防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1047号 (2021年3月15日発行)
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令和2年度防衛医科大学校卒業式
 今年度の卒業生は、医学科74名、看護学科自衛官候補63名、看護学科技官候補42名。卒業証書授与では、ひとりひとりがマスクの下から溌剌とした声で返事をした。医学科代表の梁木百合香学生、看護学科(自)代表の種市桃乃学生、および看護学科(技)代表の岩上里沙学生が卒業証書を受領した。また、学位記は医学科代表の向井頌之学生と看護学科代表の武藤ひかる学生が受領した。その後、医学科代表の大原悠学生が「医師の誓い」を、看護学科代表の渡辺愛香学生が「看護師の誓い」を力強く読み上げた。
 四ノ宮成祥学校長は式辞で、医学科と看護学科(自)に対して「国民全体のために、率先垂範して働くという気概を持って任務の遂行にあたり、医官・看護官として幅広い分野で活躍してください」と要望した。また看護学科(技)に対しては、「専門的かつ崇高な職業に従事するという誇りと強い責任感を持って、看護の道にまい進してもらいたい」と餞の言葉を贈った。
 岸大臣は、新型コロナウイルス感染症に係る災害派遣で、卒業生たちが活躍していることに触れ、「地域の医療ニーズに応えるためには、常に進化する医療技術を吸収するため日々の研鑽が必要です。常に先進技術に目を向け我が国の医療技術の向上できるような医療人を目指してください」と訓示した。
 これらの式辞・訓示を受けて、学生隊学生長で医学科の工藤美紀学生が卒業生を代表して答辞を述べた。工藤学生は、感謝の意とともに「国民の負託に応えるべく、誠心誠意たゆまぬ努力を続けてまいります」と熱い決意表明を行った。
 卒業式に引き続いて行われたのが「任命・宣誓式」および「人事発令伝達式」。医学科と看護学科(自)の卒業生は、陸上・海上・航空幕僚長からの任命、防衛大臣への宣誓をもって晴れて自衛官としての道を歩み始めた。看護学科(技)卒業生は、四ノ宮学校長からの人事発令の伝達により、非常勤職員を経て、4月から防医大所属防衛技官となる。
 昨年に続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、親族はインターネット配信で我が子らの晴れ姿を見守った。式が終わり、卒業生全員が一斉に中継カメラがある体育館後方に体の向きを変えた。卒業生を代表して、学校関係者、同期、先輩や後輩、そして家族に対して溢れんばかりの感謝の気持ちを伝えたのは医学科の塚島大地学生だ。涙よりも笑顔、そしてこれから国民の負託に応えなければいけない、責任感に満ちた清々しい表情を見せてくれた卒業生たち。卒業後は、医官・看護官は幹部候補生としての教育訓練や研修等を経て自衛隊病院や衛生科部隊等で勤務する。技官は防衛医科大学校病院での勤務となる。
 最後は、全員が一斉に帽子を宙に投げ、勢い盛んに体育館を飛び出した。同期の絆を胸にそれぞれが新たな一歩を踏み出していった。
 式後、海上自衛隊に任官した卒業生たちは、山村海幕長、四ノ宮学校長が参加する懇親会に出席した。山村海幕長は「部隊配置には、夢と希望が沢山あるから、安心して来てほしい。皆が来るのを楽しみにしています」と激励した。

第44期初級陸曹特技課程
「准看護師課程」卒業式
<自衛隊札幌病院>
 3月4日、自衛隊札幌病院准看護学院長(高橋俊幸1陸佐)は、北部方面総監部医務官・森西1陸佐、北部方面隊最先任上級曹長・金子准陸尉が臨席をして、第44期准看護学生24名(男性13名、女性11名)の卒業式を挙行した。
 卒業に当たり、病院長(大鹿陸将)は、「この卒業をもって終了ではなく、2年間の教育の価値はこれからの努力次第で決められる。これからの人生においても引き続き人格の陶冶に努め、困難に挑戦することを忘れずに日々成長し、将来、陸自衛生の中核となって活躍することを心から期待している」と訓示した。
 また、准看護学院長は、「新天地において自らの任務分析を行い、やるべきことをやることが大切であり、その一歩一歩が今後の成長につながる。是非とも自衛隊准看護師としての仕事を好きになり、そして楽しみを見つけ、大きく飛躍してもらいたい」と式辞を述べた。
 北部方面総監部医務官(森西1陸佐)は、「多くの人に感謝される側になり、いかなる環境下においても任務を完遂し得る衛生救護陸曹として大きく成長してほしい」と祝辞を述べた。
 学生代表は、「この教育において、お世話になった病院長をはじめとする病院職員への感謝と、これからの勤務への抱負として、自衛隊札幌病院准看護学院の伝統に誇りを持ち、衛生救護陸曹としてより一層の努力と研鑽を続けて行きます」との誓いを述べ、多くの病院職員に見送られて、北は名寄、南は福岡までそれぞれの任地へ旅立った。
 なお、病院長褒賞を古澤3陸曹が、学院長褒賞を林3曹、同じく吉田3陸曹が受賞した。

自衛隊高級課程合同卒業式
統合運用体制の更なる強化の牽引者として
 3月5日、目黒地区に所在する統合幕僚学校(学校長・沖邑佳彦陸将)、陸上自衛隊教育訓練研究本部(本部長・田中重伸陸将)、海上自衛隊幹部学校(学校長・真殿知彦海将)および航空自衛隊幹部学校(学校長・柿原国治空将)は、合同で第29期自衛隊高級課程卒業式を実施した。式には中山泰秀防衛副大臣、山崎幸二統幕長・湯浅悟郎陸幕長・山村浩海幕長・井筒俊司空幕長が陪席した。また、新型コロナウイルス感染防止の観点から、来賓は部内者のみとした。航空自衛隊中央音楽隊の演奏が会場に華を添える中、約30名の出席者が卒業生の門出を温かく見守った。
 今期の卒業生は1佐から2佐の45名(陸17名、海12名、空15名、豪州海軍中佐1名)。昨年3月、まずは統幕学校の「前期合同統合教育(高級課程)」に入校後、5月からは各自衛隊に分かれて「幹部高級課程」で、上級部隊の指揮官又は幕僚に必要な知識や技能を修得した。10月からは再び統幕学校の「統合高級課程」で、統合運用に関する広範な知識・技能を修得した。今期は世界的な新型コロナウイルスの流行や緊急事態宣言の発令により、国外研修の中止や当初の予定の変更を余儀なくされたが、講義等の時間を増やしたりすることで履修課程の充実を図った。
 執行者代表の沖邑統合幕僚学校長が式辞で、「諸官らには、統合運用体制の更なる強化の牽引者として、本課程で得た知識・技能を統合運用の実効性向上のために大いに役立ててもらいたい」と要望した。
 中山防衛副大臣は、統合任務部隊を災害派遣で初めて編成した、東日本大震災の発生から10年の節目を迎えたことに触れ、「改めて当時を振り返り、ここで学んだことを踏まえつつ、陸海空自衛隊や単純な合計ではなく、それ以上の成果をもたらすよう真に最適化された統合運用をいかに作り上げていくべきかを考え、より高みを目指すよう使命の一つとして頂きたい」と訓示した。
 また山崎統幕長は「多次元統合防衛力の実現に向け果敢に挑戦せよ」、「強いリーダーシップを発揮し使命を完遂せよ」の2つを要望。「いついかなる状況においても自らを奮い立たせ、それぞれの組織の先頭に立ち、強いリーダーシップを発揮し、全身全霊を持って自らの使命を完遂してもらいたい」と訓示した。

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