第13旅団(旅団長・掛川壽一陸将補=海田市)は5月13日から駐屯地で補助担架員集合訓練を行っている。
これまでの訓練に参加した隊員21名は、徒手と担架による搬送要領や傷病者観察(バイタルサイン)、状況評価、初期評価とトリアージ、心肺蘇生法などの担架班に必要な基礎的事項を徹底して演練した。
ヘリと協同で
23日には第13飛行隊(隊長・北山隆茂2陸佐)の支援を受けヘリとの協同訓練を行った。
「患者輸送における緊急後送手段である航空機後送について、実機による患者搭載・卸下とホイストによる患者の吊り上げを実施または研修させることにより補助担架員として必要な知識と技術の向上を図る」ことが目的。最初はエンジン停止間での患者搭載・卸下とヘリの誘導訓練。隊員たちは訓練機での搭載・卸下要領を一つ一つ思い出しながら、慎重に患者の搬送・搭載・卸下までの流れを実施。その後ヘリのローターがまわる中、患者を搭載し離陸、別のポイントで着陸し卸下・搬送を行った。
ホイスト訓練ではピックアップ・スリング、レスキューシート、ストレッチャーを使用したヘリへの搭載訓練を行った。
隊員たちは、ヘリが巻き起こす凄まじい風(ダウンウォッシュ)が体に砂や小石を叩きつけることや、ヘリの騒音下で声による実員指揮の難しさを体感。手信号の伝達要領の重要性を認識し、迅速かつ安全な航空機後送要領を修得した。
リアリティ
28日には原村演習場で今までの訓練の練度を判定するための総合訓練。第一線救護(戦闘負傷者救護)と生地を活用した担架班の一連の行動(応用)について演練した。
第一線の攻撃行動の際、砲弾や銃弾で負傷した隊員を射撃援護下、現場から安全を確保できる後方まで下げ当初、隊員相互で救急処置を行うとともに担架班に通報、駆けつけた担架班に複数いる負傷者の怪我の状況や応急手当の詳細な状況を確実に申し送った。担架班は負傷者の初期トリアージを行い、搬送する順番などを瞬時に判断。時間経過に伴う病態の悪化を防ぐため担架搬送中も逐次隊員の状況を確認。また患者集合点に搬送し衛生科隊員に申し送るまで声かけにより負傷者を激励し続けた。隊員たちはリアリティある訓練を通じて負傷者救護の概要を修得した。 |