防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1020号 (2020年2月1日発行)
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読史随感
神田淳
<第46回>

日本の民主主義の伝統

 日本の民主主義は戦後始まったと思っている日本人が時々いるが、実は戦前の日本も立派な立憲民主制の国家だった。
 近代憲法(大日本帝国憲法)が1889年(明治22)制定されており、1890年選挙が実施され、同年より国会(帝国議会)が開かれた。国会には立法権と国の歳入・歳出の審議権が与えられていた。戦前日本の、民より選ばれた議員が衆議院で国政に参加する民主政治の実績は決して小さくない。
 大正になって、民衆の政治への関心が高まり、政党の力も強まった(大正デモクラシー)。1918年(大正7)、立憲政友会総裁原敬は、陸・海軍大臣など一部を除く閣僚をすべて立憲政友会党員から選ぶ本格的な政党内閣を組織した。1925年(大正14)、満25歳以上のすべての男子が選挙権をもつ普通選挙法が成立した。その後、犬養内閣が1932年(昭和7)五・一五事件で倒れるまでの8年ほど、衆議院に基礎をもつ政党が交代で内閣を組織する「憲政の常道」が実現していた。
 1931年(昭和6)満州事変以降、軍部が力をもち国政を牛耳るようになった。1940年(昭和15)、大政翼賛会が結成された。政党ではなく、政府の方針に協賛する官製の組織だった。日本はこの時期、戦争遂行を至上目的とする軍部の支配する国家となっていた。
 欧米の民主主義は市民革命で進展した。明治維新は市民革命という見方も十分できる。維新政府の施政方針は次の「五箇条の御誓文」に示されている。一、広く会議を興し、万機公論に決すべし。一、上下心を一にして盛んに経綸を行うべし。一、官武一途庶民に至る迄各(おのおの)その志を遂げ人心をして倦まざらしめん事と要す。以下省略するが、十分民主的な国家の基本方針といえる。
 明治日本の民主的傾向は、欧米諸国の影響が大きかったが、日本の伝統にないことではなかった。外国と比較すると、日本は独裁を嫌う歴史・文化をもつことがわかる。大事なことは話し合って、衆議によって決める。江戸時代、独裁者として振舞う藩主はほとんどなく、藩政は家臣の衆議によっていた。政治は武士による専制だったが、農工商における自治は、集落や団体での集会と決定など、民主的に行われていた。
 日本の民主主義には長い歴史がある。聖徳太子の定めた十七条憲法の、「一に曰く、和をもって貴しとなし、ーーー上和らぎ、下睦びて、事を論(あげつら)うにかなうときは、事理おのずから通ずーーー」、「十七に曰く、夫れ事は独り定むべからず。必ず衆とともに論うべし。小事は是軽し。必ずしも衆とすべからず。唯、大事を論うにおよびては、もしくは失(あやまち)あらんことを疑う。故に衆と相弁(わきま)うるとき、辞(こと)すなわち理(ことわり)を得ん」は、立派な民主主義思想である。憲法の最初の条と最後の条に、(特に大事は)必ず衆議によって決めよと言っている。
 戦後日本の民主主義はアメリカによったが、それが定着したのは日本に民主主義の伝統があったからである。それにしても、日本の現国会はあまりにも些末な質疑が多い。そして今後の国政を左右する肝心な法案の審議には、野党が出席拒否したりする。せっかくの民主主義制度である。われわれ選挙民の責任でその運用を改善していきたい。
 令和2年2月1日

神田 淳(かんだすなお)
 高知工科大学客員教授
著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』など。


防衛省・自衛隊 地方協力本部
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静岡市の新成人に自衛隊をPR
<静岡>
 静岡地本(本部長・宮川知己1空佐)は、1月3日にグランシップ(静岡市)で行われた「2020静岡市成人式」の会場において、静岡市の協力を得て募集広報活動を実施した。
 令和改元後最初となった式典には、華やかな振り袖や袴、スーツに身を包んだ新成人3356人が参加。静岡所では、成人式実行委員会が作成した記念パンフレットなどをまとめたバッグに自衛官募集のチラシを事前に同封してもらっており、会場に向かう新成人一人ひとりに制服を着た広報官が「おめでとうございます」と声をかけながら自衛隊をPRした。
 配布中には新成人から「自動車整備士の道を考えていましたが、自衛官としてやりたいことが見つかりました。来年受験して自衛官になりたいと考えています」といった意気込みを聞くことができた。
 また、地元である静岡市の成人式に参加した自衛官の姿もあり、「陸曹になるための教育に行くことになりました。この一年がとても大事な時期なので、今まで以上に頑張っていきたいです」と近況報告を聞くことができた。
 静岡地本は、今後も若者が集まる機会を積極的に活用し自衛隊をPRするとともに、防衛省自衛隊の魅力をより多くの若者に伝え一人でも多く自衛官に導けるよう努めていく。
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初の試みVTC方式による年頭行事
<鳥取>
 鳥取地本(本部長・青木秀敏1陸佐)は、1月7日、鳥取地方協力本部(合同庁舎内)において、年頭行事を実施した。
 今回は、働き方改革などを踏まえ、本部と各事務所をスカイプでつなぎ、VTC方式で実施した。行事においては、3名の年男と各課各事務所の代表が新年の抱負を発表した。「令和2年の子年にあやかり、多くの入隊者を確保する」と述べる所長や、「今年度の残り3カ月で入隊者4名を確保する」と具体的な数値目標を力強く宣言する広報官もおり、「1級賞状獲得」を目指す鳥取地本にとって、新たな年の幕開けにふさわしい行事となった。最後に本部長が「今年度の目標達成に向けて執念をもって取り組む一方、令和2年度は東京オリンピック後の景気動向や宇宙作戦隊の新設など部内外の時代変化にも着目しつつ、今一度、自己の任務について考え直し、為すべきことを為してもらいたい」と年頭の辞を述べた(写真)。
 鳥取地本における初めてのVTC方式での行事は、音量調節やカメラの位置取りなど試行錯誤の連続であったが、新しいことに挑戦する雰囲気は、新年を迎え目標達成に向け部一丸となって職務に邁進するために必要な士気高揚にもつながった。
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県内の高校生らが米軍オスプレイを見学
<熊本>
 熊本地本(本部長・仲西勝典1陸佐)は1月21日、西部方面隊の計画により、高遊原分屯地において実施された日米共同訓練装備品展示研修に参加した。当日は天候にも恵まれ、研修者は方面隊全体で325名、熊本地本からは募集対象者等40名、自衛隊協力者等173名が参加した。
 各参加者はグループに分かれ全般説明を受けた後、共同訓練に参加している米軍オスプレイや陸上自衛隊のヘリコプターなどの地上展示装備品を研修後、陸自の飛行展示を研修した。参加した高校生らは、初めて見るオスプレイの外観や機内を見学したり、米軍パイロットの説明に目を輝かせて聴いていた。陸自の飛行展示では航空偵察の展示など、すぐ目の前でヘリコプターが飛行し、間近で見る航空機の機動力に感動していた。研修後、募集対象者は方面総監部の募集担当者との懇談の後、分屯地の食堂で体験喫食し、解散となった。
 参加した入隊予定者等からは、「オスプレイを見学して入隊後携わってみたいと思った」「めずらしいヘリコプターを見学出来てとても勉強になった」「飛行展示はすごく迫力があった」などの感想があった。
 熊本地本はこれからも各種訓練やイベントなど様々な機会を利用して募集広報を効果的に行い、自衛官志願者を獲得していく。

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