防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1054号 (2021年7月1日発行)
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機略縦横(19)
潜水艦隊先任伍長 海曹長 松井 克之
 若い隊員から、「先任伍長になって良かったことは?」や「苦労したことは?」といった質問を受けることがある。そんな時、いくつもある体験の中から適当と思われるものを選んで話をするのだが、良い話も、また悪い話も、その要点は人間関係の構築(コミュニケーション)の良し悪しというところに落ち着くように思われる。
 先任伍長の大事な役割・眼目は、海曹士をシッカリとまとめ上げて、指揮官をキッチリと補佐することである。そして、その役割を果たして行く上で必要な要素は、術科に関する高い知識技能はもちろんであるが、やはり、一番大切だと思うのは良好な人間関係を構築できる人間性とコミュニケーション能力であろうと改めて実感している。
 先日、隷下部隊の先任伍長の交代式に参列した。行事の合間に笑みのこぼれるシーンが何度も見られた。そんな和やかな雰囲気が続いたが、最後の見送りの際に、去り行く先任伍長と言葉を交わしながら涙を浮かべる乗員がいた。それを見ているうちに近頃涙腺が緩くなった私も涙を流していた。それは、その先任伍長が乗員達との間に十分な信頼関係を構築していた証であり、かつ、その艦の乗員が一体となっているということを実感することのできる光景であった。事実この艦は、周囲からも高い評価を受けている良い艦であった。
 最後に、世代間のギャップや世の移ろいを色々感じさせられる日々ではあるが、そんなことを嘆いていても仕方なく、また、いつの世も人は最も大切な宝である。高い志をもって入隊した隊員をしっかりと育てるためにも、先任伍長として、残りの期間、出来る限りの努力を続けていく覚悟である。

在日米軍司令部最先任上級曹長へ山崎統幕長から感謝状を贈呈
 6月9日、統合幕僚監部において在日米軍司令部リチャードL・ワインガードナー最先任上級曹長は、山崎幸二統合幕僚長より自衛隊と在日米軍との緊密な連携及び相互の信頼の強化に寄与した功績により感謝状を贈呈された。
 ワインガードナー最先任上級曹長は、平成30年12月着任以来、統幕最先任澤田茂准陸尉と緊密に連携をとり、日米共同部隊訪問や日米最先任下士官等会同を通じ、最先任上級曹長としての役割やその重要性、最先任のあるべき姿などを日米両国の下士官に対し示すとともに、日米の下士官交流を積極的に推進し、強固な日米同盟の構築に著しい功績をあげた。
 統合幕僚長から感謝状を贈呈された後、ワインガードナー最先任上級曹長は「各幕最先任と一つのチームとして、日米両国の緊密な関係構築に貢献できたことに感謝申し上げます」と述べた。統幕最先任澤田准陸尉はワインガードナー最先任上級曹長の最後の防衛省自衛隊訪問となったこの日、「これまでの自衛隊への協力に大変感謝しています」と述べ、在職間の労をねぎらうとともに別れを惜しんだ。

米インド太平洋軍司令官が山崎統幕長を表敬
地域の平和と安定のための日米同盟
 山崎幸二統合幕僚長は6月1日、就任後初の海外訪問先として日本を訪れたアクイリーノ米インド太平洋軍司令官と会談を行った。
 会談では、厳しさを増す安全保障環境や我が国周辺の情勢について認識の共有を図り、今後も地域の平和と安定の維持に積極的に貢献すべく、日米が主導的な役割を果たす上で必要不可欠な同盟の強化に向けた具体的な取組について意見を交換した。
 山崎統合幕僚長とアクイリーノ司令官は、日米首脳会談や日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)等の成果を踏まえ、強固な日米同盟の下で、引き続き抑止力・対処力を強化するとともに、東シナ海における一方的な現状変更の試みに対しては、日米で断固とした意志の下、緊密に連携して対応することで合意した。
 さらに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、"地域の平和と安定のための日米同盟"は、今後も揺るぎないものとして、これを両国の基軸としつつ、同じ志を持つ国々との連携を深め、多国間協力をさらに推進していくことで一致した。

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