8月24日、市ヶ谷記念館が来館者30万人を達成した。市ヶ谷記念館は、市ヶ谷地区に所在した庁舎や極東国際軍事裁判の法廷となった大講堂などを移設・復元したもので、平成12年から始まった市ヶ谷地区の見学イベント「市ヶ谷台ツアー」(毎週月〜金開催)において多くの参加者に親しまれてきた。記念の来館30万人目は、当日の市ヶ谷台ツアー午後の部に父親とともに広島県から参加した16歳の高校2年生。祖父がかつて航空自衛隊員で、幼い頃から自衛隊に親しみを持っていたといい、海上自衛隊を志望している。神風政務官から花束を贈呈され、感激の面持ちで記念セレモニーに参加していた。写真左から 花束を贈呈する神風政務官 30万人達成記念セレモニー
8月16日、横須賀地区で森本防衛大臣が部隊視察を行った。海上自衛隊の部隊視察は初めて。午前は護衛艦「ひゅうが」、午後は潜水艦「おやしお」の視察の一部を報道陣に公開した。両艦を視察後、「ひゅうが」格納庫内で「本日、常に緊張を強いられる最前線にあって隊員諸兄の士気溢れる姿を見ることが出来、大変心強く、また、誇らしく感じます」などと訓示。続いて行われた記者会見では、「これからも引き続き部隊を廻って隊員の顔を拝見しながら、隊員が非常に厳しい環境の中で任務を遂行している状態をつぶさに見て激励して参りたいと思っています」「海上自衛隊の活躍の幅、内容は広がっています。限られた艦艇と人員で、困難で複雑な任務を遂行している大変士気の高い部隊を直接見る事が出来て大変、今日は勉強になりました」などと述べた。その後、森本防衛大臣は、夕方には日本がアメリカに返還を求めている深谷通信所、上瀬谷通信施設を視察した。写真左から 「ひゅうが」飛行甲板で説明を受ける森本防衛大臣、「おやしお」のハッチから艦内へ、「ひゅうが」格納庫で訓示を述べる森本防衛大臣
防衛省は、8月8、9の両日、小中学生を対象にした一般募集イベント「ピクルス王子とパセリちゃんの市ヶ谷台探検ツアー」を行った。毎年夏休みの時期に開催される同ツアーは、定員に倍するほどの応募がある人気のイベントで、今年度は両日併せて保護者含め199人の参加者があった。テレビゲームをモチーフにした内容の子ども向きの広報ビデオを使った防衛講座や屋外ヘリ展示見学、広報展示室での見学や体験装着、隊員食堂での体験喫食、手旗信号体験、儀じょう訓練見学、警務隊の装備品展示などに加え、ツアーの目玉である、子どもたちと森本防衛大臣との大臣室での懇談(保護者たちは同時刻に市ヶ谷記念館の見学)では、大臣から「自衛隊に入りたい人は手を挙げて」との呼びかけに、「空挺団に入りたいです」「自衛隊で看護の仕事がしたいです」と積極的な回答があった。ツアーの最中に「防衛大学校に入るにはどんな勉強が必要ですか。算数と国語どっちが大事ですか」「決めた!高等工科学校に子どもを入れます」などとツアーに同行している陸海空の自衛官、事務官に話しかける子どもや保護者の姿が見られ、参加者は、ツアーを消化していくうちにどんどん自衛隊への興味が沸いている様子だった。写真左から 「なぜ自衛隊が出来たのですか」との小学生の問いに、世界地図を指差して説明する森本防衛大臣 ヘリ展示は大人気 賑やかだった子どもたちも特別儀じょうの訓練展示に息を呑んで見入っていた
ロンドンオリンピック第13日の8月8日(英国時間)、レスリング女子48s級に出場した自衛隊体育学校(朝霞)の小原日登美1陸尉が金メダルを獲得した。体校としてはロサンゼルス五輪の宮原厚次2陸佐以来28年ぶり、女性自衛官としては初の快挙。 小原1陸尉は以前、本紙の取材に対し「体育学校生活の集大成としてオリンピックに向けて頑張りたい」と話してくれたが見事、最高の結果となった。 試合後、小原1陸尉は「本当に信じられないです。まだ、オリンピックで優勝したという実感がないですが、皆の力で取れた金メダルだと思います。皆の応援が力になってマットに立ったとき、一人じゃないんだと思えたので諦めずに頑張れました。今まで支えてくれた皆の顔が浮かんで、皆に笑顔を見せることができて、皆に恩返しをすることができてとても嬉しいです。本当にどんなときにも諦めずに頑張れば夢がかなうんだと思います」と語った。
防衛省では、市ヶ谷地区の庁舎や官舎、市ヶ谷記念館などを約2時間30分かけて巡る市ヶ谷台ツアー(毎週月〜金の午前・午後に開催、要事前予約)を実施している。夏休みに入り、ツアーは連日、学生や子ども含め多くの参加者で賑わっているが、現在、ツアーの目玉である市ヶ谷記念館では「書で観る『山本五十六』とその時代展』を開催中。山本五十六元帥の遺墨をはじめとする当時の資料などが、海自鹿屋基地、海自第1術科学校、防衛大学校など防衛省・自衛隊の施設から集められている。普段は全国各地に所蔵されている資料を同時に見られる貴重な機会とあって大きな注目を集めており、「この企画展を目的にツアーに申し込まれる方もいらっしゃいます」(ツアースタッフ)という。「書で観る『山本五十六』とその時代展」開催期間:平成24年7月18日(水)から10月19日(金)■市ヶ谷台ツアー「書で観る『山本五十六』とその時代展」開催のご案内(防衛省HP)http://www.mod.go.jp/j/publication/events/ichigaya/isoroku/index.html市ヶ谷記念館は市ヶ谷台ツアーにおいて見学することが出来ます。■市ケ谷地区見学(市ケ谷台ツアー)のご案内(防衛省HP)http://www.mod.go.jp/j/publication/events/ichigaya/tour/index.html 写真左から 『書で見る山本五十六とその時代展』展示風景 海上自衛隊が撮影協力などを行った映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』で使用された衣装や食器なども展示 山本五十六元帥が揮毫した石碑の碑文「常在戦場」の拓本は圧倒的な存在感
7月30日、森本防衛大臣が第1師団(師団長・反怖謙一陸将)及び中央即応集団(司令官・日高政弘陸将)において、就任以来初となる陸上自衛隊部隊視察を行った。森本大臣は午前中に1師団を訪れ、栄誉礼・儀じょう、幹部からの状況報告を受け、その後、師団隷下部隊・駐屯地部隊を巡閲した。訓示の中で「本日まさに、最前線にある隊員諸君の士気溢れる姿を見ることが出来、大変心強く、また、誇らしく感じました」などと述べた。引き続き、庁舎内での会食・休憩を挟み、展示された各種装備品を視察。最後に最新鋭の10式戦車の前で報道陣の取材を受け、先日行われた1師団による市街地のレンジャー訓練や首都直下型地震を想定した訓練について、「災害などを想定した各種の訓練は自衛隊にとっても地元自治体にとっても重要なことで、これからも連携をどんどん強めていっていただきたい」と感想を述べている。写真左から 儀仗を受ける森本防衛大臣(右)と反怖師団長 師団隷下部隊を巡閲する森本防衛大臣 装備品展示で専門官の説明を受ける森本防衛大臣
7月27日、新たに着任した在日米軍司令官兼第5空軍司令官サルバトーレ・A・アンジェレラ中将が防衛省を訪問し、森本防衛大臣、岩崎統幕長を表敬した。写真左 特別儀仗を受ける岩崎統幕長、アンジェレラ在日米軍司令官 写真右 大臣室を表敬し森本防衛大臣と懇談。「日本には旧知の将官も大勢います」というアンジェレラ中将に対し「日米の動的な防衛力を進めるという面で司令官の多大なご尽力に期待したいと思います」と森本大臣
灼熱の太陽がギラギラと眩しい7月14日、陸上自衛隊体育学校(学校長・畑中誠陸将補)でロンドンオリンピックに出場する自衛隊選手の壮行会が華々しく行われた。真新しい真っ赤な日本代表のジャケットを着て選手が入場すると体育館が割れんばかりの大拍手。「プレッシャーに負けず、力を出し切って来て欲しい」自衛隊選手への期待が感じられた。 7月27日から8月12日、体育学校が一丸となってサポートしてきた12名の同校学生と予備自衛官1名の計13選手が出場するロンドンオリンピックが開催される。日本国自衛隊選手の活躍から目が離せない期間となりそうだ。
自衛隊統合防災演習の指揮所訓練が7月19日、朝霞駐屯地で公開された。陸海空合同で陸自東部方面隊を基幹とする「災首都圏統合任務部隊」(JTF)が指揮幕僚活動などを演練。訓練統裁部、JTF司令部、6都県災害対策本部、東方隊隷下の部隊などが役割に応じてコンピュータを用い様々なシミュレーションを行い、対処などを検証した。今回は「トモダチ作戦」を踏まえ初めて日米調整所を設置、米軍も演習に参加した。 JTF訓練統制官の東部方面総監・渡部悦和陸将は「人命救助など災害派遣任務を完遂するため、重要かつ不可欠な演習であると深く認識している。成果を踏まえ、関係機関などと連携を図りながら『錬磨無限』をモットーとして、災害対処能力の向上に努めていく」と述べた。写真左=訓練統制部のスクリーン、同中央=日米調整所で図面を使い打ち合わせ、同右=東方隷下の部隊員ら
自衛隊統合防災演習に連接して空自入間基地で行われている後方補給実動訓練が7月19日、公開された。陸自関東補給処(処長・海沼敏明陸将)の計画で開設・運営した3つのFSA(前方支援地域)の1つ「入間FSA」は埼玉と東京北部を担任し約150名態勢。うち約50名は北海道補給処から参加した。 災害派遣要員の隊員約1万8000名と車両約3700両の3日分の補給品を集積し保管。糧食18万食、各種部品等210トンを天幕約15張に収納した。燃料ドラム缶860本(軽油600、灯油200、ガソリン60本)は一部を除き上下2列にして野積みにした。今回はダミーではなく実物の物資を初めて運び込み、これまでで最大規模の訓練となった。結果を検証し、来年2月に再び訓練を行う予定。写真左=入間FSAの指揮所、同中央=物資を運搬する隊員、同右=軽油など燃料ドラム缶の列