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自衛隊ニュース   1048号 (2021年4月1日発行)
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YS-11FC151号機ラストフライト
56年余の歴史に幕
<飛行点検隊>
 3月17日、航空自衛隊入間基地で、「YS-11FC151号機」によるラストフライトセレモニーが行われた。この航空機は陸海空自衛隊唯一の部隊、飛行点検隊(司令・新崎秀樹1空佐)が全国42基地163施設を点検するために使用していたもの。年間の点検フライトは300回を数えていた。しかし、交換部品が少なくなった等の理由で後進のU-680Aに道を譲るべく、56余年の歴史に幕を降ろした。
 YS-11は、戦後初の国産プロペラ機であるだけでなく、ダートエンジンを備える最後の航空機とあって航空機ファン等に人気が高く、正に戦後の航空業界の象徴とも言える機体だ。1965年に空自に納入され、飛行点検機になったのは1992年から。ちなみに、FCとは飛行点検隊のことを指すフライトチェッカーの略である。
 赤と白のチェック模様の飛行点検機・YS-11FC151号機に、飛行点検操縦士兼機長渡邉潤一3空佐・副操縦士三田村3佐・ナビゲーター吉岡3佐・フライトエンジニア奈良1曹・パネルオペレーター馬場曹長の5人が乗り込み、「飛行点検機」ならではの低空飛行や8の字飛行等の訓練を約1時間かけて行い地上に戻りランプイン。放水アーチをくぐり機体を止めると名残惜しそうにゆっくりとエンジン音が止まった。機体から降りてきた機長の渡邉3佐が、任務終了申告をすると新崎隊司令は「有終の美を飾る見事なフライトだった」と労った。
 セレモニー後渡邉3佐は「長く飛んでくれてありがたい、無事にラストフライトを終える事ができてハツラツとした気分です。手動操縦で、乗りこなすのは大変だったが、50年以上飛んでくれた事に感謝の気持ちでいっぱいです」と語った。

F-4戦闘機「ファントム」ラストフライト
 3月17日、航空自衛隊岐阜基地で、1971年に導入された初号機を始め3機によるF-4戦闘機のラストフライトが行われた。飛行前点検では我が子を触るように優しく機体に触れ、確認をしていた。30分ほどのフライトを終えた機体から降りたパイロットは、愛おしそうに「ファントム最高!」「お疲れ様でした!」などと労いながらお酒を掛け、思いを伝えていた。約半世紀に渡り防空を担い、また研究開発を支えてきたファントムの歴史に幕が降りた。

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