防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2013年6月1日号
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25年度末
電脳空間の防衛隊新編へ

統幕にサイバー防衛隊(仮称)準備室を設置

 5月16日、統合幕僚監部指揮通信システム部(部長・佐伯精司海将補)指揮通信システム企画課(課長・高屋文明1空佐)内にサイバー企画室が新設され、同室に、年度末の新編に向け、サイバー防衛隊(仮称)準備室が立ち上げられた。同日付で初代サイバー企画室長に市田章1海佐が着任した。
 サイバー企画室は、
・統幕内の関連規則の整備、業務要領の検討等サイバー防衛隊(仮称)新編に係る準備
・統合運用による円滑な任務遂行を図るためのサイバー攻撃等への対処に係る施策
 等を主な業務内容とし、市田室長以下8名で構成。16日には、指揮通信システム課の扉に「サイバー防衛隊準備室」と墨書された木看板を設置するセレモニーが行われ、小野寺五典防衛大臣、江渡聡徳防衛副大臣、岩崎茂統合幕僚長らが出席。「予算の面も含めサイバーの部分でもしっかり対応していきたい」(小野寺大臣)、「(年度末のサイバー防衛隊(仮称)の設立に向け)遺漏のなきよう準備をしっかりとしていきたい」(岩崎統幕長)などと、サイバー攻撃対処施策に関する意気込みが改めて語られた。
▽サイバー防衛隊(仮称)の概要
 防衛省は、日々高度化・複雑化するサイバー攻撃の脅威に対応するため、防衛大臣直轄の共同の部隊である自衛隊指揮通信システム隊(隊司令・筧豊隆1海佐)隷下部隊として、平成25年度末に「サイバー防衛隊(仮称)」を新編予定。防衛省・自衛隊のネットワークの監視とサイバー攻撃事案発生時の対処を24時間体制で実施するとともに、各自衛隊に分散しているサイバー攻撃等に関する脅威情報の収集と調査研究を一元的に行い、その成果を省全体で共有する。隊員数は約90名を予定。


魁の風 中央即応集団
ともに先駆ける未来へ
座間駐屯地開設・創隊6周年記念行事

 5月18日、在日米陸軍キャンプ座間で「中央即応集団司令部移転に伴う、座間駐屯地開設及び中央即応集団創隊6周年記念行事」が行われた。キャンプ座間内野球場で行われた祝賀式典には内野付近に設置された式台・観覧席に甘利明経済再生担当大臣。佐藤正久防衛政務官をはじめ衆参国会議員、自治体首長、県・市議会議員、自衛隊関係者、米軍関係者、OB、各自衛隊協力団体など多数が臨席する中、外野フィールドに中央即応集団隷下部隊約600名が参列した。
 当日は晴天に恵まれ、緑の芝生と青空のコントラストが目に眩しかった。やや強めながら爽やかな新緑の風に煽られ、翻る式台の日米両国国旗。その後方に目をやれば、バックネット裏観客席最上段に、記念行事のモットー「ともに先駆ける未来へ」同じく記念行事のテーマ「相武台での日米連携の新たな一歩」の看板が掲げられていた。
▽共に、友として
 中央即応集団司令官・日高政弘陸将は参列部隊を前に、「今ほどに日米安保態勢が機能している時はない。我々はこの状態を更に強化するため、在日米陸軍との幕僚連携、部隊間交流及び練成訓練等を推進し、この効果を、日本の安全のみならず、東アジア全体の安定に波及させるとの気概をもって職務に邁進することが、引いては我々のモットーである『ともに先駆ける未来へ』を実践・実現できるものと確信している」などと訓示した。「ともに先駆ける未来へ」の「とも」には、日米が共に友として共同の先駆けたらんとする気概が込められている。更には、地域社会と共に発展し、家族と一丸になって未来に進むという意味合いもある。当日は祝賀式典の前後に、記念植樹、陸海空航空部隊による観閲飛行、陸自東部方面音楽隊による音楽演奏、装備品展示、祝賀会などが行われた。また、中央即応集団の報道等に貢献したとして「防衛ホーム新聞社」や8団体に感謝状が贈られた。祝賀会には、サプライズゲストとして座間市のマスコット「ざまりん」が登場した。過日、日高司令官に招かれた時に採寸をして作ってもらったという「戦闘服」を着ての登場に一同大喝采だった。


15万人来場イベントで
アフリカでの活躍PR

防衛省・自衛隊がPKO事務局と出展

 5月11、12日の両日、横浜市の人気観光スポット赤レンガ倉庫で外務省主催の「アフリカンフェスタ2013inYokohama」が開催され、内閣府国際平和協力本部事務局と協力して防衛省がブースを出展した。同フェスタには外務省、横浜市、アフリカ27カ国大使館や多数のNGO団体、企業、国際機関・団体などが参加。音楽ステージやフードコートなどの文化の紹介、観光PR、参加機関・団体の活動紹介などを行い、計約15万人の来場者に好評を博した。
 防衛省/PKO事務局ブースには南スーダンPKOを主体にした活動の紹介写真パネル、PKOキャップ・迷彩服などを活用した記念撮影コーナー、防衛省のチラシ類などが置かれた。「来場者一様に、防衛省・自衛隊がアフリカでも活躍していることに驚いていた。遠く離れた地で国際平和維持に貢献する隊員に感謝の声を聞くことができた」(防衛省広報課)。国際機関・団体コーナーは会場入口付近ということもあり、また、2日目には防衛省本省参加イベントとしては初登場の陸上自衛隊のキャラクター「タクマ君」、「ユウちゃん」の活躍も功を奏して老若男女問わず幅広い来場者が滝のように集まった。また、広報課の制服自衛官も参加して注目を集めた。来場者へ自衛隊の活動等について分かりやすく説明、数多い記念撮影リクエストに対応するなどして好評だった。


海上自衛隊輸送艦「おおすみ」への
ヘリ発着艦訓練

東北方面航空隊 陸自

 東北方面航空隊(隊長:椿裕一1陸佐=霞目)は、海上自衛隊輸送艦「おおすみ」へのヘリコプター発着艦訓練を行った。これは、国際緊急援助活動準備訓練として沼津沖で行われたもので、東北方面航空隊からはヘリコプター(UHー1)×2機が参加し、操縦士の発着艦能力の向上と海上自衛隊との連携要領を演練した。
 当日は穏やかで波も無く、輸送艦の隊員が驚くほど静かな海だった。ゆっくりと前進する輸送艦に対し、ヘリコプターは無線で通報しながら周回飛行し海上自衛隊の誘導により甲板に着陸(写真)。2機のヘリコプターはそれぞれ2回ずつ訓練を行った。
 普段、地形地物を確認しながら飛行している陸上自衛隊の操縦士にとって、何もない海上を飛行し、輸送艦に近づく操作は錯覚に陥り易く、操縦士相互の連携と経験が必要となる。また、誘導動作に陸・海の違いがある。操縦士等は相互に確認・発唱しながら慎重に操作していた。また、航空隊長は本訓練をヘリコプター及び艦上から視察した。


雪月花

 5月末、東京・新宿で東ティモールの写真展が開かれた。現地に常駐するJAICAの職員や長期滞在する日本人、同国の人たちが撮影した約700点が展示された。頭の上に薪を載せて運ぶ少女は屈託のない幸せな顔を見せている、自宅の土間で機を織る女性の仕草は筆者の祖母が機織機をかちゃかちゃしていたことを思い出させる。重なるようにおおぜいの子どもが遊ぶ情景などほんの何年か前の日本と同じだ。鼻の奥がツーンとなるような郷愁を覚える。同国へは2002年の独立から自衛隊は国連平和維持活動への協力として延べ約2300人を派遣している。弊社からも記者を派遣したが情勢不安定下の女性記者だったため各国のメディアから逆に取材されたこともあった。今回の写真展の主催は駐日東ティモール大使館だが、協力団体に日本・東ティモール協会が参加している。同協会は元防衛施設庁長官の北原巌男さんが中心になって立ち上げた。同氏は2009年から東ティモールの大使を務めたが退官後も何度となく同国を訪れ、グスマン大統領とも良好な関係のようだ。さらに現在防衛大学校には東ティモール人が8人学んでおり今後とも毎年2人が入学の予定らしい。外交や交流はいろいろなチャンネルで進めることが理想と言われているが、日本と東ティモールとはまことに楽しみな友好国関係になりそうだ。(所谷)


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