防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2013年11月1日号
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スポーツよもやま話
根岸直樹
谷繁新監督(中日)に注目
グラウンド全体を見渡す捕手出身に一流の人材あり

 "侍ジャパン"の4人目の監督に小久保裕紀選手(42)=元ダイエー、巨人=が就任した。現役時代2057試合に出場し2041安打のほかホームラン王、打点王まで獲得した名球会会員の一流打者だ。監督就任には「世界一の座復帰」の大きな期待がかけられていることはいうまでもない。
 過去、第1回・王貞治、第2回・原辰徳監督で世界一に輝いたものの、3人目の山本浩二監督では4強止まり。それだけに、小久保新監督に託された期待の大きさがうかがえる。
 小久保新監督も「気軽に引き受けていいものか、とかなり逡巡したが、引き受けた以上は、これまでの経験を全部出し切って体当たりしたい」と意気込みを語っている。任期は4年、2017年の大会に復活の可能性は十分だ。
 そんなとき、中日の監督に谷繁元信捕手(42)が現役兼任監督として就任する話が伝えられた。落合博満元監督(57)でリーグV4、日本一1回を果たし、チームはAクラスに定着したものの、その後がパッとしない中日。プロ野球最年長の高木守道監督(72)に見切りをつけ「心機一転」を計ろうというわけ。球団GMには落合氏が再登場して、若い谷繁新監督をバックアップすることになったが、一部では「谷繁は隠れ蓑、落合・中日の復活」といった見方もあるようだ。
 しかし谷繁監督は「オレはオレ流でいく。GMには相談しても、監督当時の作戦の請け売りをさせてもらうことはない。とにかく"負けない野球"をしたい」と強気だ。
 プロ野球の過去の監督を振り返ってみると、捕手出身に成功者が目立つ。野村克也を筆頭に森祇晶、上田利治、梨田昌孝…。古田敦也元ヤクルト監督、伊東勤現ロッテ監督なども一流監督に仲間入りする人材だ。捕手はグラウンド全体を見渡し、ベンチの監督とも試合運び、投手・野手の交代などを常に綿密に打ち合わせているし、選手とは年齢的に近いこともあって、チームのことを監督以上に知りつくしているから、谷繁監督への期待もそんなところにあるのだろうか。
 これに反し、投手出身の監督は成功する例が少ないようだ。10指に余る中で、日本シリーズまでコマを進める監督は数えるほどしかいない。今季の楽天・星野仙一監督はじめ金田正一、藤田元司、権藤博、東尾修、堀内恒夫、杉下茂、秋山登、村山実、稲尾和久、渡辺久信…。頭数はいるが、記憶に残る人材が少ないのは、どういうことか。
 投手は自己顕示欲が強く「何であんなタマしか投げられないんだ」「あんなタマがなぜ打てないのか」…自分の現役時代と比較し、作戦なども、コーチ陣と相談なしに決めることが多いと聞く。来季、新監督で再出発するチームも出てきそうだが、どんな戦いぶりを見せてくれるのか。小久保監督の"侍ジャパン"第1戦は11月8〜10日に行われる対台湾強化試合3連戦。まずは新監督の指揮ぶりに注目してみたい。


防衛ホーム俳句コーナー

さみしさに星の瞬く冬木立 原 つたえ
門前のきららの湖を鳥渡る 塩見 敦子
古井戸の蓋朽ち果てし石蕗 柴垣 千風
外人の子福一家の紅葉狩 並木 桂子
園児らの揃ひて詣づ七五三 藤原 あい
腰伸ばし上衣を脱ぎて落葉掃く 中條 弘道
故郷より熟柿に託し便り来る 宮田 康
古き家に独り住まひの冬菜畑 宮城 節子
犬逝きて独りの散歩草紅葉 人見 冬菜
子ら育ち聖樹を夫と飾りけり 浅野 柚香
風邪の子の膝に微睡み受診待つ 森 佳世
白壁に干柿揺るる城下町 佐藤英洋
晩秋の湯宿に集ふクラス会 宮川 栄
巫女舞の鈴澄み渡り七五三 尾野 千恵子
雨後の空澄み渡りる七五三 梅田 清風
中尊寺秘仏を拝す紅葉狩 関田 絹江
探すもの思ひ出せずに冬に入る 東 秀文
選者吟
滝壺を溢るるやすぐ水澄める 成川 雅夫


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