防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース 1011号 (2019年9月15日発行)
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「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
浜松市役所 危機管理監 危機管理課 津田宜幸
経験とノウハウは充分通用する

 航空自衛隊を定年退職し、平成31年1月1日から浜松市役所に専門監兼防災調整官として勤務しています。まだ、勤務を始めて数カ月ですが自衛隊を定年退職した後の新しい環境において経験した事柄を含めて、現役自衛官の方々の再就職に向けての一助になればと思い、参考程度に述べさせていただきたいと思います。
 新たな職場での勤務は不安が一杯でした。会社にはその会社特有の伝統や文化があり、業務の進め方や勤務の要領が自衛隊とは異なります。ただそれは、慣れるしかありません。「郷に入っては郷に従え」のことわざどおり、その会社の習慣に自分を合わせる努力が必要です。
 自衛隊の教育システムは自衛隊の誇りだと思います。自衛隊は、教育隊における一般教育、術科学校における専門教育、また、部隊における現場教育を通じて隊員一人ひとりを効果的に効率よく育成しています。更に、教育に必要となる教育資料や手順書も整えられており、体系的に物事を学べる体制が出来上がっています。対して、私の勤務先では、自衛隊のような教育システムを有していないことから、何事においても自分自身で興味を持って調べ、勉強することが求められています。
 自衛隊の業務を習得すれば一般社会でも充分に通用します。自衛隊勤務時には、年度業務計画の作成や訓練実施のための企画立案、加えて、日々の文書要務を行ってきました。今の勤務先においても自衛隊勤務時のノウハウを活かして業務を進めていますが、自衛隊のノウハウは充分に通用しています。自衛隊の業務を習得しておけば退職後においても自信を持って勤務することが出来ます。
 健康な体は第二の人生に必要不可欠です。私の知る市役所職員は、業務を終えたあとバスケットボールやサッカーなど地域の人達とともに汗を流す人、スポーツジムに通い筋トレを習慣にしている人など、それぞれに体を鍛えています。これはストレス解消もあるのでしょうが、職務を全うするためには健康な体作りが必要であるという表れであると思います。私も時間を見つけてはジョギングをするなど健康維持に心がけているところです。
 自衛官として勤務した30数年間の経験とその間に体得したノウハウは、一般社会でも充分に通用するものです。臆する事無く自信をもって新しい職場での業務に邁進してください。

(著者略歴)津田氏は平成30年12月に航空自衛隊第1航空団司令部人事部(人事部長)(浜松基地)を1空佐で定年退官。55歳(記事作成時)

読史随感
<第37回>
神田淳

韓国の国体としての反日イデオロギー

 日本との関係においては国家間の条約をも無視する、韓国という異常な反日国家はどのようにして生まれたのだろうか。
 韓国(朝鮮)は歴史的に中華文明圏の国として生きてきた。1392年より朝鮮半島を支配した李氏朝鮮も、中国(明、清)に臣従していたが、中華が文明であり、周辺は野蛮国とみる華夷文明秩序意識を強く持ち、日本を野蛮国と蔑視して、自国は日本よりも「上国」との誇りを抱いていた。
 1895年、日清戦争で中国(清)が日本に敗れたのち、朝鮮は中国の支配を脱したが、その後1910年日本に併合され、35年間日本の統治を受けた。1945年日本が日米戦争に敗れ、日本は朝鮮半島から撤退。1948年、南は米国の指導で韓国が、北にはソ連の指導で北朝鮮が建国された。
 韓国が現代のような反日国家になったのは、この後である。韓国は日本と戦って独立を勝ち取ったわけではなく、日本と共に戦い、敗戦国となった。このような韓国が戦後の国際秩序の中で生きていくためには、自国を百パーセント日本の被害者の身に置き、日本を悪の加害者として非難し続けるしかなかった。それはまた韓国が日本の上国であるとの誇りを取り戻すことでもあった。
 韓国は、日本支配の35年が抑圧、搾取、収奪の時代であり、日本人がいかに邪悪な支配者であったか、韓国人がいかに日本人と闘って(抗日)独立していったかという、事実と大きく異なる歴史をつくりあげていった。
 一例をあげると、日本の収奪の中で特に強調される土地収奪である。教科書には「総督府は1910年から土地調査事業を推進したが、これは農民から土地を取り上げるたくらみだった。手続きを複雑にして農民が所有の証明に失敗するように仕向け、農地を奪い取って日本人に安く払い下げた」などと記すが、ほとんどでたらめである。申告がなかった土地は実際に所有者がいなかったと思われる墓地などが大半で、全体の0・05%という微微たるものだった。総督府は8年かけてこの事業を実施したが、申告漏れがないように丁寧に指導し、盗奪を防ぐために啓蒙を繰り返しおこなった。この調査の目的は近代的土地所有を確立し、資本関係が農村に浸透する条件を整えたこと以外にない。同じように日本の統治下にあった台湾の学校では、土地調査事業を土地所有権を確立した改革として平明に教えている(注1)。
 日本の統治は、韓国の教科書で描くようなものではなかった。終戦直後韓国人歴史家がイギリス外交官に、日本の統治時代をそれまでの朝鮮史で唯一の安定した時代だったと回顧し、日本の施政下で朝鮮人は平穏と豊かさを享受し、日本人は賢明、親切で、住民の福祉に骨折ったと語った、と言う記録がイギリス外務省の文書に残されている(注2)。
 反日は親から子へ口伝えで伝えられた民族の体験ではなく、国家が子供の白紙の心に植え付けた教義だった(注3)。実際にあったことを知る世代がなくなって世代交代が進み、反日教育が日本統治時代の事実を抹消し、反日を国体とする現在のイデオロギー国家がつくられた。
 韓国の反日イデオロギーに、朱子学の観念的大義名分論と同じようなものを私は感じている。韓国人は大義名分の前には事実を無視あるいは軽視するが、これは儒教文明国の宿痾のように思える。
(注1、注2、注3、松本厚治著『韓国「反日主義」の起源』による)
(令和元年9月15日)

神田 淳(かんだすなお)
 高知工科大学客員教授
著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』など。

トウチとさくら
 自衛隊東京地方協力本部(以下「東京地本」)は8月23日、第13代本部長・岸良知樹(きしら ともき)陸将補が着任し、新たなスタートを切った。
 全国50箇所の地方協力本部では、自衛官の採用、退職自衛官の就職援護、予備自衛官等の招集業務、国民保護や災害派遣における地方自治体との連絡・協力及び広報活動等を実施している。採用対象者約221万人(18〜32歳の人口割合は全国の約12%)、企業などの事業所約63万社を擁する首都・東京を担任する東京地本は、東京都を4個地区隊に分け、都内20箇所に点在した出張所・募集案内所等が業務を行っている。また、平成30年6月18日からは、防衛省・自衛隊の中央機関が集まる市ヶ谷駐屯地の北側に本部を移転させ業務を開始、本年度は出陣式を新庁舎で初めて実施し、各種目標達成のため日夜奮闘している。
 タイトルの「トウチとさくら」は東京地本のマスコットキャラクターであり「東京地本」(トウキョウチホン)から文字を取った男の子の「トウチ」君と東京都の花である「ソメイヨシノ」を参考に名付けた女の子の「さくら」ちゃんのことを指しており、どちらも東京都民の鳥「ゆりかもめ」をモチーフに、しっかりとした足は「陸上」を、しなやかなボディは「海上」を、逞しい翼は「航空」を表し、都内各所で行われるイベント会場ではそのかわいらしい姿で広報活動を実施し、自衛隊への親しみやすさや認知度の向上に貢献している。
 与えられた任務の重要性を深く認識し、地域と共に全国のリーディング地本としての役割を果たしていきたいとする自衛隊東京地方協力本部の活動等を次号から特集して紹介していく。

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