防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   929号 (2016年4月15日発行)
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「我が国の目ざす道は!」
隊友会入間地区支部協議会「安全保障講座」
戦後70年の歩みと将来について考える
 埼玉県隊友会入間地区支部協議会(会長・浦山長人)主催の第6回「安全保障講座」は、3月19日、入間市産業文化センターで、周辺一般市民約350名が参加し開催された。今回は、講師として米カルフォルニア弁護士ケントギルバート氏、衆議院議員大塚拓、参議院議員宇都隆史及び司会の予備自・ジャーナリスト葛城奈海各氏の出演により、「我が国の目ざす道は!」-戦後70年の日本の歩みと将来について考える-をテーマとして、シンポジウム形式で実施された。
 シンポジウムは、外国人の眼からの視点で鋭くかつユーモア溢れるケント氏の指摘に対し、安全保障政策の中枢で活躍中の両議員が、厳しい財政事情の中で奔走中の生々しい主張等もあり、大変充実した討議が展開された。特に、話題は安全保障、憲法問題、安保法制と多岐にわたり、最後は日米の退役軍人の社会的ステータス、処遇問題にまで言及し、テレビでは放送されない核心に触れた議論が交わされた。参加者は口々に安全保障上の主要な問題を広い視野から考えることが出来、理解に役立ったとのこと。司会の葛城氏による入念な準備と巧みなリードで大成功のうちに終了した。
 出演者4氏を順に紹介すると、講師の米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏は、テレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」に出演し、外国人タレントとして人気を博し、現在は外国人の視点から、安全保障、日本国憲法等に関する著書、講演等多数あり、饒舌鋭い主張で好評は周知のとおり。最近はワイドショーのコメンテーターとしても活躍されている。
 他の2名の講師は、自由民主党国防部会長で精力的な活動で知られる、入間基地周辺が地元で埼玉県選出の大塚拓衆議院議員と、航空自衛隊出身の宇都隆史参議院議員で、宇都議員は外務大臣政務次官として、参議院予算委員会理事として大活躍中である。また大塚議員と同様に自由民主党国防部会副部会長で、二方ともに安全保障政策立案の中枢にいる国会議員であり、大いに期待されている議員である。
 シンポジウム司会者は、葛城奈海氏で、彼女はジャーナリストであるが、防人と歩む会の会長、予備役ブルーリボンの会広報部会長であり、予備自衛官でもある。日本文化チャンネル「防人の道 NEXT」のメインキャスターとしても活躍されており安全保障問題に造詣が深い。

水交会
「海軍の歴史勉強会」のご案内
今年度は「海軍を主とする日本と中国」がテーマ
 公益財団法人「水交会」の研究委員会は、平成27年度から、主として会員の精神性の高揚及び海洋安全思想の研究基盤の確立に寄与するため「海軍の歴史勉強会」を実施している。
 昨年度は、戦後70周年を記念して、海軍に視点を当てて年6回の勉強会を実施し、太平洋戦争の開戦原因、敗戦原因等についての理解を深めた。
 これに続き本年度は、「海軍を主とする日本と中国」を共通のテーマとし、日露戦争後、陸軍が主導する満州・大陸政策が国策の中心に据えられる中、米国を仮想敵国とする海軍が大陸に対してどのように関与したかを明らかにしながら、海軍が日本近代史へ及ぼした影響などを考察する。
 年間の予定は下記のとおりで、会員以外の一般の方の参加も大歓迎であり、各回ごとの詳細な案内は水交会のホームページに掲載される。
〈年間予定>
・第7回 「日清・日露戦争における日本と中国」
講師‥田中宏巳氏(防衛大学校名誉教授)
平成28年6月1日(水)
・第8回 「辛亥革命前後の中国と日本」
講師‥馮青氏(明治大学兼任講師、中国海軍史研究家)
平成28年7月
・第9回 「第一次世界大戦前後の日本と中国」
講師‥横山久幸氏(防衛大学校教授)
平成28年9月
・第10回 「満州・上海事変の日本と中国」
講師‥影山好一郎 氏(元帝京大学・防衛大学校教授)平成28年11月
・第11回 「日中戦争前後の日本と中国」
講師‥相沢淳氏(防衛研究センター第一研究室長) 平成29年1月
・第12回 「太平洋戦争末期から終戦直後の日本と中国」
講師‥田中宏巳氏(防衛大学校名誉教授)
平成29年3月

第19期統合高級課程卒業式
〈統合幕僚学校〉
陸海空45名が卒業
 統合幕僚学校(校長・煖エ勝夫陸将(当時)=目黒)は、3月4日、目黒基地大講堂において、若宮健嗣防衛副大臣、國分防衛大学校長をはじめ防衛省内外から多数の来賓の参加を得、第19期統合高級課程の卒業式を挙行した。若宮副大臣からは、「近年、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、この課程で学んだ統合運用の重要性を忘れず、統合運用の要として、自衛隊の運用の最適化を目指し、それぞれの組織の中核的な立場で、職務に精励して欲しい」との期待が示された。また河野克俊統合幕僚長からは、「既成概念にとらわれることなく変革に取り組むこと」及び「良き伝統の継承」の2点について要望があった。煖エ学校長(当時)は、「本課程を通じ指導してきた広い視野、科学的思考力、豊かな人間性の3点に思いをいたしつつ、更なる研鑚を重ねられたい」と式辞にて述べた。
 統合高級課程は、上級部隊指揮官又は上級幕僚としての職務に必要な自衛隊の統合運用に関する広範な知識及び技能を総合的に修得することを目的として、約5か月間に渡り、講義、国内外研修及びグループ研究等所定の教育を履修するものである。
 卒業式に引き続き催された祝賀会においては、各卒業生は統幕長をはじめとする来賓からの激励を受け、それぞれ今後の抱負、課程期間中の思い出など熱く語った。その後、卒業生家族が見守る中、学校長以下、統合幕僚学校全職員の見送りを受け、学生長大久保正広1空佐を先頭に計45名(陸上17名、海上15名、航空13名)の学生は颯爽と行進し、庁舎を後にした。

与那国駐屯地隊員と町民の交流会を支援 
隊員と町民の絆深まる
〈沖縄地本〉
 自衛隊沖縄地方協力本部(本部長・山根寿一陸将補)は、3月28日に離島復興総合センター(与那国町)で行われた、与那国防衛協会(会長・金城信浩氏)が主催する「与那国駐屯地隊員と町民との交流会」を支援した。
 本交流会は、与那国沿岸監視隊新編及び陸上自衛隊与那国駐屯地開庁に伴い、与那国駐屯地隊員、西部方面隊部隊新編関係者及び与那国町民との交流会を実施して、部隊新編の労をねぎらうとともに、相互理解促進への第一歩を目的として実施された。
 交流会を実施するにあたり、本部要員及び石垣出張所所員で交流会のポスター掲示、チラシのポスティングを行い町民に交流会が催される事を呼びかけ、与那国防衛協会の面々、宮古島出張所所員で交流会にて提供する、牛のサイコロステーキやカジキの刺身の調理を行った。交流会は、与那国駐屯地隊員の紹介を皮切りに、主催者歓迎挨拶では、金城信浩会長が「与那国防衛協会は、防衛意識の普及・高揚と防衛省自衛隊への支援・協力を目的として活動し、その活動の中で与那国島の地域振興及び地域の活性化を図り、活力ある与那国島の再構築を与那国町と共に目指して行きたい」と述べた。また、乾杯では、交流会実行委員長兼防衛協会副会長でもある糸数健一氏が「与那国沿岸監視隊新編及び与那国駐屯地開庁に伴う与那国駐屯地隊員と与那国町民との交流会にご参加を頂き誠にありがとうございました。新生与那国沿岸監視隊及び与那国駐屯地の皆様と与那国町民とが手を取り合い協力関係を深めるとともに、与那国駐屯地及び与那国島の発展にあらゆる場面で連携して行くことが重要である」と感謝と決意の言葉を述べた。
 交流会には約500名の町民が集まり、駐屯地隊員と町民が笑顔で会話を行う姿が多く見られ、交流会は盛況のうちに終了した。

目黒基地所在4校隊員
気仙沼物産店を支援

〜第12回目黒イーストエリア桜まつり〜
 都内の桜が見頃を迎えた4月2日、東京都目黒区の田道広場公園で開催された「第12回目黒イーストエリア桜まつり」で、目黒基地所在の統合幕僚学校、陸海空自幹部学校の隊員9名が、目黒区と友好都市である宮城県気仙沼市の物産店を支援した。
 これは東日本大震災翌年の平成24年に何らかの形で支援が出来ないかと模索したところ、毎年9月に行われる「目黒SUNまつり」に航空自衛隊幹部学校から「焼き隊」としてボランティア7名が参加した事が始まり。これをきっかけに目黒区と気仙沼市、双方と繋がりができ、特に「目黒さんま焼き隊リーダー」の神保さんの声かけにより、翌年4月に行われる「桜まつり」の支援依頼を受け、空幹校から4名が参加した。以降、毎年4月と9月のお祭りに、目黒基地所在の4校の先任を中心に人を募り、支援を行っている。
 当日は店の飾り付けや焼き台の設置、火起こしを行ったり、イカ焼きやホタテ焼き、わかめしゃぶしゃぶの調理等を行った。若宮健嗣防衛副大臣も激励に訪れる中、売れ行きは好調、当日分が完売した。今後もまつり支援を通じて目黒や気仙沼の人達との交流を深めていく。

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