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自衛隊ニュース   934号 (2016年7月1日発行)
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(米海軍主導による日本国内での海軍作戦計画作成手順に関する教育プログラム)
"APNIC" 初開催
〈海自幹部学校〉
 6月20日から7月1日の間、海上自衛隊は幹部学校(大塚海夫海将=目黒)において、米海軍主導による日本国内での海軍作戦計画作成手順に関する教育プログラム(Asia-Pacific Navy Planning ProcessInternational Cource)(APNIC)を支援した。
 2013年フィリピンを襲ったハイアン台風等の経験から、多国間でのHA/DR(人道支援・災害救援)において計画立案手順を共有する必要が高まっていた。そのような中、米海軍大学が海軍作戦計画作成手順(NPP)をアジア太平洋地域の関係国海軍士官に教育することで、共同対処時の円滑な計画立案を目的とするAPNICの開催が昨年5月に海自幹部学校と米海軍大学間で合意された。
 初開催となる今回は、海自9名を含むアジア・太平洋8カ国23名(女性3名含む)の海軍士官が参加。前半は米海大の教授から講義を受講し後半は仮想国がハリケーンで被災したとのシナリオで、2チームに分かれて災害救援計画を立案し討議した。
 開講式で、大塚学校長は、緊張の色が見える23名の士官等を前に「諸官はHA/DR(人道支援・災害救援)を多国間で行う一員として鍵になる人材。各国の海軍の違いを知り、違いを認め、違いを楽しむ事、共通の課題に取組む海軍の仲間として相互理解を深めることを希望する」と述べた。参加者は、約2週間のプログラムの中で、作戦計画作成手順を共有したほか、国際交流も図った。当プロジェクトを担任する運用教育研究部長・在原政夫1海佐は「次回については未定だが、必要性は感じている。もし開催するならばより多くの国々にも参加してもらいたい」と期待を語った。
  
※同面、文中の階級・役職等は実施当時。

平成28年度行政事業レビュー公開プロセス
〈防衛省〉

 6月23日、防衛省で「平成28年度防衛省行政事業レビュー公開プロセス」が行われた。
 行政事業レビューは、原則的に平成27年度実施の全事業の支出先や使途を国民に公開し、外部有識者の所見も取り入れながら事業内容や効果をチェックすることにより、質の高い行政の実現と国民への説明責任を果たすため実施されているもの。また、国からの資金交付により新設又は積み増しされた基金についても点検が実施される。
 外部有識者は防衛省選定の蒲谷亮一氏(川崎市市民オンブズマン)ら3名、行政改革推進本部事務局選定の有川博氏(日本大学総合化学研究所教授)ら3名が参加し、外部有識者会合で選定された4つの事業について、事業担当者への鋭い質問や提言がなされた。
 点検内容は「(1)市ヶ谷地区の維持管理に要する経費」「(2)自衛隊施設整備」「(3)乙類(車両)」「(4)ガスタービン機関組部品のオーバーホール」で、(1)と(3)は「事業内容の一部改善」、(2)は「事業全体の抜本的な改善」(4)は「現状通り」の評価結果が出された。
 閉会にあたり統括責任者の豊田硬大臣官房長が「本日の内容を踏まえ、国民からの信頼の確保と、効率的効果的な運営に向けて更なる事業内容の精査と事業の見直し、平成29年度概算要求に向けた検討をしていきたいと思います」と挨拶した。
 今後は8月中旬に概算要求への反映、同下旬にレビューシートの最終公表、9月下旬に基金シートの最終公表が行われた後、行政改革推進会議で検証され、事業の改善等に役立てられる。


宮崎県新富町で車座ふるさとトーク
〈若宮副大臣〉
 5月29日、若宮健嗣防衛副大臣は宮崎県新富町で開催された第6回「車座ふるさとトーク」に出席した。「車座ふるさとトーク」は、政務三役が地域住民の生の声を聞き政策に生かそうという狙いから実施されている安倍内閣の取り組み。少人数かつ車座式の対話が特色で、今回は、自治会・防災・学校及び自衛隊との信頼を強めるために尽力している後援会などの関係者計11名が参加した。
 トークでは、防災や自衛隊に関し多くの意見が寄せられ、防災については、「自衛隊が地元の消防団と一緒に防災訓練や救助訓練をできる機会や訓練展示をしてもらう機会があるとよい」、「自衛隊に防災に関する知恵をいただきたい」といった意見があり、関心の強さが伺えた。また、地元の空自新田原基地についても、小学校から基地の隊員に送られた手紙が話題に上がり、「子供たちが基地を見学したり、交流を通じて規律や責任感を感じ取る貴重な体験が出来ている」、「新田原基地を訪れる観光客を新富の町に誘導できるようになるといい」等の感想、提案が挙がっていた。
 若宮副大臣は、これらの声に「新田原基地は災害などの非常の場合には非常に重要な拠点。基地と地域の皆様とで円満な関係を築き、共存共栄して町が発展していくのが望ましい」等と応じ、自衛隊と地域の連携の重要性を述べた。
 防衛省は、「今回いただいた様々な御意見も参考に今後の取組を進めていきます」としている。

米海軍太平洋艦隊司令官が表敬
〈中谷大臣〉
 6月14日、中谷元防衛大臣は、米海軍太平洋艦隊司令官スコット・ハービソン・スウィフト海軍大将の表敬訪問を受けた。
 中谷大臣は、6月9日に東シナ海の尖閣諸島の海域で、初めて中国海軍の艦艇が日本の接続水域に入った事案について「東シナ海で日米同盟のプレゼンスを明示することは、抑止力という観点から非常に重要であり、今後も引き続き地域の平和と安定のために、太平洋艦隊と共に協力していきたい」と述べ、日米の関係の強化を確認した。
 また沖縄県で起きた相次ぐ米軍属及び米海軍人による事件について中谷大臣は、「非常に遺憾であり残念。日本の法律を遵守し、厳正に対処され、厳格な規律の徹底をお願いしたい」と求めると、スウィフト司令官は「今回の事件は受け入れられない事で、大変遺憾だ。再発防止に努めたい」と述べた。

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