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自衛隊ニュース   1016号 (2019年12月1日発行)
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海上自衛隊 JMSDF

第33次派遣海賊対処行動を終えて
護衛艦「あさぎり」無事帰国
 舞鶴地方隊(総監・大島孝二海将)は、令和元年10月5日に護衛艦「あさぎり」の帰国行事を開催した。
 「あさぎり」は、平成31年3月16日に第33次派遣海賊対処行動水上部隊として、舞鶴から出港した。舞鶴地区から護衛艦を派遣するのは今回で2回目であり、「あさぎり」の派遣は初めてであった。
 帰国行事では、隊員家族、部内外来賓及び舞鶴地区隊員を合わせて約500名が出迎えた。「あさぎり」艦長の波江野裕一2海佐が帰国報告を実施、大島総監が防衛大臣の訓示を、第3護衛隊群司令の石巻義康海将補が自衛艦隊司令官の訓示をそれぞれ代読し、乗員の労をねぎらった。
 「あさぎり」は、派遣中に12回の直接護衛(船舶12隻)、99日間の警戒任務を実施した。また、護衛任務中に沈没しつつある船舶の乗員を救助するなど、的確な判断により人命救助も実施した。
 ソマリア沖・アデン湾では現在も第34次派遣海賊対処行動水上部隊が活動中であり、「あさぎり」乗員は、日本の平和を守るために昼夜を分かたず活動している隊員がいるということを常に念頭に置きつつ、家族との再会を喜んでいた。

鹿児島音響測定所から子供たちにメダカのプレゼント
 令和元年10月15日、鹿児島音響測定所(所長・川地秀樹2海佐)は地元の牧之原小学校、牧之原幼稚園に対し、地域との交流として「メダカのプレゼント」を行った。
 鹿児島音響測定所(鹿音所)は霧島市街から離れ、山と海と黒酢の壷畑に囲まれた小規模な敷地にあり、市内でもあまり知名度は高くないことから、これまでにも、近傍の福山小学校の運動会や錦江湾福山港クリーンアップ作戦等の地域行事に参加し、周辺の市民との交流を深めてきた。今回の「メダカのプレゼント」は鹿音所が初めて行うものであり、地理的範囲をこれまでよりも少し広げるとともに、対象を園児にまで広げたものであった。
 参加したのは先任伍長の藤谷要海曹長のほか地元出身の3名の隊員で、プレゼントしたメダカは参加者の東中道孝司海曹長が、この企画のために育て増やしたものであった。参加者は先生と一緒に飼育セットの設置や飼育方法の説明と作業をしたが、その最中にも、興味津々の子供たちが「メダカ可愛い、何匹いるかな?」と、水の入っていない水槽を覗き込んだり、制服の裾を引っ張ったり我慢できない様子で、参加隊員の笑顔が絶えない楽しい交流の時間となっていた。
 今回の企画は、地域との交流を深めることもさることながら、将来的に自衛隊についての良い印象をもってもらうことで、将来的な募集活動への種まきになることを目的として企画された。企画から調整、実施までを手がけた藤谷曹長は「広報という業務の一環で始めたものでしたが、この企画に携わる所員が熱心に準備し、今日は本当に楽しそうに子供たちと話していた。そして、澄んだ目をした子供たちから憧れの目や感謝の目で見られることで、隊員たちは、自衛官としての誇りを再確認しているようであった。子供たちはメダカを得たが、我々はもっと大きいものをもらったように感じている。また来年に向けて準備を楽しんでいきたい」と話していた。

第9回西太平洋海軍シンポジウム
次世代海軍士官短期交流プログラム
 海上自衛隊幹部学校(学校長・乾悦久海将)は、令和元年10月9日から17日までの間、「第9回西太平洋海軍シンポジウム次世代海軍士官短期交流プログラム」(WPNS STEP2019)を開催した。
 このプログラムは、平成12年から平成22年の間に実施した指揮幕僚課程学生多国間セミナーを前身とし、平成23年以降、次世代を担う士官の交流事業として開催。今回は第67期指揮幕僚課程学生と計27カ国、30名の諸外国の中佐から大尉クラスの海軍士官が参加した。
 講義、研究会及び文化研修などのプログラムを通じて、参加者は、我が国の安全保障政策や海上自衛隊への理解のほか、日本の伝統文化や先端技術についても理解を深めた。
 研究会においては、各国参加者が自国海軍の概要に関するプレゼンテーションを実施した後、「自由で開かれた海洋のための海軍間協力」を主たるテーマとして活発な議論を行い、言葉の壁や文化の違いを乗り越え、相互理解を深めた。
 閉会式において、学校長は、「諸官がWPNS STEPへの参加を通じて得た知識や経験そして、諸官の間で十分に築き上げられたであろう友情が、将来の多国間協力のための『第一歩(first STEP)』になるものと信じている」と訓示し、参加者一人一人に参加証書を授与した。

八戸航空基地でみちのく銀行女性行員と
「働き方改革・女性の活躍推進意見交換会」
 海上自衛隊八戸航空基地(第2航空群司令・瀬戸慶一海将補)は、10月17日、青森県内及び近隣道県などに事業を展開するみちのく銀行の協力を得て、「働き方改革・女性の活躍推進意見交換会」を実施した。
 当日は、みちのく銀行女性行員14名の参加が得られ、主に当基地女性隊員17名により対応を行った。
 意見交換会に先立ち、みちのく銀行女性行員に対する基地内研修が行われた。当基地の女性隊員がP-3C哨戒機、管制塔及び弾薬搭載訓練等について説明し、みちのく銀行の参加者は、装備品などの展示を興味深そうに見入っていた。昼は、和やかな雰囲気のなかで自由に会話ができるよう、「海自カレーとデザート」をメニューに昼食会形式で懇談が行われた。
 意見交換会では、主に女性の活躍推進を中心に「働き方の工夫や仕事上の将来像」をテーマとして話し合われた。各参加者は、双方の業務体系のほか、転勤、女性の育児環境などの相違点について情報を共有することにより、双方にとって今後の働き方改革に向けての貴重な意見交換となった。
 八戸航空基地では、平成30年6月に航空自衛隊三沢基地所属女性隊員との交流も実施しており、今回の意見交換会は、民間企業女性社員との交流の場となった。今後も、官民問わず他組織の女性社員(隊員)との意見交換会などの機会を作為するなどして、女性隊員の活躍を積極的に推進していく。

地域住民から心温まる見送り
災害派遣活動「終了セレモニー」
 令和元年10月6日に佐賀県大町町役場駐車場、7日に武雄市朝日小学校体育館において、災害派遣に従事した自衛隊員に対し、多くの被災地住民による終了セレモニーが行われた。海上自衛隊は、8月28日から10月7日までの間、佐賀県武雄市北方町及び杵島郡大町町に災害派遣部隊を派出し、災害発生時の孤立者救助や流出油の拡散防止・回収作業に従事した。派遣活動中、佐世保音楽隊隊員による慰問演奏も行い、被災された方の心に寄り添うよう努めた。
 大町町役場では園児によるダンスの披露や花束贈呈等が行われ、地域住民の方からの心温まる盛大な見送りを受けた。武雄市朝日小学校の代表児童から、「皆さんが来てくださったおかげで、日々、町はきれいになり、不安な気持ちがどんどん薄れていきました。この感謝の気持ちは言葉では言い尽くせません」と、お礼の言葉をいただいた。

護衛艦「はたかぜ」横須賀に
成田艦長退職前最後の入港
 令和元年11月1日、成田直人2海佐率いる護衛艦「はたかぜ」が、母港である横須賀に入港した。成田2海佐は令和元年12月に定年退職を迎える予定であり、今回が艦長として最後の入港であった。岸壁では第1護衛隊群司令・江川宏海将補、第1護衛隊司令・東良子1海佐の護衛艦「はたかぜ」を指揮下に置く指揮官2名のほか、成田2海佐と親交の深い同僚が入港を出迎えた。さらに、サプライズとして、夫人と三男である成田1海士(護衛艦「きりしま」)が舷梯から降り立った成田艦長を笑顔で出迎えた。
 成田2海佐は昭和58年3月、第8期一般海曹候補生として入隊以来、護衛艦「ゆうぐも」乗組みを皮切りに、松前警備所勤務、海洋観測艦「あかし」、電子業務支援隊勤務を経て、平成6年に第27期一般幹部候補生課程を卒業、幹部自衛官に任官した。その後は護衛艦「いそゆき」船務士、プログラム業務隊勤務、護衛艦「ちょうかい」船務士、護衛艦「さみだれ」航海長、第1練習隊勤務、護衛艦「しらゆき」船務長、艦艇開発隊勤務、護衛艦「きりしま」弾道ミサイル防衛長、誘導武器教育訓練隊誘導武器科長、海幕防衛課兼内局防衛政策局戦略企画課勤務、護衛艦「はまぎり」艦長を歴任し、平成30年11月2日から第26代護衛艦「はたかぜ」艦長として勤務した。護衛艦「はたかぜ」では、その卓越した指揮統率を発揮し、各種任務・訓練に従事し、特に国連安保理決議により禁止されている「瀬取り」の実施が強く疑われる船舶を確認する等、多大な功績を残している。
 成田2海佐の36年間に及ぶ海上自衛官勤務への敬意を払うとともに、今後の人生におけるさらなる発展と健勝をお祈りしたい。

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