防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1049号 (2021年4月15日発行)
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雪月花
 帝国ホテルには「100-1=0」と言うサービスの教訓方程式があるそうだ。ドアボーイがお客を迎え入れてそれぞれの持ち場が対応し最後にはまたドアボーイが送り出すが、そのうち一つでもミスがあれば他でどんなに素晴らしいサービスをしても全てが台無しになってしまう。だから一つでもマイナスがあれば答えは99ではなく0だということらしい。何十年も前に帝国ホテルでの会食に出席したことがある。テーブルの隣の方と名刺交換をしたらなんとこのホテルの料理長の村上信夫さんだった、お客さんとして出席されていた。アルコールも入りお互いに饒舌になったテーブルの人たちとの会話も弾んだ。何日か前に行った事があるという人が「ここのバイキング料理は素晴らしいですよね」と村上さんに振ると、当時の社長だった犬丸徹三さんが旅先のデンマークで日本にはない食事のスタイルに出会い、この研究と商業化をたまたまパリのホテルで修業中だった村上さんに指示した。「日本にバイキング料理とこの名前を持ち込んだのは帝国ホテルです」。試行錯誤の開発当時のことを楽しく話してくれた。村上さんは自慢する気持ちは少しも出さず淡々と笑いを入れる話術だった。話の途中にはボーイさんがひっきりなしに料理を運んで来るが村上さんは彼らには何も指示を出さなかったし、また彼らも村上さんに媚びる態度は見せなかった。両方の呼吸が合っており実に爽やかだった。馴れ馴れしい態度でお客さんに嫌な思いをさせまいとの気持ちだったようだ。「100-1=0」と同じ意味の標語も山歩きをしていたころによく見かけた、火の用心の「育つは百年、燃えるは一瞬」。それといつの頃からか頭の中に残っている「釈迦(百日)の説法屁一つ」。一人の不祥事で何十万人もが0点に見られることのある組織に属する者としては常に意識したい。(犬丸さんがヒントを得たのは外国映画で海賊たちが食べていた料理のシーンを見たからだという話しもあります。) 
(本紙 所谷 尚武)

YS-11運用修了式
<飛行点検隊>
 3月26日、埼玉県所在入間基地に於いて、「YS-11FC退役に伴う機種更新記念式典」が行われた。
 これは、飛行点検隊(司令・新崎秀樹1空佐)の任務をU-680Aに引き継ぐことを記念する式典であり、参加者は航空支援集団司令官の金古真一空将を始めとする来賓及び飛行点検隊全隊員であった。また、航空中央音楽隊の森田3曹が国歌斉唱を行った。
 飛行点検隊にはこれまで3機のYS-11FCが配備されていたが、3月17日にラストフライトを終えた52-1151号機(総飛行時間‥約29・500h)が最後のYS-11FCだった。その前には12-1160号機(総飛行時間‥約26・500h)が2019年10月8日に、62-1154号機(総飛行時間‥約24・600h)が2013年4月15日にラストフライトを終えていた。
 これからは、U-125と今年1月に3機揃ったU-680Aによって防衛省自衛隊唯一の飛行点検任務(航空保安無線施設等の運航状況の飛行点検に関する業務)が行われることになる。
 ※ 航空保安無線施設等とは…電波又は灯火により航空機の航行を援助するための施設

ワーク・エンゲイジメント
健康で活き活きと働くために
<航空幕僚監部講演会開催>
 4月2日、防衛省A棟2階講堂で、「ワーク・エンゲイジメント‥健康で活き活きと働くために」として空幕主催の講演会が開催された。
 対象は、衛生に関わる将補・1佐等の高級幹部であり、市ヶ谷のみならず十条・入間・横田からも参加していたが、コロナ禍ということもあり会場に足を運んだのは、井筒俊司空幕長を始め50名ほどだった。しかし、ライブ配信により在宅勤務者にオンライン講演を行い全国で約50名が受講した。
 講師は、島津明人慶應義塾大学教授で、臨床心理士及び公認心理師でもある。島津氏は、大学生の頃海自の潜水医学実験隊で訓練時におけるストレスとパフォーマンスとの研究を実施するなど、自衛隊に対しての見識も深い。又2008年からは「TWIN(ワークライフバランスと健康プロジェクト)」を立ち上げ、保育園に子供を預けながら仕事をしている共働き夫婦を対象に、仕事と家庭との接点が健康に及ぼす影響を継続的に研究している。
 ワーク・エンゲイジメントとは、「仕事に誇りややりがいを感じている」(熱意)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)、「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)の3つが揃った状態のことでポジティブな考え方になるとその人だけでなく、パフォーマンスと生産性も上がるというもの。
 皆真剣に耳を傾け頷きながら聴講していた。途中島津氏の提案で、席を立ち伸びをするなど聴講の生産性もあげていた。
 講話が終わると活発な質疑応答。やりがいを持って仕事をするため、させるためには?との問いには、仕事の大切さ・周りからどう見られているか、期待されている事やフィードバックをきちんと伝える、などの回答だった。
 又、国によって民族のベースや社会学が違うから日本をメインに考えると違いが出てくるなど、興味深い講演だった。
 興味のある方は、慶應義塾大学総合政策学部島津研究室を検索して下さい。

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