防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1050号 (2021年5月1日発行)
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機略縦横
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 「サイセンニン」というのは妙な仕事だ。その職務は曹士隊員に関し服務指導のみならず、人事や訓練の基本・基礎、勤務・生活環境の整備、時には隊員の身の上相談から趣味や縁談の話までと、まさに「隊務全般」が守備範囲となる。
 例えば、今後予想されるウィズコロナの時代にあっても感染防止措置や各種の制約、躾事項はあくまで「服務指導」として行うべきであり、訓練等も「リスクがあるからやめる」ことなく、危機管理・服務指導が機能している部隊にこそ「真に戦える隊員」が育つものと考える。
 そのために「サイセンニン」が具体的にどうすべきか?は誰も教えてくれないし、教範もマニュアルも存在しない。如何なる状況にあっても指揮官の補佐者として「真の目的」を念頭に、部隊・隊員を「よく見て」「よく聴き」自分に何ができるのかを繰り返し自問自答するしかないのである。今後も「最先任上級曹長」としての誇りと覚悟を胸中に、その職責を果たしたい。

各地で入校・入所式
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札幌病院
 4月2日、自衛隊札幌病院准看護学院(学院長・高橋俊幸1陸佐)は、北部方面総監部から医務官森西1陸佐、北部方面隊最先任上級曹長金子准陸尉が臨席して、多くの志願者の中から選抜され、北は北海道(小清水町)から南は沖縄(与那国)の全国から集まった第46期初級陸曹特技課程「准看護師」27名(男性15名、女性12名)の入校式を挙行した。今年から陸曹の入校も認められるようになり、学生代表の井川3陸曹は同期を代表して決意を込めた力強い声で申告を実施した。
 入校式において病院長(鈴木智史陸将)は、「本課程で養成される准看護師たる初級陸曹は、第一線から治療・後送の各段階において、傷病者救護・看護を担うという重要な役割が期待されている」と話し、学生に「積極的に学べ」「仲間を大切に」の2つを要望し、「陸上自衛隊の准看護師たる救護陸曹の地位・役割を認識し、与えられた365日24時間を自身の心身の練磨のために有意義に、そして積極的に勉学に励んでほしい。また、本教育を通じて苦労を分かち合うとともに切磋琢磨し、多くの理解し合える仲間を作り、立派な衛生救護陸曹になってもらいたい」と訓示した。
 また准看護学院長は、「自ら学び、鍛えよ心と体」を要望し、「准看護師としての専門的識能の修得及び衛生科隊員としての資質のかん養という重要な目的に臨む姿勢として、常に仲間を思いやることができる強くて優しい心を育み、受動的な学びではなく、積極的に自ら求めて学び2年間でできるだけ多くの看護知識や技術を自分のものにしてほしい」と式辞を述べた。
 北部方面総監部医務官(森西洋一1陸佐)は、「准看護師としての専門的識能、衛生救護陸曹として必要な識能を修得するとともに、衛生科隊員として必要な資質をかん養するという目的を達成しなければなりません。厳しい訓練もあれば、聞き慣れない医療用語の理解に苦しんだり、実習の現場で戸惑うこともあるでしょう」と話し、学生に「常に同期とともに」を要望し、「2年後、札幌准看同期の絆を確固たるものにし、学生全員が目的を達成し、頼れる准看護師、衛生救護陸曹として巣立っていくことを楽しみにしている」と祝辞を贈った。
 訓示等における激励の言葉を心に刻み、決意を新たに学生27名は准看護師となるべく教育に臨む。
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中央病院
 公務又は通勤災害による負傷や疾病で障害を負った隊員の円滑な部隊勤務や社会復帰に向けた更生指導業務を実施する自衛隊中央病院(三宿)職業能力開発センター(センター長・脇阪裕城)で4月8日、第66期生2名(陸自)の入所式が行われ、継続1名と新規1名がセンターに入所した。
 入所式は、新型コロナウイルスの感染防止のため部外の来賓は招かず、中央病院職員のみで開催された。国歌演奏、入所者の任命後、学生長がセンターでの研修を申告した。
 続いて、執行官の福島功二病院長が登壇。今期の入所者が2名と少なく、同じ科の中で切磋琢磨し、お互いを高めあう環境に恵まれていないことに触れ、「多忙な業務の中でセンター入所を快く送り出してくれた原隊の部隊長と同僚のため、それぞれの目標達成に向け精進するよう」激励した。
 研修生は、1年間をかけてそれぞれの履修科である一般事務科と木工科において、各人の目標に向け、知識・技能、各種資格等を取得し、部隊復帰後それぞれの職務において貢献できるようベテラン教官のもとで研修することとなる。
 職業能力開発センターでは、「公務災害等により障害を負った隊員がおられたら、ぜひ入所を検討してもらいたい。部隊復帰に向けてしっかりサポートしたい」としている。
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防衛医科大学校
 葉桜の緑が美しい4月7日、埼玉県所沢市にある防衛医科大学校で医学科48期生84名、看護学科8期生(自衛官候補)75名(技官候補)45名の入校式が、大西宏幸防衛大臣政務官・椎葉茂樹衛生監・統幕副長の 鈴木康彦空将・陸幕衛生部長の森知久陸将補・海幕副長の西成人海将・空幕副長の阿部睦晴空将らの来賓を招き行われた。新型コロナウイルス感染症感染拡大防止の観点から、保護者及び部外からの来賓の参列はなかったが、オンラインで保護者たちはこの入校式を見ることが出来ていた。
 海上自衛隊東京音楽隊による演奏で学生による国歌斉唱、力強い任命・宣誓と式は続いた。
 大西政務官は、先輩たちの築き上げてきた実績を誇りとしつつ志を受け継いで欲しい・同期との絆を大切にし、お互い切磋琢磨して欲しいなどと訓示を述べ、四ノ宮成祥学校長は式辞で、(1)他人から信頼される人間に成長してほしい(2)学生生活を通じて自ら学び続ける姿勢と自身で成長していく術を身につけて欲しい(3)防衛医科大学校の学生としての誇り、そして本校に愛着を持って欲しいと要望した。
 防衛医大の卒業式では、帽子投げをして解散していくが、入校式では、帽子をきちっと大事そうに被って起立する姿が凛々しかった。これから6年、何にも代え難い輝かしい日々が待っている。
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高等工科学校
 4月7日、穏やかな春の陽射しのもと、陸上自衛隊高等工科学校(学校長・岩名誠一陸将補=武山)は、松川るい防衛大臣政務官立会の下、第67期生徒(344名)の入校式を挙行した。
 今年度の入校式も、新型コロナウイルス感染拡大防止のため部外来賓及び保護者の方々の参列を見合わせ、インターネットでのライブ配信を実施した。
 式典では、学校長から辞令書を交付され陸上自衛隊高等工科学校生徒に任命されたのち、新入生代表の半井寛太生徒(千葉県出身)が決意の面持ちで服務の宣誓を行い、全力を尽くして学業に励むことを誓った。
 学校長は式辞において「自衛隊員としての自覚を持つ」、「目標を立てて、日々努力せよ」の2点を要望した。その後、防衛大臣政務官及び陸上幕僚副長の訓示に際し、新入生たちは真剣な眼差しで一つ一つの言葉をかみしめていた。
 入校式後、グラウンドで上級生による歓迎パレードを見学した新入生たちは、先輩の堂々たる行進に圧倒されていた。
 それぞれの目標へのスタートラインに立った新入生344名の若桜たちの今後の活躍に期待したい。

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