防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1045号 (2021年2月15日発行)
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雪月花
 さつま芋のイメージは随分変わってきた。筆者の子供のころはさつま芋は米不足を補助するものでお腹が満たされればそれで良しとしたものだった。秋になると一家総出で芋畑に行く、どんなやせた土地でもツルにいっぱい芋が付いてくる。土地を選ばず成長が速いから終戦当時には学校のグラウンドを掘り返して畑にしたり空地という空地にはさつま芋が植えられた。とにかく日本人誰もが空腹を抱えているので味について不満を言う人はいなかった。筆者の生家でもコメも作ってはいたが家で食べるのは収穫のほんの一部だった、ほとんどが「供出」と言い強制的に役場に持っていかれた、食料のない都会の人たちに配給するのだと聞いた。残してもらったコメに角切りにしたさつま芋を混ぜてご飯に炊き上げる、ご飯を水増し・増量するのだ。白い米粒はほとんど見えない、さつま芋ばかりのご飯だった。農林5号とか20号とか言う生産量を優先する品種だから味もなく子供には食べられたものではなかった。そのさつま芋が今や若い女性を中心に人気上昇しているという。東京・銀座や各地に焼き芋専門店が登場してブームになっているとの記事も見かける。以前と違って品種改良で味を重視したものになっており安納芋とか紅はるか、黄金千貫などと立派な名前が付いている、シルクスイートという名前は完全に女性を意識したものだ。今年も四国に住む学生時代の友人から「鳴門金時」が一箱届いた。彼とは何年か前に食糧難のころの思い出を語り合い同じ体験で盛り上がったことだった。「鳴門金時」はあの当時の農林省推奨の物とはまるっきり違う食べ物になっている。美味しくて食べやすいように生産者も試行錯誤を繰り返してきた。葉っぱからの光合成や土地の水分を加減しながら苗付けをしてほぼ90日後に掘り出すがすぐには出荷しない。これから40日〜60日のあいだ摂氏14度の低温庫に貯蔵する、これによってさつま芋の甘さがグーンと増す。長年かけて探り当てた「鳴門金時」の味の秘伝はこのあたりにあったのか。甘味は優しくてほっこり、柔らかい歯ごたえに家人もお気に入りで1週間に1度はこれを作る。大家族で芋がいっぱい入ったご飯を賑やかに食べた当時を思い出しながら現代の贅沢な芋ご飯に舌鼓を打つ。

北陸自動車道等における大雪に係る災害派遣
<第14普通科連隊>
 第14普通科連隊(連隊長根本勉1陸佐=金沢)は1月10から12日にかけて、富山県知事及び福井県知事からの要請を受け、大雪に伴う災害派遣を実施した。
 7日夕頃から数年に1度といわれる寒気と、暴風を伴う雪の影響で、東海北陸自動車道(富山)及び北陸自動車道(福井)合わせて約1400台の車両の立ち往生が発生した。
 連隊は、10日午前4時に両県知事からの災害派遣要請を受け、初動対処部隊(ファストフォース)を急行させ、関係機関と状況の認識を確認・調整を行う等、現地への主力進出の足場固めに努めた。
 金沢駐屯地だけでなく、富山、鯖江駐屯地、第10師団の各部隊(第35普通科連隊・第10後方支援連隊・第10施設大隊(愛知県)及び第10戦車大隊(滋賀県))の増援を受け富山で約70名、福井では約580名の隊員が道路の除雪、車両の救助及び燃料・食料等の配布に従事した。
 車両の救出では、隊員たちが手作業で除雪を行い通路を啓開したが、スタックした車両を数人がかりで押し出す場面もあった。
 また、立ち往生に巻き込まれ身動きの取れなくなった運転手に対して食料等の配布や声掛け、衛生隊員による健康状態の確認も行い、被災者の不安が少しでも和らぐよう努めた。救出したドライバーから感謝の言葉をかけられた隊員達は、凍える寒さの中、より奮起し活動を続けた。
 雪の降る中、昼夜を問わず行われた活動により富山県は11日午前0時30分に福井県は12日午前10時に両県知事から撤収要請を受け、約3日にわたる災害派遣の任務を完遂した。

統合幕僚監部が発表 1月の緊急発進
(スクランブル)は47回
 統合幕僚監部は、令和3年1月における、領空侵犯の恐れがある外国機に対する緊急発進(スクランブル)実施状況を公表した。
 緊急発進回数は47回で前月の60回より13回減であった。これは令和2年度中(令和2年4月1日〜令和3年1月31日時点)5月に次いで2番目に少ない回数であった。また、これにより令和2年度累計は591回となった。
 航空方面隊別では北部航空方面隊が6回(前月17回)、中部航空方面隊が0回(同4回)、西部航空方面隊が3回(同15回)、南西航空方面隊が38回(同24回)で、南西航空方面隊のみが増加した。令和2年度のこれまでの累計は、北部航空方面隊が172回、中部航空方面隊が26回、西部航空方面隊が71回、南西航空方面隊が322回だった。
 国・地域別では、ロシアが6回(前月29回)、中国が40回(前月30回)、台湾が0回(前月0回)、北朝鮮が0回(前月0回)、その他が1回(前月1回)で、ロシアが大幅減、中国は増だった。年度累計はロシアが212回、中国が371回、台湾が0回、北朝鮮が0回、その他が8回となった。

宮古島市に看護官ら派遣
<第15旅団>
 沖縄県宮古島市では新型コロナウイルス感染者の増加に伴い、医療体制がひっ迫、看護師の早急な確保が困難な状況に陥った。そのため1月29日16時33分、沖縄県知事は第15旅団長(那覇駐屯地)に対し、沖縄県宮古島市内の医療機関等の要支援施設における医療支援に係る災害派遣を要請した。これをうけ、同日に看護官1名、准看護師4名からなる陸上自衛隊第15旅団の医療支援チームが那覇駐屯地から南西約300kmの宮古島へ出発。翌30日に第15後方支援隊と宮古警備隊からなる第15旅団災害派遣隊を編成し、現地確認及び業務調整等を実施した。31日から高齢者施設において入所者に対する健康管理及び医療支援(汚染エリアでの看護業務含む)を開始した。また宮古警備隊の要員からなる災害派遣隊管理支援隊は使用した衣類の洗濯、看護班の輸送に使用した車両の除染等を行っている。2月5日には、佐藤真旅団長も現地に入り、各地で展開する派遣隊を激励した。活動期間は約2週間を予定している。

鳥インフルエンザ 災害派遣相次ぐ
昨年11月から27件
 各地の養鶏場で鳥インフルエンザ発生に係る災害派遣が相次ぎ実施されている。今年に入ってから千葉県、宮崎県、富山県、茨城県の7つの養鶏場において、感染した鶏の殺処分等過酷な作業を24時間態勢で行っている。昨年11月以降の流行期を迎えてからは27回。茨城県1回、千葉県5回、富山県1回、奈良県1回、和歌山県1回、兵庫県1回、岡山県1回、広島県1回、香川県6回、福岡県1回、宮崎県8回。
【えびの駐屯地】
 えびの駐屯地(司令・一宮大介1陸佐)は、12月8日及び30日の両日宮崎県小林市野尻町で発生した鳥インフルエンザ感染に伴い宮崎県知事からの第24普通科連隊長に対する災害派遣要請により、えびの駐屯地各部隊が「チームえびの」(第24普通科連隊、えびの駐屯地業務隊、西部方面特科連隊第3大隊、第308普通科直接支援中隊、第101特科直接支援隊第1直接支援中隊第3小隊、第135地区警務隊えびの派遣隊、衛生隊[方面衛生隊医官等含む])一丸となり、派遣活動を実施した。
 12月8日の派遣要請の打診をうけた7日、連隊主力は日出生台演習場(大分県)での第5次連隊野営(第14次即応予備自招集訓練)射撃訓練を終了した直後ではあったが、簡易検査陽性をうけ、駐屯地へ向け演習場を後にし、深夜にえびの駐屯地に到着し活動準備を行った。第24普通科連隊主力準備完了までの間、西部方面特科連隊第3大隊を主力とした第1派が活動を実施した。
 また12月30日の派遣活動では、えびの駐屯地は年末年始休暇中ではあったが、29日に第1種乙が発令された。
 第2回目の派遣任務は15万羽の処分ということから、24時間以内の殺処分のため、1人でも多くの隊員を派遣する必要性がある事を知った駐屯地業務隊が大晦日、元日の特別勤務を買って出る等駐屯地が一体となって派遣を実施した。

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