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自衛隊ニュース   933号 (2016年6月15日発行)
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「意義ある訪問 」(河野統幕長)
NATO軍事委員長と会談
 6月7日、河野克俊統合幕僚長は、NATO軍事委員長のピーター・パベル チェコ陸軍大将の表敬訪問を受けた。パベル大将はシンガポールで開催されたシャングリラ会合、訪韓を経ての来日となった。NATO軍事委員長の公式訪問は平成20年以来2回目。
 自衛隊は派遣海賊対処行動を実施しているソマリア沖・アデン湾において、NATO派遣部隊と共同訓練を実施している。また、NAT0に平成26年から、栗田千寿2陸佐を派遣しており、同隊員は「女性・平和・安全保障」の分野で活躍している。
 河野幕僚長は「このように日本とNATOの防衛交流は着実に拡大している。パベル大将の訪問は大変意義のあるものだ」と述べた。
 パベル大将は「我々は共通の課題を持っており、将来の協力について顔を合わせて意見交換できる機会は有り難い」と応え、今後の日-NATO間の防衛協力・交流の進展をあらためて確認した。

28年度 優良提案褒賞授与式
〈航空自衛隊〉
 航空自衛隊は6月2日、防衛省A棟17階大会議室において、28年度優良提案褒賞授与式を執り行った。
 この褒賞は、毎年度航空幕僚長に報告された業務改善案の中から、特に優秀と判断された提案者に対し、高い存在意識に基づいて真摯に業務改善に取り組んできた功績を称え、より一層の活性化を図ることを目的として与えられるものである。
 今年度の同褒賞表彰者は、全国約5000の提案の中から3提案7名が表彰された。
 授与式では、杉山良行航空幕僚長より、直接ひとりひとりに、褒賞状と記念品が手渡され、記念メダルを首にかけたのち力強く握手を交わした。
 杉山空幕長は褒賞状授与後に、「ダーウィン曰く『強いから生き残るのではない、環境の変化に適応出来るから生き残れる』生き物だけではない、組織も同じ。改善提案というのは改善意識のシンボルのようなもの。そういう意識が航空自衛隊全体に普及してくれるとありがたい」等と変化に適応できる良い影響を与える存在になれるよう期待を込めて訓示した。
【受賞者及び内容は以下のとおり】
▽第2輸送航空隊
小野剛2曹、北村航希2曹、青地泰雄3曹『空中輸送員用セーフティ・ハーネス取付け点移動式ストラップ』
▽航空システム通信隊
本田勝1曹、堀口 宏2曹、中村大介3曹『USB接続型ストレージ媒体コントロールエージェント等の作成』
▽第5術科学校
横山和也2曹『人事業務における個人情報の検索処理に関する改善』

ケニアの工兵へ指導
陸自施設科教官ら現地へ
国連プロジェクト本格訓練開始
「試行訓練の教訓をカリキュラムに生かす」
 陸上自衛隊は6月6日から8週間にわたり、ケニアの首都ナイロビの国連平和支援訓練センター・人道平和支援学校において、「国連アフリカ施設部隊早期展開プロジェクト」の一環として、施設学校と西部方面隊等から教官要員ら17名(派遣要員指揮官・玉置宏行3陸佐=第2施設群第3科長)を派遣しケニア軍31名へ重機(ブルドーザー、油圧ショベル、バケットローダ、グレーダ、ロードローラー)操作や整備要領等を指導している。PKO活動を円滑に立ち上げるにあたり不可欠な、指揮所や宿営地整備を担う工兵部隊のレベルアップに寄与するもので、昨年試行訓練が行われたのに続き今年から本格訓練が始動した。
 日本出発前日の5月27日には、陸幕応接室で派遣要員が岩田清文陸上幕僚長に出国報告を行ったあと、報道陣に対し玉置指揮官がコメント。「本格訓練に参加できることを非常に光栄に思っています。日本の施設技術を向こうにしっかりと伝授をして、被教育者が我々を "師匠" と呼べるような、そこまで教えられるようやっていきたい」、「試行訓練で得た教訓をカリキュラムに生かしています。様々な練度の被教育者がいますが皆同じレベルまで引き上げたい」などと力強く意気込みを語った。
 なお、8月中旬からは本年2回目の重機操作訓練が同じく8週間行われる。

世界禁煙デーにあわせ禁煙イベント
〈中央病院〉
 毎年5月31日は、世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」であり、今年で29回目を迎える。自衛隊中央病院(病院長・千先康二防衛技官)においても「世界禁煙デー」にあわせ禁煙イベントを実施した。千先病院長による「たばこの害と禁煙の実態」についての講話、呼気一酸化炭素濃度測定、禁煙相談等多くのイベントを行い、近郊部隊の隊員や病院を利用される患者さん等に禁煙への関心を高めてもらい、禁煙のきっかけ作りになることを願い企画した。
 自衛隊員の喫煙率は国民全体の喫煙率と比較して高く、また、比較的若い隊員の喫煙率が高い傾向にある。若い時期からの喫煙は肺がんリスクが高くなるが、これまではニコチンに対する依存度が低いと判断され、保険診療の対象外とされてきた。しかし、2016年4月より35歳未満の喫煙者に対しても保険診療内での禁煙治療が可能となったため、当院においても「世界禁煙デー」を一つのきっかけとし、禁煙外来枠を拡大してより多くの隊員が禁煙の機会を得られるよう体制整備を行った。
 自衛隊員にとって健康を維持することはあらゆる任務を遂行するうえで基礎となるものである。国民に信頼され、あらゆる任務に即応し適切に遂行するためにも、禁煙を行い健康を維持・増進することは重要である。先般発生した平成28年熊本地震に伴う災害派遣にも自衛隊中央病院から18名の隊員を参加させた。派遣隊員は日ごろからの健康管理を適切にし、約3週間にわたる特殊環境下での任務を無事完遂できたことからも、健康管理の重要性は再度認識された。
 自衛隊中央病院は、今後も一人でも多くの隊員の禁煙をサポートできるよう体制を充実させる。

雪月花
 政治家のスピーチをこんなに読み返したことははじめてだ。世界中が見守る中、広島を訪問した時のオバマ米大統領のスピーチ。ー71年前、明るく、雲一つない晴れ渡った朝、死が空から降り、世界が変わってしまいました。朝起きて最初に見る子どもたちの笑顔や伴侶や親からの優しい触れあいが71年前にもここにあったのです。(一部のみ要訳)。同大統領の広島訪問時に日本国民に原爆投下に対しての謝罪があるのかないのか、取りざたされていた。何度もスピーチを読み返すと同大統領の思いが感じられる。この内容は一般に言う謝罪よりもっと深い気持ちがあるような気がしてきた。これは人類に対する懺悔であり決意ではないか。広島、長崎、日本に対してではなく世界に訴えている。スピーチは当初は所感の形で数分の予定だったらしいが大幅に長くなり17分に及んだが各所にそんな思いを感じさせる。だが政治家の常でこの原稿も恐らくスピーチライターによるものだろうと思って読んでいた。しかし後日明らかにされたところによると、日本にくる前にベトナムを訪問したオバマ大統領は移動の間に何度も原稿に手を入れたのだそうだ。「晴れ渡った朝の風景」は後世に語り継がれる気がする。被爆者との抱擁、談笑、自分で作った折鶴など日本国民に強烈なインパクトを残した。広島を訪れた後、帰国の大統領専用機から「広島に来て良かった」と外務省に側近から電話させたとのニュースもある。sorry(ごめんなさい)やapologize(謝罪)はまだ必要?もう充分?。

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