」の原酒を直汲み(じかぐみ)した蔵人の自信作です。特徴は、発泡性のあるフレッシュな味で女性も飲みやすく、蔵人が試行錯誤を続け毎年「進化」している日本酒です。五十嵐酒造5代目・五十嵐正則氏の日本酒へのこだわりと、埼玉県出身の入間基地司令・津曲明一空将補の情熱と埼玉愛を直筆のラベルを通して入魂した50本の限定の商品です。
 このため、令和3年4月1日から予約を開始したところ、わずか4日間で完売となりました。今後も定期的に限定酒の販売を企画していく予定ですので次回の販売を楽しみにして下さい。

第3航空団「新生検査隊」綱引き大会で団結を強化
 北空絆の日となった4月23日、第3航空団検査隊は、隊の融和団結そして体力向上を目的として、綱引き大会を実施した。
 今年度から、3空団はライン&ドックの新体制を開始しており、飛行群と整補群に配置されている航空機整備員(APG)を、検査隊員として検査隊長が一元的に管理している。今回は、その隊員(100名超!)が一堂に会する行事となった。
 大会は7チーム編成のトーナメントで、1試合3本勝負で行った。非常に白熱した戦いとなり、決勝戦では、岡野3空尉率いるFチーム(半数が岩手出身者)が、地面が滑りやすい場所の不利を物ともしないパワーを発揮して大勝利を収め、優勝の栄冠を手にした。
 新生検査隊としての初めての行事により、隊の団結強化に向けて一歩前進する一日となった。
 ※大会開催にあたっては、事前の検温、試合中のマスク及び革手着用、事後の手洗いうがい等、新型コロナ感染予防対策を徹底した。

き章を公表
宇宙作戦隊
宇宙を監視する衛星の軌道をイメージ
 航空自衛隊は、宇宙作戦隊の職務内容を表す、き章を公表した。
 去年5月に立ち上がった航空自衛隊の宇宙作戦隊は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)やアメリカ宇宙軍と協力し、スペースデブリと呼ばれる宇宙ゴミや不審な人工衛星を監視する任務にあたっている。
 き章は左胸につける、自衛隊の職務内容や、資格を表すバッジで、6月10日に公表された宇宙作戦隊のものは地球と星の周りに、宇宙を監視する衛星の軌道をイメージしている。このき章は職務に従事する隊員が考えたとのことで、今年度末にも宇宙作戦隊が宇宙作戦群に移行するタイミングで実用化する予定だ。

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