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自衛隊ニュース   1037号 (2020年10月15日発行)
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岸防衛大臣初の部隊視察

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海上作戦センター運用開始
<海上自衛隊>
6コ司令部を集約 一元的でスムーズな部隊運用に
 10月1日、海上自衛隊は横須賀基地船越地区に完成した自衛艦隊司令部の新庁舎前において、「海上作戦センター」の運用開始記念式典を執り行った。
 これまでの自衛艦隊司令部では、作戦会議を実施する場所や増強される幕僚の勤務場所の不足、事態のエスカレーションに伴う拡張性の無さ等のため、統合任務部隊として平時から有事に至る事態への即応態勢に課題があった。これらを解消し、新たに整備されたのが「海上作戦センター」だ。「海上作戦センター」には、自衛艦隊司令部、護衛艦隊司令部、潜水艦隊司令部、掃海隊群司令部、海洋業務・対潜支援群司令部、同日付で新編された艦隊情報群司令部(旧「情報業務群」を改編)等が集約され、約500名が勤務する。これにより一元的でスムーズな部隊運用が可能となった。
 新庁舎は地上6階、地下2階建てで、延べ床面積は約3万6千平方メートル。総事業経費は約398憶円。今年5月末に海自側に庁舎が引き渡され、順次各司令部の移転作業を経てこの日を迎えた。
 就任後、初の部隊視察が本式典だった岸信夫防衛大臣は、「海上作戦センターは最前線の状況を即時、広範囲に把握し的確な部隊行動につなげる極めて重要な役割を担う」と訓示。「この場所での勤務に誇りと責任を持って当たってほしい」旨を述べ隊員たちを激励した。岸大臣は式典後、新庁舎に入り、各司令部で詳細な活動報告を受けた他、指揮所等を視察した。
 視察後、岸大臣は記者団に対して「この周辺に点在していたそれぞれの司令部が一カ所に集まったことで、当初は相当な違いが出てくるのではないかと思うが、司令官同士、部隊同士が平素から顔を合わせて働くことで、一層良い雰囲気になる」とし、「これまで以上に意思疎通がスムーズになる。そうした中で、風通しのいい組織にしていくことで、迅速な行動につながっていく」と期待を述べた。また、「防衛省・自衛隊としては、厳しさと不確実さを増す安全保障の現実に正面から向き合い、国民の生命と平和な暮らしを守り抜くため、引き続き、万全を期して参りたい」と述べ、「大臣として、現場を見て、隊員の皆さんの意見を直接聞いていくことが何より重要だ」と今後も積極的に各地を回って視察を行う意向を示した。

海自印刷補給隊解隊行事
 海自印刷補給隊(司令・江口和弘2海佐)は、9月30日に解隊行事を執り行い、翌日から「海自東京業務隊業務第2部」として生まれ変わった。
 海自印刷補給隊は、昭和35年10月1日に発足、以来60年間に渡り業務計画、暗号諸表、信号書、規則類及び広報業務に欠かせないパンフレット等の印刷製本並びにそれらに係る海自全部隊への補給業務などを行ってきた。そして本年10月1日の改編後、同業務は海自東京業務隊に引き継がれる。
 解隊行事の司令訓示で、「我々がこれまで築いてきた輝かしい歴史と実績、そして培われた誇り高き伝統と技術を礎に、隊員一人一人が引き続き与えられた任務に全力でまい進することを要望し、さらに発展させることをここに誓う」と述べ、隊員一同、新部隊での新たなる決意を胸に誓った。そして最後に、総員で記念撮影を行い60年の長い歴史に幕を閉じた。

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