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自衛隊ニュース   2013年3月1日号
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片岡空幕長 ASEAN3ヵ国を歴訪
空軍司令官等と意見交換
更なる防衛交流を促進することに合意

 片岡晴彦空幕長は、ハイレベル交流の一環として、1月23日〜2月1日のスケジュールで、公式招待を受けたタイ王国、シンガポール共和国、マレーシアを相次いで訪れた。
 タイ(空幕長の訪問は8年ぶり)では、国防次官、国軍副司令官、空軍司令官、スラタニ基地のタイ空軍部隊を訪問。シンガポール(同9年ぶり)では、国防大臣、国軍司令官、空軍司令官、パヤレバ基地の空軍部隊を訪問。マレーシア(同20年ぶり)では、国軍司令官、空軍司令官、バターワース基地・スバン基地の空軍部隊をそれぞれ訪問した。
 いずれの訪問国も、前回の空幕長の公式訪問から期間が空いていたが、<INLINE NAME="" COPY=OFF>岡空幕長は各国の軍高官と、軍事情勢・地域情勢・相互の防衛交流等をテーマに幅広い意見交換を行い、相互理解と信頼関係の強化を図った。
 また、今後、3ヵ国の空軍と航自の間で、あらゆるレベルでの防衛交流を通じ、更なる相互理解の促進と信頼関係の深化を図ることについて合意に至った。
 片岡空幕長は今回の3ヵ国歴訪について、「わが国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増していますとともに、航空自衛隊の海外における活動、訓練の機会は増加の傾向にあります。各国空軍との防衛交流の重要性は、今後一層高まるものと考えられ、各種人的交流の充実や、多国間の共同訓練への参加等を積極的に進めて参りたいと思います」などとコメントしている。


演奏で自衛隊の姿を感じて欲しい
陸上自衛隊中央音楽隊
武田晃隊長インタビュー

 「自衛隊音楽まつり」や「定期演奏会」など聞く人を魅了して止まない陸上自衛隊中央音楽隊。自衛隊最大編成のため幅広い演奏が出来るのも魅力の一つである。防衛大臣直轄部隊である陸上自衛隊中央音楽隊の隊長・武田晃1等陸佐に第138回定期演奏会後(防衛ホーム2/15号に記事掲載)お話を伺った。
   ◇   ◇
Q 演奏会の前に心がけていることは何ですか?
A リハーサル前に演奏する曲の勉強を十分にやって、解釈や表現について迷いが無い状態にしておく事を心がけています。
Q 聞いている方は「自衛隊の演奏会」と思って聞き始めますが、それが段々普通のオーケストラを聞いているような気分に変化していくと思います。そういう観客の変化は感じますか?
A 観客の方々が音楽に集中しているというのは感じることがあります。背中を向けている指揮者が解るのだから、演奏者はもっとわかると思います。
Q 今回の曲は知らない曲が多かったのですが、聞き終わった時に「いい音楽を聞いた」ととても満足しました。知らない曲でもこんなに感動出来るのですね。
A それはいつも心がけていることです。観客のニーズに合わせた曲の選択ももちろん大事ですが、観客にこちらが選んだ曲で満足して貰えるように努力しています。
Q 今回は全部フランスの曲ですが、なぜですか。
A フランスと日本の軍楽隊の交流は明治5年フランス軍事顧問団のらっぱ教官であるG.ダグロンを、明治17年フランス陸軍第78歩兵連隊軍楽隊長のC.ルルーを指導者として招いた事から始まりました。その後日本陸軍軍楽隊から5名をフランスに留学させるなど、交流は深まり現在に至っています。また、フランスの楽譜は軍楽隊など大編成で演奏するものが多く、しかも、楽譜は簡単に手に入らないのです。しかし中音では大編成の演奏もできますし、フランスから楽譜を手に入れていたのです。聞く機会の少ない戦前の陸軍軍楽隊が影響を受けたフランスの吹奏楽と管弦楽を聞いてもらおうと選曲しました。
Q 陸上自衛隊中央音楽隊といえば、特別儀じょうがありますが、普段の演奏会とは違う気持ちですか?
A 特別儀じょうというのは、特に海外からの賓客に対しては国として敬意を表す意味があります。演奏会は、「楽しんでもらおう」「自衛隊を理解してもらおう」「自衛隊に親しみを持ってもらおう」という意味もあります。しかし、演奏や動作に集中する気持ちは一緒です。身だしなみ等の気遣いも同じです。
Q 演奏会に来られた方へのメッセージをお願いします。
A 自衛隊には、陸上自衛隊だけでなく、海上自衛隊・航空自衛隊にも音楽隊があります。ぜひ色々な自衛隊の音楽隊の演奏を聞いて頂いて見て頂いて、自衛隊の姿を感じて欲しいと思います。また、さらに自衛隊への理解も深めて頂けたらと思います。


雪深く酷寒の中、全隊員踏破
八甲田山で5聯隊の顕彰と部隊の練度向上
第5普連科連隊

 第5普通科連隊(連隊長・青木広治1陸佐=青森)は1月29日、雪深い酷寒の八甲田地区において八甲田演習を実施した。
 同演習は、歩兵第5聯隊の偉業の顕彰と積雪寒冷地における部隊の基本的行動の錬度向上を目的として、昭和40年から(昭和41年〜45年を除く)行われ、今年で44回目となる。28日、演習に先立ち連隊長以下246名が幸畑陸軍墓地を参拝、八甲田雪中行軍遭難軍人・山口ケ少佐をはじめとする210柱の勇士に出発を報告した。
 翌29日、この日の八甲田地区は気温マイナス5度、風速7m、時折吹雪く天候の中、出発地点の小峠を午前6時半に情報小隊が出発、その後、先遣中隊の第1中隊を先頭に中隊毎順次スキー行進を開始した。連隊長以下625名は約20?の装備と、4〜5名で曳行する約80?のアオキ(大型のソリ)をものともせず、行進終了地点である銅像茶屋までの約7・4?を全隊員が踏破した。銅像茶屋到着後、風雪が吹き荒れる馬立場(標高732m)の後藤房之助伍長像に礼拝した隊員らの顔には自信と充実感が満ち溢れていた。


積雪地戦闘能力を向上
第3次連隊練成訓練を実施
第30普連科連隊

 第30普通科連隊(連隊長・谷俊彦1陸佐=新発田)は、1月28日から2月1日、大日原演習場で「第3次連隊練成訓練」を実施した。本部管理中隊は、各小隊及び中隊本部が訓練に参加した。
 冬季訓練検閲受閲部隊の情報小隊及び通信小隊は完全武装によるスキー機動の後、集結地を占領。その後、情報小隊は、偵察・敵情監視、直轄斥候訓練、スノーモービルによる曳行スキー訓練を、通信小隊は、通信所を開設し、無線交信及び有線構成・追随構成等を実施した。衛生小隊は、各普通科中隊に救護員を配置し、救護活動を実施した。
 中隊本部及びその他各小隊は、集結地占領の後、夜を徹して陣地を構築して天幕設営する等、積雪地の戦闘行動を演練した。
 第1中隊は、1小隊を防御、主力が完全武装によるスキー機動、集結地占領、敵情偵察、宿営、攻撃を実施し、砲迫火力と連携した積極果敢な攻撃を演練した。
 第2・3中隊は、対抗方式で攻防戦を実施した。
 第2中隊は攻撃部隊となり、夜間に五頭山麓のやまびこ通り約13Kmをスキー機動した後、演習場に集結地を占領。攻撃準備後、積雪地形・気象を克服して積極果敢に攻撃前進し、対抗3中隊の応戦に屈することなく突撃した。
 第3中隊は防御部隊となり、夜間に阿賀野市内・笹神地区の道路約40Kmを徒歩行進した後、演習場に集結地を占領。引き続き、積雪地形を克服して陣地・掩体・障害等を構築。第2中隊の攻撃に対し、準備した偽陣地及び偽障害と相まった火力をもって応戦した。
  30普連は、「極寒の中で各中隊は積雪地戦闘能力の向上を図ることができた」としている。


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