砕氷艦「しらせ」の艦長・松田弘毅1海佐は4月12日、渡邉研太郎南極観測隊長(54次隊)、石沢賢二越冬隊長(53次隊)とともに防衛省で小野寺五典防衛大臣に帰国申告を行った。 松田艦長は「観測協力行動を終了し帰国いたしました。異状ありません」と報告。渡邉、石沢両隊長は感謝の言葉とともに「大きな支援をいただき、越冬成立に十分な物資を運んでいただきました」「53次越冬隊31名、全員無事に戻りました」と報告した。 小野寺大臣はそれぞれに労いの言葉をかけた後、3人と懇談。「しらせ」の模型を前に「かなり揺れるんですか」と質問するなど興味深そうに話を聞いていた。写真左=(左から)帰国申告をする松田艦長、渡邉南極観測隊長、石沢越冬隊長、(右前)小野寺防衛大臣、同右=「しらせ」の模型と(左から)小野寺大臣、松田艦長、石沢隊長
防衛省の入省式が4月1日、省内講堂で行われた。総合職、一般職、および専門職の新規採用者全員を一堂に集めた合同での入省式は今回が初めて。 今年度入省したのは計227名で女性は68名。総合職は34 名、このうち事務職は12名(女性2名)、技術職は22名(同3名)。一般職は大卒89名(同12名)、高卒70名(同29名)。専門職(語学)が34名(同22名)。 小野寺五典防衛大臣は訓示の中で「安全保障環境が一層厳しさを増す中、防衛省・自衛隊には高い志と気概をもった優秀な職員が増々必要となっている。この期待を担って任務を遂行するのは今、まさにここにいる諸君である」と激励した。 入省者全員の名前を読み上げたあと辞令交付、入省者の服務の宣誓(いずれも代表者は岩丸栄樹さん=大臣官房文書課に配属)と続き、西正典事務次官は説示で「幅広い視野と豊かな発想力を養い、自分と異なる多様な考え方に謙虚に耳を傾けた上で判断を下すことのできる職員になってもらいたい」と述べた。写真左=訓示する小野寺防衛大臣、同中=西事務次官が代表者に辞令交付、同右=入省者の服務の宣誓
3月29日、厚木基地で新型固定翼哨戒機P-1量産初号機「5503」(機長・伊藤賢秀2海佐)の空輸完了式典が行われた。5503機は12時30分に岐阜基地を離陸し、14時10分、航空集団司令官・重岡弘海将、第4航空群司令・森田義和海将補をはじめ第51航空隊(司令・畠野俊一1海佐)の隊員約200名が見守る中、厚木基地に着陸。タラップを降りた伊藤機長以下搭乗員は畠野51空司令と共に重岡空集団司令官の前に整列し、空輸完了報告を行った。重岡空集団司令官は、初号機「5503」及び、式典終了直後、初号機に引き続き空輸された2号機「5504」の運用試験を行う51空隊に対し「早期戦力化に全力を注げ」、「魁たる誇りを持て」などと訓示した。写真左 厚木基地上空を低空飛行する「5503」写真中 空輸完了報告を受ける重岡司令官写真右 式典に臨んだP-1量産初号機「5503」とP-3C「5588」(奥)
金澤博範防衛事務次官の離任行事が3月29日、防衛省講堂や儀仗広場などで行われた。金澤次官はメモリアルゾーン内にある自衛隊殉職者慰霊碑に献花した後、午後4時過ぎから講堂で防衛省・自衛隊の高級幹部、職員多数を前に離任式に臨んだ。 離任の挨拶の中で金澤次官は「我が国を取り巻く安全保障環境は格段に厳しくなった。太い幹から小さな枝まで目くばり心くばりをして、我が国の防衛政策が確たるものとなるよう取り組むことをお願いする」と述べた。 職員を代表して西正典防衛政策局長(現・事務次官)が送別の辞を述べ、在任中の功績を称えた後「金澤次官は天空海闊、いつも笑顔を絶やされることのない、懐の深い方でした。防衛省・自衛隊が風通しのよい組織でありえたのも、まさに次官のお人柄があったことによるものです」と感謝の言葉とともに別れを惜しんだ。 儀仗広場で栄誉礼を受け巡閲した後、金澤次官は沿道に立ち並ぶ大勢の職員の見送りを受けながら正門へと移動。拍手の中、女性職員から花束を贈られ、防衛省を後にした。写真左=職員を代表し送別の辞を述べる西防政局長(現・事務次官)堰A同中=栄誉礼を受け巡閲する金澤事務次官、同右=盛大に金澤次官を見送り
防衛大学校(国分良成学校長)は3月17日、本科第57期学生と研究科学生の卒業式典及び本科卒業生の幹部候補生任命・宣誓式を同校大講堂で行った。安倍首相は式典の訓示で、卒業生を前に、4年前の米国ハドソン川への航空機の緊急着水を例にあげ、「一生に一度あるかないかの『その時』に完璧に任務を全うする。その心構えを常に持って、鍛練を積み重ねてほしい」と要望した。本年度の本科卒業生は424名(うち女子27名、留学生11名)。陸上208名、海上101名、航空96名の幹部候補生が誕生した。写真左=式典の直後、伝統の“帽子投げ”写真中=「先輩に続け」と安倍総理が激励写真右=午後の観閲式。真新しい制服に身を包んだ初々しい幹部候補生が後輩の行進を見守る
小野寺五典防衛大臣は3月14日、安倍晋三総理大臣代理の木村太郎補佐官を伴い、自衛隊体育学校(校長・福田築陸将補=朝霞)を視察し、レスリング選手らを激励した。 体校を中心に自衛隊からは昨年のロンドン五輪に13名の選手を送り出し4名がメダル獲得、そのうち2名がレスリングで金メダルに輝いた。2020年のオリンピックでレスリングが除外候補となっていることに対して、小野寺大臣は「日本にとってお家芸%Iな大変重要な競技。防衛省・自衛隊としても正式種目に残るように努力していきたい」と述べ、「とくに米国、ロシア、さらにイランなどこの問題に関心の高い国々の首脳レベルの人物と会うときに、一緒に除外反対の発言をしていきたい」とした。 安倍総理大臣からは全閣僚へ「あらゆる機会を通じて東京オリンピックの誘致に努力するように」との指示が出ている。小野寺大臣は「2020年に東京でオリンピック開催の場合には、ここ(朝霞駐屯地)が射撃競技の会場になるためIOC委員が視察に訪れている。防衛省・自衛隊をあげてオリンピック誘致に努力していきたい」と述べるとともに、「まずは次のリオ五輪で素晴らしい成績をあげることが大切。選手の皆さんが不安にならないよう、これからも研鑽を積んでいただけるような環境づくりをしていく」とした。写真左=懇談の席で小原日登美1陸尉の金メダルを手に嬉しそうな小野寺防衛大臣、同中=レスリングの練習に参加し金メダリストの米満達弘3陸尉を抱え上げる小野寺大臣、同右=選手の練習の様子に興味津々の大臣
小野寺五典防衛大臣は1月21日、海上自衛隊初度視察のため横須賀基地を訪れた。午前9時過ぎ、防衛省からヘリコプターで逸見岸壁に到着した小野寺大臣は、自衛艦隊司令部で現状報告を受けた後、護衛艦「きりしま」の艦内を懇談や会食などを含め約2時間かけて視察した。 視察後は隊員約450名を前に訓示に立ち「我が国周辺の安全保障環境は一層厳しさを増している。諸君の行う警戒監視などの任務は極めて重要」とした後、「私は東日本大震災で被災した宮城県の出身だが、諸君をはじめ多くの隊員が、我が身より被災者を優先し、黙々と救援活動に取り組む姿に勇気づけられた。諸君の献身的な活動に改めて敬意を表する」と述べ、最後に「即応態勢を確実に維持し、一層任務に精励することを切に望む」と要望した。写真左=護衛艦「きりしま」左舷梯から乗艦した小野寺大臣を出迎え。右前は自衛艦隊司令官・松下泰士海将、同中=艦内視察でレーダーの説明を受ける大臣、同右=隊員450名を前に訓示
1月13日、習志野演習場で第1空挺団(団長・前田忠男陸将補=習志野駐屯地)による平成25年降下訓練始めが行われた。陸自の訓練初度視察で最精鋭部隊の第1空挺団を視察し、「日々の厳しい訓練を実感した」などと訓示した小野寺防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、来賓、一般来場者など約1万1000人が、「精鋭無比」を掲げて日夜訓練に励む空挺部隊の勇姿を見届けた。例年は、本土の敵占領地域の背後に空挺降下し陣地を奪回する想定で行われるが、本年は「島嶼防衛」をテーマに、「島嶼に対する敵国の武力侵攻に対し、陸海空統合で空挺作戦を行い、地域を確保する想定」で実施された。写真左 C-1輸送機から次々に降下する空挺主力部隊写真中 UH-1Hからドアガン射撃写真右 落下傘を手に取る小野寺防衛大臣
陸自第1ヘリコプター団(団長・田中重伸陸将補=木更津)は1月8日、恒例の年頭編隊飛行訓練を行った。訓練開始式の訓示で、田中団長は「我々は高い空中機動能力を持って任務に即応し完遂するため、即応態勢を維持しつつ練度の向上に努めなければならない。年頭の編隊飛行訓練に際し、全隊員が心を一つにして今年一年の精進努力を誓う」と述べた。 午前10時30分、木更津飛行場を離陸した大型ヘリ12機は華麗に編隊を構成しながら、富津・木更津・袖ヶ浦西側海上から相模湾の上空を経て、約1時間半後に無事、帰還。日頃の訓練の成果を示した。富津岬の先、第1海堡から袖ヶ浦沖へ向けて飛行中、中央即応集団司令官・日政広陸将が磯子からUH―60に搭乗し訓練を視察、機上より隊員へ向けて訓示し、激励した。日司令官は『安全の確保』を強調し「航空機の事故は国民の尊い生命、財産をも奪いかねず、これまで積み上げた国民の信頼を一挙に喪失することを肝銘しなければならない。基本・基礎の不履行に起因する事故は決して起こしてはならない」と述べた後、「本日の年頭編隊飛行は見事であった」と隊員を讃えた。写真左=訓練開始式で訓示する田中団長、同中=式に臨む1ヘリ団の隊員、同右=東京湾から浦賀水道、相模湾上空を編隊飛行
統幕とロシア連邦軍参謀本部の幕僚による率直な対話を通じ、相互理解と信頼関係の強化を目的とした会合、第9回「日露スタッフ・トークス」が12月17日から19日まで防衛省などで行われた。 統幕防衛計画部長・尾上定正空将補が日本側代表、露側は連邦軍参謀本部作戦総局長代理ルツコイ地上軍中将が代表で、主として北東アジア情勢について意見交換。協議は「国際社会の平和と安定のために、日露が取り組むべき課題」と、それらに関する具体的方策に焦点をあてた。 日露双方は北朝鮮の「人工衛星」と称するミサイル発射は「地域の平和と安定に大きな影響を及ぼす許容しがたい行為」との認識を共有した。 また、ソマリア沖・アデン湾での海賊対処活動に関し、露連邦軍は現在活動している艦艇に加えて哨戒機を派遣する予定で、今後この活動について日露間での協力をより一層強化すること、さらに捜索救難共同訓練や災害救援、人道支援といった分野での実務的な交流や協力を進めることで一致した。写真=統幕防衛計画部長・尾上定正空将補宴鴻Vア連邦軍参謀本部作戦総局長代理ルツコイ地上軍中将