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自衛隊ニュース   1047号 (2021年3月15日発行)
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自衛隊衛生を支える人材として
防衛医科大学校
 春の訪れを予感させる陽気となった3月6日、防衛医科大学校(四ノ宮成祥学校長)は、岸信夫防衛大臣、島田和久事務次官、椎葉茂樹衛生監、石川武報道官、山崎幸二統合幕僚長、湯浅悟郎陸上幕僚長、山村浩海上幕僚長、井筒俊司航空幕僚長が陪席のもと、医学科第42期及び看護学科第4期学生の卒業式を行った。新型コロナウイルス感染症への対応等で注目が高まる中、卒業生たちは自衛隊衛生を支える人材として国内外問わず様々なフィールドでの活躍が期待される。
(2面に関連記事)

STOP!感染拡大(COVID-19)
〈自衛隊中央病院〉
 3月4日から始まった、医療従事者に対する新型コロナウイルスのワクチン優先接種。自衛隊では8日に初めて中央病院(病院長・福島功二=三宿)で行われ、病院長、副院長、呼吸器科医長、臨床薬剤課長および看護師長の5名が接種を受けた。
 中央病院は、2月16日にワクチンを保管するための超低温冷凍庫(ディープフリーザー)を設置する「基本型接種施設」に指定され、東京都およびワクチン製造元である米ファイザー社のweb説明会、病院内での担当者会同等を経て同月26日に態勢を完了させた。
 福島病院長は記者会見で「針が入ったときにチクッとしたが、その後はほとんど痛みを感じなかった」と振り返った。副作用については「ある程度出るということは、医療従事者であれば了解していると思う」とし、「しっかりと準備をした上で接種をしたい」と述べた。また、「昨年1月のクルーズ船の乗客をはじめ、多くの新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れ、地域の皆様と共に戦ってきた。医療従事者への優先接種によって(クラスター等の)今後はリスクを下げて対応できるため、医療機関にとって非常に大きな意義がある」と見解を示した。
 翌9日からは職員への接種が本格的に始まり、今後はワクチンが到着次第、全国の自衛隊病院や部隊で勤務する約1万4000人の医療従事者に対しても、接種が進められる見通しだ。
〈防衛医科大学校〉
 3月10日、埼玉県所沢市所在の防衛医科大学校(学校長・四ノ宮成祥)学生部(部長・福森秀樹1陸佐)は、発熱学生の新型コロナウィルス対応(OP AMEBIE)として新たに作った検体室の除幕式を行なった。建物は物置を職員が手作りで改造し、看板も学生による手作りである。作成理由としては、(1)インフルエンザとコロナウィルスの検体摂取は方法が一緒であるが、複数のコロナウィルス陽性者の発生を予想しており、インフルエンザとコロナウィルスの患者を早期に仕分ける必要がある(2)学生が大勢いるところで検体を行えない(2)インフルエンザのみの検体時は使用できた病院の保健管理室を使用できないなどがあげられる。
 防衛医科大学校学生部は、以前より「感染症対処マニュアル」を作成しており日々改良を進めていた。しかし、今年になり実際にコロナ陽性者が無症状者も含め後をたたず、更なる陽性者の複数発生を見込み、陽性者らの初動の各個対応から組織的な対応への移行が必要と判断。陽性者隔離施設・濃厚接触者隔離施設・陽性者隔離解除時の洗浄施設、隔離解除者の私物殺菌区画を実際に設置訓練をし、陽性者や濃厚接触者の複数発生に備えた。また、ハード面だけでなく、ストレス等も専門アドバイザーによる生活支援を実施した。下級生の陽性率が高いのは感染による意識の違いと判断し、4学年が1学年に対して教育をすることも盛り込んだ。その上での今回の検体室作成である。除幕式で福森部長は「マニュアルを作って下さった桂田先生と相談しながら検体室の場所を探し、命名し、医学科軍司真紀新5学年に看板を書いてもらった。頻繁に使わないことを祈りながら、感染対策に万全を期していきたい」と述べた。
 学生を大切にする一端をここでも垣間見ることができた。

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