防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1010号 (2019年9月1日発行)
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寄せ書き

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「旅団レンジャー集合教育を終えて」
第46普通科連隊(海田市) 3陸曹 寄満 哲完
 旅団レンジャー集合教育を修了して、レンジャー隊員とは知識と技術を遺憾無く発揮出来る行動力が必要であると感じた。
 その想いは、行動訓練が始まり、基礎訓練でやってきた基本基礎を任務で実行する段階で強くなった。訓練が始まったばかりの頃は、十分に行動出来ていた。しかし、睡眠時間が減り、体力に限界が近づくと今まで出来ていた事が出来なくなる。自分に余裕が無くなると、今まで培ってきたはずの知識や技術が活かせなくなる。それではレンジャー隊員として不十分だと私は思う。しかし、私達はレンジャー教育を通じてその様な状況に陥らないよう訓練をしてきた。
 これからの事を踏まえて私は、教官、助教の方々から頂いた「行動を伴わない決意は妄想に過ぎない」という言葉を忘れる事なく、知行合一の精神を持ったレンジャー隊員として職務に邁進したい。
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「幹部レンジャー課程を終えて」
第32普通科連隊(大宮) 情報小隊長2陸尉和田 匠
 私は、4月15日から令和元年7月12日までの間、富士学校で実施された第87期幹部特技課程レンジャーに参加しました。私は、陸士長の頃に部隊レンジャーに挑戦しましたが、原隊復帰をした苦い経験があります。約10年ぶりの挑戦となったレンジャー教育は、幹部課程教育と部隊集合訓練で教育目的に差異はありますが、自衛隊の各種教育の中でもっとも厳しい教育であることに間違いはなく、準備段階から部隊の幹部レンジャー特技者に指導を頂きながら教育に備えました。
 入校後の素養試験、各種潜入訓練、体力調整及び想定訓練は正確・確実・迅速な動作が求められ、想像以上に厳しい環境の中の訓練でしたが、陸士の頃に挑戦した自分とは違うことにすぐに気がつきました。自分は部隊、小隊の代表という立場、卒業後の部隊への貢献方法等を考察すると、教育に対する辛さが軽減され、モチベーションを高く保つことができました。第87戦闘隊の同期と共に無事、卒業した私は、レンジャー隊員としてのスタートラインに立ち、これまでお世話になった部隊に最大限貢献するチャンスを得ることができました。
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令和元年度看護科幹部候補生隊付教育総合訓練に参加して
自衛隊仙台病院 幹部候補生陸曹長 荒井 美羽佳
 今回初めて消灯や起床時間、朝夕の点呼などがない四夜五日の訓練に参加した。事前の訓練説明は受けていたものの、衛生隊の野外行動は初めての経験であり、理解不十分なまま訓練が始まったことは、私にとって大きな不安を抱えた状態での訓練開始となった。何をするかよく分かっていないながらも、今回訓練参加にあたり、目標を3つ設定した。
 1点目は、初めて睡眠時間を制限させる環境であることから、「最後まで耐え、体力を維持する」という何とも低い目標であった。この目標を達成できたのは2つ目の目標である「班長がどのように班員の健康管理、勤務計画、全体の流れを見て業務運営を行っているかを学ぶ」につながっており、班長は歩哨などの業務の割り振りを考えて仮眠態勢を計画しなければならない。昼夜を問わない作戦環境下において人的戦闘力を維持させ業務を継続するために、班長は班員の戦力回復を考慮した計画・見積もりや、じ後の行動を考えなければならないことを学んだ。3点目は「限られた衛生資材でどのように患者対応するか、また、どのように判断して業務を行うか体験する」である。病院における診療と異なり、巡回救護では医師が不在である中で一般用医薬品を提供する。そのため巡回救護で対応する患者に、医薬品を提供したり、可能な処置を行うが、必要に応じて医療機関の受診をするように伝えなければならない。医薬品や処置等に加え、現在の容態、今後考えられる経過を分かりやすく伝え、部隊が傷病者を受診させるためには、十分な知識を基に、どうしたらわかりやすく伝わるか考える必要があると感じた。
 今回の訓練では病院と違った環境で、自分が部隊に配置されたときに役立つであろう経験が出来た。これらが役立つ日がいつになるか分からないが、今回足りなかった様々なことを補強して衛生科の一員、陸上自衛隊の看護官として貢献できるよう努力を継続していきたい。
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KCー767での長旅
第404飛行隊(小牧) 3空佐 光嶋 淳
 みなさん、こんにちは。実戦飛行部隊初の女性隊長壹岐香里2空佐が率いる第404飛行隊(小牧)の光嶋3空佐です。去る6月3日、1輸空隊の2機のKC-767は、RFA19-2に参加する第3航空団のF-2に空中給油しながら、日本からアラスカ(アイルソン空軍基地)約3000マイル(約5500km)の長旅をして参りました。とにかく長い!腹は減るし、トイレも行きたい。(F-2のパイロットはもっと大変)天気悪かったらどうしよう?空中給油装置壊れたらどうしよう?F-2アラスカたどり着けないや〜ん。緊急着陸?なんてことを常に考えながらのドキドキ約7時間半フライト。無事着陸できたときは、もうクタクタでした。でも無事任務完了、みなさんご支援ありがとうございました。
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「令和最初の野営に参加して」
第31普通科連隊(武山) 即応予備陸士長 辻 修平
 野営初日の朝、習志野駐屯地の第4中隊事務所へ到着すると、そこはもう既に多くの隊員が集合していました。
 今年度、国際防衛ラグビーによる隊舎工事の影響により、我が第四中隊の隊舎は大幅に使える部屋が少なくなり、事務所・物品倉庫・各隊員のロッカー部屋×2の計4部屋になってしまい、朝の準備は多少混乱しましたが、何とか全員準備を整え、無事富士演習場へ向かうことができました。
 富士に到着すると、もう既に天幕が全部立てられた状態でした。野営においては、常備の方たちが毎回先行し天幕設営してくださり、本当に感謝しています。
 当初、前日の雨の影響により自分の宿泊する天幕だけ浸水していましたが、次第に天候は回復し、夜間の行進訓練では快適に歩くことができました。
 行進後は「防御」を実施、我が分隊は、FRP掩蓋を使用した機関銃陣地を構築しました。
 日々の鍛錬不足を腹筋と背筋に感じ、他分隊が構築完了しているというプレッシャーを背中に感じつつも、一心不乱に掘り続けました。その反面、心の中で「施設科のころは、ユンボで一堀りだったのに…」と余計な事を考えながら作業をしている自分もいました。
 構築には多大な時間を要しましたが、小隊長やベテラン分隊長の助言、他分隊の直接支援もあり、無事掩体を完成させることができました。現役のころは個人用掩体を構築する機会がほとんどありませんでしたが、今回の野営を通じ、個人用掩体をもっと要領よく構築することが、今後の自分の課題であると感じました。
 今年度、第4中隊は対抗部隊として野営訓練に参加する機会が多いのですが、私自身と他中隊の練度向上のためにしっかりと役割に徹し、精進していきたいと思います。
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「自衛官候補生教育を終えて」
第33普通科連隊(久居) 2陸士 伊藤 修平
 私は以前、航空自衛隊で5年4カ月間勤務した後、家庭の事情により退職しました。しかし、この度の採用上限年齢の引き上げに伴い、再び機会を頂き陸上自衛隊に入隊しました。
 この自衛官候補生課程においては、過去の経験を活かしながら、さらに多くのことを学ぶことができました。
 まず1つ目は、時間を守ることの大切さです。航空自衛隊在職時に東日本大震災が発生し、災害派遣に従事しましたが、正に一分一秒も無駄にできない状況でした。無論それはここ陸上自衛隊においても同じことなので、私はこの教育間、絶えず時間を意識した行動を心掛けておりました。また、同期の皆にも時間の大切さを少しでも伝えられたらという想いで、普段から率先躬行に努めると共に、同期への声かけを実践してきました。
 そして2つ目は、同期という存在の有り難さです。この教育期間中、様々な訓練を実施して、中には辛く苦しいものもありましたが、同期と一緒に励まし合い、時には競い合うことで、厳しい訓練を乗り切ることができたと思います。また、私は本課程の途中で怪我をしてしまい、思うように訓練ができずに悔しい思いをしていました。そんな時も同期は嫌な顔一つせずに手伝ってくれて、おかげで私も無事最後までやり遂げることができ、同期の有り難さを再確認しました。
 最後に、この課程でお世話になった要員の方々、同期に深く感謝すると共に、ここで得た教訓を特技課程でも活かしていく所存です。さらに、少しでも早く部隊の一員として多くの任務で活躍できるよう、これからも精励恪勤、何事にも全力で取り組んでいきます。

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