防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2013年9月1日号
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寄せ書き
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北アルプスの麓から応援
第13普通科連隊(松本) 副連隊長兼教育隊長 2陸佐 宮坂政行
 4月8日、来賓・家族・駐屯地所在隊員の拍手の中、挙行された入隊式の翌日、自衛官候補生たちに「自分の長所」を書かせました。「明るい」「友達が多い」「我慢強い」「元気」と各人が1〜3個の長所を書きましたが、中には「私には長所がありません」と書いた候補生も1名いました。
 そして教育訓練3ヵ月、いろいろなことがありました。入隊早々の駐屯地記念日で、例年通りレンジャー部隊の後を教育隊が徒歩行進……桁外れの存在感がある山岳レンジャーの後を、武器授与式から10日に満たない若者49名が颯爽と徒歩行進……できるほど甘くはなく練習、練習、また練習。「下手でもいいから元気良く」を合言葉に練習し、本番の観閲行進では「入隊2週間の自衛官候補生」の紹介とともに元気良く整然とした行進で、大きな拍手があり、一同達成感で大感激でした。
 一方、苦しいことも……生まれて初めての10人部屋の集団生活、課業内外時間に追われ、時には同期間の言い争いもあり、家族と会えない、彼女と会えない、自分のミスで同期に迷惑をかけた、辞めたい、自信がない云々。
 それでも最後の総合野営では25キロを完歩し、5日間の天幕生活、最後の夜の入浴とバーベキューを楽しみに雨の中、頑張る姿は3月30日に着隊した時の"ゆるい顔"ではなく、どこに出しても恥ずかしくない、精悍な若者たちでした。実際、長野地方協力本部の依頼で母校を訪問したK候補生は、職員室で「えーっ、君は本当にK君かい?」と5、6人の先生から歓声が上がったと地本からの通報がありました。
 修了式6日前の最後の教育隊長訓話は自衛官候補生を一人ずつ皆の前に立たせて、他の候補生たちに、その人の長所を自由に述べてもらいました。「隠し事しない正直者」「気配りできる」「家族思い」「区隊で一番優しい」などなど、こんな「良いところ」があったのか! 神妙に立っている候補生も私も感激の連続でした。用紙には自分で記入した長所と、同期から見た長所、そして班長・隊長からの長所を記入し、自衛官候補生課程の思い出と人間力の証明書として、各人に贈りました。
 49人の「長所」は当初の101個から、修了時は473個に増えました。ちなみに「私に長所はありません」と書いた候補生は同期から5個、班長から1個、私から1個で7つの「長所」がありました。人間としての成長を目の当たりにして、私自身、安心しました。
 巣立った教え子諸君、退職した5人の若者よ、今後も「長所・良いところ」が増えるように頑張れ! 北アルプスの麓から応援するよ。
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支援者の心のバランス
第47普通科連隊(海田市) 2陸尉 浅野光夫
 とかくストレスの多い現代社会において内面的な感情が、うまくコントロールできなくなり発病するのが一般的に「うつ病」だそうだ。
 この病気で健常者が一体どのような症状に陥るのか到底、想像もつかないところであったが、今回メンタルヘルス教育を受講して、この病気に関する全般的な知識、管理監督者が患者に対して行うケア活動要領などを理解する機会を得た。
 うつ病という病気、そしてその症状を個人または部隊として理解することの重要性、病気の兆候、メンタルヘルス機関への相談、症状に応ずる接し方、受診の勧めなどサポートに関するいくつかの要領を教えていただいた。
 しかしながら講師から「患者への対応要領には限界があることも現実である」と言われ、うつ病に対する接し方の難しさを感じた。
 組織として、また個々の隊員を管理する管理者や指揮官、あるいは上司の観点からみて、どのように患者と接するか、ご家族との連携を図り、職場復帰に至るまでのメンタルヘルスサポートが行えるかを学び、本教育を通して「少しでも患者の症状回復への一助を担うことができれば」という思いを新たにした。
 それと同時に「患者と適度な距離を保ちながらサポートの実施を心掛けなければ、逆に自立支援者自身の内面的なゆとりが損なわれる可能性がある」と感じた。
 つまり性格にもよるが、支援者の責任感が強ければ強いほど、思うように患者とのコミュニケーションが図れない、職場復帰支援プランがなかなか進捗しないなど、本人の思惑と違う方向に進む事態に直面した場合の挫折感、疲労感による過度なストレスが負担され、それらが重なることによって、心のバランスが崩れることもありうるということである。
 患者と真剣に向き合うことは大切だが、そのことが支援者自身の負担になり、精神的許容を超越したストレスやフラストレーションをかかえることになると本末転倒である。
 支援者自身の心のバランスについても、うまく立ち振る舞いを考えることも大切ではないかと自問自答しつつ、臨床心理士の貴重な講義が終了した。
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日本の海を守りたい
鳥取環境大学(鳥取地本投稿)4年生 小松昂之
 梅雨の雨のやみ間の6月22日に、鳥取港にて海上自衛隊舞鶴地方隊の「水中処分母船1号」を見学する機会を得ました。消防署との共同訓練で鳥取に入港したということでしたが、海上自衛隊一般幹部候補生の2次試験を受験した私は、入港の情報を聞き「ぜひ見学したい」と思い特別見学会に参加しました。
 見学はまず、食堂兼休憩室で水中処分母船の概要や装備について説明があり、続いて艦橋を見学しました。海上自衛隊を希望する私にとっては、興味のある機材などがあり自分でも取り扱ってみたくなりました。さらに甲板と呼ばれる部分では小型ボートやクレーン、水中処分員の器具などとても興味の湧くものでしたし、大変な仕事に従事されていることを認識しました。
 この時期にこの船を見学できたことは自衛官を目指す私にとっては、とても貴重な出来事でした。8月には一般幹部候補生の最終合格発表がありますが、皆さんの丁寧な説明、貴重な話を聞き自衛官への思いが一層深まりましたので、必ず合格して日本の海を守りたいと思います。
 最後に、とても危険で重要な仕事をされている水中処分母船の皆さん、航海と任務の安全をお祈り致します。ありがとうございました。
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自衛官になれる日を夢見て
渋川女子高校(群馬地本投稿)2年生 小田桐麻衣
 今回、私は茨城県にある大洗港で「てんりゅう」の体験航海に参加させていただきました。
 群馬地方協力本部の方からお誘いの電話をいただいたときは、あまりに貴重な経験なので嬉しさに胸が躍りました。残念ながら悪天候のため航海はできませんでしたが、海上自衛隊の訓練支援艦に乗せていただけただけで大満足です。
 自衛隊の戦闘機やヘリコプター、ジープなどは今までに見たことがあったのですが、護衛艦や訓練支援艦など海で活躍するものは一度も見たことがありませんでした。初めて見て、そのダイナミックさにとても驚き、興奮を隠せずにはいられませんでした。実際に艦の内部を見学してみると、外見とは裏腹に通路はとても狭く、長身の方は頭をぶつけてしまいそうなほどでした。階段もとても急でした。しかし、甲板や艦橋に上がってみると、そこから見える海はいつも私たちが見ている海とは違うもののように思えました。広大で厳しくて自分がとてもちっぽけに感じました。そんな環境の中で堂々と働く女性自衛官の方々には勇気と希望をいただきました。
 群馬地方協力本部の皆さん、そして自衛官の皆さん、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。改めて自衛官に強い憧れの念を抱きました。自衛官になれる日を夢見て日々邁進したいと思います。
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「島袋で金、 能勢で金」
第12普通科連隊(国分)3陸曹 能勢太志
 全自空手道大会が6月1日に行われ、個人「形の部」と団体「組手の部」に出場した。
 私は前々回の大会で個人「形の部」において優勝を果たしたが、前回は入賞すらできなかった。しかも4月に姓を「島袋」から「能勢」に改姓し「島袋で金、能勢で金」を達成すべく、今回はいつもより増して気合いが入っていた。
 結果は、個人「形の部」は見事、優勝! 団体「組手の部」はベスト8進出と入賞を果たし、11月に大阪で開催される全日本実業団大会への切符を獲得することができた。実業団大会でも「能勢で金!」を目指して精進していきたい。

「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
誠実さと協調性が特に大切
平和総合サービズ(株) 松村聖次郎
松村氏は平成17年11月、陸自第4師団第4特科連隊本部を3陸佐で定年退職。62歳

 私は平成17年11月、久留米駐屯地に所在する第4特科連隊を最後に定年退官すると同時に、援護担当者のご尽力により、福岡県小郡市に所在する平和総合サービス株式会社に再就職することができました。
 退官の2年程前から漠然とではありますが、再就職する際の希望業種は「サービス業」ということを考えていましたが、細部については援護センターの求人情報を参考に決心するつもりでした。一口に「サービス業」といってもその業務内容は多種多様であり、私はその中でも「倉庫管理」を第一に考えていましたが、結局は清掃業務が主体の「ビルメンテナンス会社」に採用していただくことになったのです。
 会社の概要は、契約いただいている20以上の現場で、正社員20名、パート従業員約70名が、契約内容に基づき勤務しています。
 私の職務内容は主に管理業務を担当しています。具体的には各現場に清掃業務資機材等を配送したり、刈払機を使用した除草作業や、ブロワーという機材を使用しての枯葉除去などの野外作業に従事したり、契約先の担当者と業務調整や業務報告等をしたり、業務用資機材の点検・整備・更新等広範多岐におよびます。
 この会社に再就職して8年目に入りましたが、今でも自衛隊での勤務経験が大いに役立っています。たとえば思考面では、戦術教育で学んだ「戦いの原則」や「幕僚勤務の要件」、また人間関係面では、服務指導で学んだ「誠実・積極性」や「努力・協調性」が大切であると痛感しました。
 最後になりましたが、これから退官される皆様に助言させていただくならば、「与えられた職務に対する誠実さと、職場における協調性」は、特に大切だと思います。これからも健康管理に留意され、今の職務に邁進してください。


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