防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   929号 (2016年4月15日発行)
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海上自衛隊特集

米海軍家族支援関係者による講演会
海幕厚生課
 海幕厚生課(課長・近藤奈津枝1海佐)は3月5日、海上自衛隊先任伍長・関秀之曹長、在日米海軍司令部との協力と横須賀地方総監部、自衛艦隊司令部の支援を得て、メルキュールホテル横須賀で「米海軍家族支援関係者による講演会」を実施した。本講演は組織運用における家族支援の必要性及び重要性に関する意識醸成を企図したもので、今回は横須賀在籍艦艇部隊の指揮官、同副長、同先任伍長並びにそれぞれの夫人等を主な聴講対象者として、在日米海軍司令部で家族支援の任務に携わるジョー・ファーニー最先任上級兵曹長、フリート&ファミリー・サポート・センター(米海軍における家族支援組織)のタラ・フーラーセンター長及び現役のオンブズマン(軍人夫人で、部隊と隊員家族の調整の窓口を主な任務として活動)であるホーン・カズミ女史(横須賀海軍病院)、ヘルビック・リカ女史(横須賀艦船修理廠)、ターナー・ノリコ女史(米海軍駆逐艦「マキャンベル」)の3名、計5名を講師に迎えて実施し、約130名の聴講者が参加した。
 講演では、ファーニー最先任上級曹長から米海軍の家族支援の概要とフリート&ファミリー・サポート・センターの主要機能等に関することについて、フーラーセンター長からはオンブズマン制度の概要についての説明が行われ、これを踏まえた形で現役オンブズマンの3名から実例を紹介しながらの活動内容の説明と聴講者とのパネルディスカッションが行われた。
 パネルディスカッションでは、聴講者からの活発な質問に対して、一つ一つ丁寧な回答が返され、聴講者の理解も深まった様子であり、会の終了後に実施したアンケートにおいても本講演会に参加したことや今後の家族支援に対する多様な意見が寄せられた。
 海幕厚生課としては「海上自衛隊として家族支援を推進するに当たり、隊員及び隊員家族が家族支援について考える機会を作為することが必要であると改めて認識できた。また、講演会に対するこうした声を収集できたことは、今後の施策を推進・実施していく上で大変有意義であった」としている。

日米友好親善行事
合同体育競技(駅伝)
〈沖縄基地隊〉
 沖縄基地隊(司令・飯塚洋文1海佐)及び在沖米海軍艦隊活動司令部(CFAO司令官・マイケル・ミシェル大佐)は3月2日、合同で日米海軍との友好親善行事の一環である体育競技(駅伝)を執り行った。
 例年、この時期に実施している駅伝競技は4回目を迎え、今回は総勢90名(18チーム、内、米海軍が9チーム)が競技に参加した。
 チーム編成は1チーム5名であり、選手の合計年齢でカテゴリー分け(195歳以下を「カテゴリーA」、196歳以上を「カテゴリーB」)とすることで、年齢による不公平感が少なくなるよう配慮した。
 当日は天候にも恵まれ、春暖を思わせる暖かい日差しの中、カテゴリーAチームの第1走者9名がスタートラインに横一線に並んだ後、一斉にスタートし、3分後にはカテゴリーBチームがスタートし、以後、激しい攻防戦が繰り広げられた。1人1周(約2,200mのコース)を走り終わる毎にタスキが次のランナーに手渡され、中には仮装しながら走るチームもあり、応援にもより一層の熱が入った。
 走り終えた選手には、海上自衛隊特製「ぜんざい」が振る舞われ、走り終わった後の疲労感とすがすがしい気持ちが入り混じる中、日米相互の交流を大いに深めることができた。
 最後に表彰式を実施し、司令からカテゴリー毎に優勝、準優勝のチーム代表者に景品が手渡された。特別賞として、個人では第7艦隊潜水艦部隊所属のサミー曹長が8分18秒の記録でベストランナー賞を受賞した。また、この合同体育競技の翌日には在沖海軍艦隊活動司令官が交代したことから、CFAO司令官との最後の親善行事となった。

1万飛行時間達成
〈第31航空群第81航空隊〉
 3月22日、海上自衛隊第31航空群第81航空隊(司令・大久保勝司1海佐=岩国)所属のEP-3電子情報収集機において電子情報収集員として勤務する矢島直樹海曹長(48歳)及び佐々木智久1海曹(44歳)は、この日無事「総飛行時間1万時間」を達成した。達成日当日は天候に恵まれ、任務を完遂し、飛行作業を終えた矢島海曹長及び佐々木1海曹を大久保司令以下多くの隊員が盛大な拍手と笑顔で出迎え、その偉業達成を祝福するとともに、航空部隊恒例の「水かけ」を行い両名の功績を讃えた。
 矢島海曹長は平成2年に航空士対潜課程を修業後、第81航空隊にEP-3の電子情報収集員として配属され、以来25年間EP-3一筋で1万時間を達成した。
 佐々木1海曹は平成4年に航空士対潜課程を修業後、第8航空隊(岩国)にP-3C哨戒機の非音響対潜員として配属され、以来23年間でP-3Cに約1600時間、EP-3に約8200時間、UC-90多用機に約200時間と様々な機種に搭乗し1万時間を達成した。
 この業績に対し矢島海曹長は「多くの方に支えられ、無事に1万時間を達成できたことを心より感謝するとともに、今後も海上自衛隊の発展に寄与していきたい」と感謝と熱い意気込みを語った。また佐々木1海曹は「無事に達成できたのも信頼できる仲間のおかげであり、今後も絆を大切にしていきたい。1万時間は通過点であり、更なる精進と後輩の育成に努めたい」と熱い意欲を燃やしていた。

3代目に更新
新旧交通船交代
〈対島防備隊壱岐警備所〉
 対馬防備隊壱岐警備所は、壱岐島のさらに最北端の小さな若宮島という所に位置している。所員は毎朝、近くの漁協前にある桟橋から約15分かけて警備所まで交通船で出勤する。
 3月15日、この交通船が2代目(YF2123)から3代目(YF2155)へ更新された。2代目は昭和63年の配備以来、約28年間対馬の海を無事故で走り続けた。
 小さな交通船は離島の離島へ隊員ばかりでなく、食料、物資、生活必需品の全てを運んでいる。台風の日や、冬の北西風が強い日などは海が荒れ、島に渡れず出勤できない日もある。一方で島に残された当直員は48時間の当直勤務になることも。
 3代目交通船の無事故を祈るとともに、2代目の28年間に感謝。

第124期初任海曹課程
水泳競技
〈呉教育隊〉
 呉教育隊(司令・井上喜文1海佐)は3月17日、第124期初任海曹課程113名(2個分隊)が、修業をひかえ最後の分隊対抗競技となった水泳競技を呉教育隊屋内プール(50m×9コース)で行った。
 競技は個人、団体合わせて12種目で、どちらの分隊も有終の美を飾ろうと競技まで連日、夕刻、休日を利用して練習に励んだ。
 競技の前半は第12分隊がリードしつつも、得点は拮抗して両者ゆずらない状態が続いた。
 中盤に行われた「むかで競争(4人1組で前者の腰を両手で保持して泳ぐ)」は、個々の泳力よりも4人が足を蹴るタイミングを合わせることが重要な競技だ。これを四身一体となって制した第11分隊川崎司3海曹(兵庫県有馬高校出身)は勝因を「同期の絆です」と語り、メンバーと肩を抱き合い喜んだ。
 後半は個人種目が続き、日ごろの成果を発揮できるステージである。50m背泳ぎでは、第11分隊梅澤瑞貴3海曹(兵庫県太成学院大学高校出身)が30秒83の好記録であったが、呉教育隊記録にあと0・05秒及ばず「普段は切れるタイムなのに」と悔しさをにじませた。
 両分隊の得点差は4点差で、最終種目の400m混泳リレー(自由形4名、平泳ぎ4名)を迎えた。レースは最終泳者までもつれ込む接戦となり、学生だけでなく職員までプールサイドから身を乗り出し、激と声援が響き渡った。結果は、第11分隊Aチームが頭一つ抜き出てゴールしたが、審判からリレー上の反則を告げられ、第12分隊が優勝という劇的な幕切れとなった。優勝した第12分隊員は「最後に優勝旗が取れてみんなが同期であることを光栄に思う」と語った。一方、敗れた第11分隊は最後にこのような結末になったものの、誰一人同期を責めることなく第12分隊に惜しみない拍手を贈った。
 学生たちはみな旺盛な敢闘精神を持って正々堂々と戦い、真摯に取り組むことの大切さを胸にきざみ、3月24日終業後、部隊で活躍してくれることとなる。

SAILORS OF THE YEAR 受賞に際して
第5整備補給隊(那覇) 1海曹 入佐隆幸
 2月26日、在沖米海軍活動司令部曹長会主催のセイラーオブザイヤー(年度優秀隊員授賞式)が沖縄県にある米軍キャンプシールズで執り行われました。
 授賞式には、日米双方から約50名の隊員が参加し、第5航空群からは群先任伍長・小幡海曹長、5整補先任伍長・吉田海曹長、5空先任伍長付・太田海曹長、那覇基・村岡2海曹、5整補から私が出席しました。
 午後7時から式典は開始され、日米両国国旗、米海軍旗、自衛官旗入場・両国国歌斉唱(PARADA THE COLORS)、宣誓(SAILIOR'S CREED)、お祈り(INVOCATINO)、晩餐会(DINNER)と進み和やかな雰囲気の中で時間が過ぎていきました。晩餐会では、今回の受賞者の中で最年長の私と、最年少の米海軍女性隊員が指名され、米海軍先任伍長と3人でケーキカットを行う等、貴重な体験をすることができました。
 そして、会場の盛り上がりの中、表彰(RECONGNITION)が行われ、海上自衛官4名、米海軍隊員19名に記念の盾が、各々の所属する先任伍長から贈呈され、最後に在沖米海軍艦隊活動司令マイケル大佐の祝辞をいただき、スタンディング・オベーションの中、授賞式は無事終了しました。
 今回、私はセーラーオブザイヤーという名誉ある賞を受賞した事を素直に喜ぶとともに、今まで支援いただいた仲間の皆さんに感謝の気持ちで一杯です。この場をお借りして、お礼を申し上げます。ありがとうございました。そして、記念の盾は、自衛隊勤務の誇りの証として、自宅の床の間に飾っています。
  
※同面、部隊・機関等の長名等は全て実施当時。

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