防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1024号 (2020年4月1日発行)
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ノーサイド
北原巖男
決 断

 新型コロナウイルスの感染拡散の勢いが止まりません。世界中の人々は今、命の危険と途方もないプレッシャーを強いられています。世界のリーダーからは、「戦争」との言葉も発せられています。
 人類は、その英知を結集してこの新しい敵との戦いに早急に勝利しなければなりません。その時が一日でも早く来るためにも、私たち国民一人ひとりが、引き続き冷静な感染防止に真剣に努めて行くことが不可欠です。「私は大丈夫」などといった慢心と無責任は、全く通用しません。
 特に重要と言われているのは、クラスター(集団)の発生防止です。厚生労働省のホームページは、国民の皆さんに次のような協力を求めています。
 外出するに際しては、集団感染の発生に共通しているリスクとされる(1)換気の悪い密閉空間(2)多数が集まる密集場所(3)間近で会話や発生をする密接場面を避ける。「密集」・「密閉」・「密接」の重なりには、特に気を付ける。更に、共同で使用する物品には消毒などを行う。
 世界では「医療崩壊」も生起しています。人工呼吸器の不足等から重篤な患者さんを救うことが出来なかった医療従事者の皆さんの、やるせない落胆・切実な訴えも報じられています。日本は大丈夫でしょうか?
 電機メーカーのシャープが不足を続けているマスクの緊急生産に乗り出した旨の報道がなされています。政府の要請を受けてなのか自主的に行っているものなのか私には分かりません。それ自体とても有難いことなのですが、シャープと聞いて、人工呼吸器を作ってくれたらなぁと勝手な思いが自然に浮かんで参りました。素人が考えるようなそんな簡単なことではないのでしょうが…。
 新型コロナウイルスとの戦いの戦略・戦術・戦闘方針を決めるに必要な情報が全て集約されて来るのは政府を置いてありません。最悪の事態の生起を想定した対応は、当然検討し準備を進めていることと思います。
 歴史小説家半藤一利さんが、第2次世界大戦当時の日本について様々な著作の中で批判しているような、「起きては困るようなことは、起きないだろうとの思いに通じ、最後は、起きないのだと決めつけてしまった非常識な意識の存在」の再来は、決して許してはなりません。
 そして決断に当たっては、「遅きに失した。極めて遺憾」などといった言葉を、万が一にも国民のリーダーが口にせざるを得ないような事態は絶対にないようにしていただきたいと思います。「TOO LATE」にならない迅速かつ的確な決断を心からお願いしたいと思います。
 こうした中、東京2020オリンピック・パラリンピックの国内聖火リレーが始まる3月26日を目前にした24日、同オリンピック・パラリンピックを1年程度延期する決断がなされました。遅くても2021年夏までに開催することが確認されています。大会名称の東京2020オリンピック・パラリンピックの名称は維持とのこと。
 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない現下の状況からは、当然の決断です。既に各国や国内からも延期を求める声が出ている中での決断でしたが、IOCによる突然の延期通告ではなく、開催国の我が国がリーダーシップを発揮したことは評価すべきことです。
 延期に伴い解決すべき課題は山ほどあります。原点は、選手や観衆を始め全ての人たちの安全。その軸がぶれない限り、来年夏までに完全な形でオリンピック・パラリンピックを迎えることが出来ることを確信します。もちろん、見えない敵に勝利し世界の皆さんに笑顔が戻っている中で。

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


防大生が定例のゴミ拾いボランティア
 防衛大学校学生隊は2月11日、校内及び校外周辺においてゴミ拾いボランティアを実施した。本ボランティアは学生隊本部企画で毎年度3回計画しており、事前に参加を応募した学生が休養日において起床時刻前から2時間程度ゴミ拾いを実施するものである。今回は、東京湾に白波が立ち、北風が吹き荒ぶ気温5℃以下の寒空の中、前回実施した11月に比べて約3倍増となる406名が参加した。また、防大卒業生及び在校中の殉職者に対する感謝と尊敬の念から、顕彰碑の清掃を実施した。本ボランティアを企画した343小隊3学年の円城寺泰成学生は「多数の学生の参加により、周辺地域への感謝を示すという目的は達成できたと思う。参加学生が奉仕の精神を再確認してくれれば幸いである」と述べた。

RDEC(アジア及び周辺地域)
陸幕長に帰国報告
 3月18日、国連活動支援局が実施する国連PKO支援部隊早期展開プロジェクト(RDEC)の一環として、ベトナム・ハノイ近郊で2月10日から3月13日まで活動を行った教官団の代表5名が、湯浅悟郎陸上幕僚長に対して任務完遂と教官団28名全員の帰国を報告した。
 現地ではベトナム軍主導で、毎日2回の検温をはじめとした新型コロナウイルス感染防止対策が徹底されていたようだ。団長の阿部豪2陸佐は、「感染者が出たら訓練の中止も有り得るといった環境の中で、ひとりの感染者を出すことなく、予定していた事項を全てやりとげることができました」と成果を報告した。
 アジア及び周辺地域でのRDECは今回が2回目。第10施設群(船岡)を基幹とする今回の教官団は、ベトナム人民軍第249工兵旅団駐屯地で、5か国20名(ブータン、カンボジア、インドネシア、ネパール、ベトナム)の工兵に対する重機操作・整備および訓練計画の作成要領等の訓練を実施した。

高等工科学校第63期生徒卒業式
 桜の蕾が一輪また一輪と開き始めた3月20日、陸上自衛隊高等工科学校(学校長・岩名誠一陸将補=武山)は、河野太郎防衛大臣立会の下、第63期生徒280名の卒業式を行った。
 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、部外来賓や学生家族等の出席が自粛されたものの、式の様子はインターネット中継で閲覧できる措置を講じた。
 国歌斉唱、代表者への卒業証書授与、陸上幕僚長賞・学校長賞表彰と続き、坂本晴比古学生による申告が力強く行われた。岩名学校長は、餞の言葉として「無難な人生よりも有難い人生」を贈った。「諸君は、この3年間の厳しい教育を通じて、試練、困難を克服したその先には、達成感、充実感そして、何よりも成長した自分に対する『自信が付く』ということの『有難さ』を知っている。そのことを卒業後も忘れず、挑戦を続け、更に、人としての成長を果たし『有難い』と思える人生を歩んでもらいたい」と激励した。その後、河野大臣の訓示、安倍総理のメッセージ、湯浅陸幕長、提携する神奈川県立横浜修悠館高校校長の祝辞と続いた。なお、式前には小泉進次郎環境大臣の祝電も披露された。
 在校生送辞を行ったのは櫻井朋哉学生。緊張しながらも、思いのたけを精一杯述べたその言葉には卒業生への感謝の気持ちが溢れていた。そして卒業生答辞を行ったのは、宮田淳平学生(写真)。親元を離れて飛び込んだ学校生活を振り返り、辛い時を支えてくれた同期への感謝と成長した姿での再会を誓った。
 式後は、運動場で河野大臣らが見守る中、学生による卒業パレードが行われた。澄み渡る空の先にそびえ立つ霊峰富士のように、威風堂々とした若桜の姿に頼もしさを感じざるを得なかった。
 なお、卒業生の大半が、4月1日付で陸士長に任官し、全国の陸曹教育隊に入隊する他、一部の学生が防衛大学校、海自・空自航空学生への道を進むこととなる。陸曹教育隊に進んだ学生は、隊付教育、各種学校を経て、1年後には陸自最年少の3等陸曹に任官して部下を持つ立場となる。

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